Webマーケティングを始めたばかりなら、SEMという言葉について聞いたことはあるけど詳しくはわからない、という方もいるかもしれませんが、SEOとリスティング広告の違いを理解している方は割と多いのではないでしょうか。
SEMを語る上で、SEOとリスティング広告は深く関係しています。
今回は、SEOとリスティング広告の特徴を説明しながら、SEMを行ううえでのポイントについて解説していきます。
1.SEMはSEOやリスティング広告を含めた施策
SEMとは「Search Engine Marketing(検索エンジンマーケティング)」の略称です。Googleなどの検索エンジン上で行われるマーケティング手法で、SEOやリスティング広告などの施策でWebサイトへの集客を増やすための施策の総称です。
つまり、SEOとリスティング広告は、SEMの一部であるといえます。
SEMにはSEOとリスティング広告だけでなくGoogleマップ上での上位表示を行うMEO(Map Engine Optimization)も含まれますが、今回はSEOとリスティング広告について解説します。
2.SEMを構成するSEOとリスティング広告の特徴
SEMで効率よく集客するには、SEOとリスティング広告の特徴を理解しておく必要があります。そこで、それぞれについて確認していきましょう。
SEOの特徴
SEOとは「Search Engine Optimization(検索エンジン最適化)」の略称です。
具体的には検索エンジンからの集客を増加させるために行う施策で、指定したキーワードで検索された時に自社のWebサイトを上位表示させる施策です。
SEO対策には大きく分けて、サイト内部を整備する「内部施策」と、良質な外部リンクを獲得する「外部施策」の2種類あります。
リスティング広告の特徴
ユーザーが検索したキーワードに連動して、検索結果の最上部または最下部の広告枠に表示されるのがリスティング広告(検索連動型広告)です。
リスティング広告はSEOとは異なり、ユーザーが広告をクリックした時に広告費が発生します。また、1クリックあたりの単価の設定金額などにより表示される順位が決まる特徴があります。
3.SEOとリスティング広告の4つの違い
SEOとリスティング広告の4つの違いについて解説します。
費用
SEOは費用がかかりません。SEO会社にアウトソースしなければ、基本的に無料で実施できます。一方、リスティング広告は掲載するための広告費が必要です。特に人気の高いキーワードは入札額が高騰するケースが多く、クリック数も多いため広告費が高くなるケースがあります。
クリック率
基本的に、自然検索の方がリスティング広告よりも8:2の割合でクリック率が高いといわれています。これはユーザーが広告を避け、自然検索の結果を好んでいることが理由と考えられています。
即効性
SEOに比べて即効性が高いのがリスティング広告です。これは広告費を随時変更できる点やかける費用によって上位掲載しやすいといった特徴があるためです。一方、SEOは施策をはじめてから効果が出るまで数か月から半年以上かかるといわれていて、中長期的な視点で考える必要があります。
持続性
外部施策による被リンク獲得や内部施策といったSEO対策によりコンテンツが上位表示されると、その後も継続的な効果が期待できます。一方、リスティング広告は任意で掲載を辞めることができ、広告出稿をやめた時点で掲載はストップします。
ここまでの内容を表でまとめたものが下記です。
SEO | リスティング広告 | |
---|---|---|
費用 | 無料※ | 有料 |
クリック率 | 高い | 低い |
即効性 | 低い | 高い |
持続性 | 高い | 低い |
※SEO会社に外注しない場合
それでは、SEOとリスティング広告の特徴の違いを踏まえたうえで、SEMによる効率的な集客方法について見ていきましょう。
4.SEOとリスティング広告による効率的なSEM施策の実施方法
SEMを行う上で理想的な形は、即効性のあるリスティング広告で初期段階での刈り取りを行いながら、SEOによる中長期的な目標を追いかけていく運用方法です。
Webサイト立ち上げ当初は、検索上位に表示される可能性が低いため、まずはリスティング広告による集客を行います。その間に、自然検索からの流入が増えるようWebサイトへのSEO対策を実施していきます。
SEOの効果で自然検索からの集客が増えてきた段階で、SEOで上位表示していないキーワードなどに絞ってリスティング広告を出稿すると、両方のメリットを活かした効率的なSEMが行えます。
また、リスティング広告においてコンバージョン率が高かったキーワードを参考にコンテンツ制作すると、ユーザーからのニーズの高い記事を作成できるメリットもあります。
5.SEM施策で注意するポイント
SEMの施策を実施する上で注意するべき点もあります。それは「ブラックハットSEO」と「広告ポリシー違反」の2つです。
ブラックハットSEOとは、「無意味なキーワードの羅列」「被リンクの操作」「コピーコンテンツ」など、Googleが定めているウェブマスター向けガイドラインに違反しているSEO手法を指します。ガイドラインに違反しているとGoogleに認識された場合、検索順位を大幅に下げられるなどのペナルティを受ける可能性があります。
一方、広告ポリシー違反には、「故意による商品情報の無記載」「商品やサービスについて誤解を招く表現の使用」などが挙げられます。広告ポリシーに違反すると、広告掲載停止やアカウント停止になるため注意しましょう。
ここで紹介した例は一部であるため、下記リンクから詳細内容を確認しておくことをおすすめします。
≪詳しくはこちら≫ ウェブマスター向けガイドライン(品質に関するガイドライン)
6.まとめ
SEMは、SEOやリスティング広告などを行って、Webサイトへの集客を増やすための検索エンジン上で行われるマーケティング手法です。
基本的に無料で行えるSEO対策は、効果が発揮されるまでの期間(数か月~半年以上)を考慮する必要はありますが、上位表示後の持続性は高く、リスティング広告よりもクリック率が高いという特徴があります。一方、リスティング広告は広告費がかかるものの、運用次第では上位掲載も難しくありません。
このようにSEOとリスティング広告はそれぞれ異なるポイントがあるため、リスティング広告で初期段階での刈り取りを行いながら、SEOによる中長期的な目標を追いかけるといった施策を行える点がSEMのメリットです。
注意点として、SEMに取り組む際はGoogleのウェブマスター向けガイドラインと広告のポリシーによく目を通し、ペナルティを受けることがないように気を付けましょう。