代表的なWeb広告!リスティング広告の基本を押さえよう

2019年のWeb広告費2兆1,048億円のうち、40.2%(6,683億円)をリスティング広告が占めることが電通グループ4社(D2C/CCI/電通/電通デジタル)の調べで分かりました。

いちユーザーとして馴染みのあるリスティング広告ですが、いざ広告主として出稿しようとすると分からないことが多いですよね。

そこで今回は、Web広告の中でも代表的な「リスティング広告」を詳しく解説します。リスティング広告の仕組みや料金体系、メリットやデメリットを理解して、成果の上がる広告運用を目指しましょう。

目次

1.リスティング広告の仕組み 

まずはリスティング広告とはどういったものなのか、概要と仕組みを確認しておきましょう。

リスティング広告とは?

リスティング広告とは、ユーザーが検索したキーワードに連動して検索結果に表示される広告の総称です。キーワード広告やPPC広告とも呼ばれます。

検索連動型広告と呼ばれることもありますが、検索結果に表示されるのはひとつの形式であり、それ以外にもコンテンツページにバナーで表示させる形式、いわゆるディスプレイ広告も含まれます。

リスティング広告の仕組み

国内で代表的なリスティング広告には、「Google広告」と「Yahoo!広告」があります。どちらの広告もサービスを申し込んだのちに広告を出稿したいキーワードを登録し、入札単価などの設定を行います。

ユーザーがそのキーワードで検索すると、同じキーワードで広告を出稿している競合とオークションが開始され、広告の掲載順位が決まったら検索結果とともに表示されます。オークションでは入札単価だけではなく、広告の品質も考慮されたうえで順位が決まる仕組みです。

 

2.リスティング広告と自然検索(SEO)の違い

リスティング広告とSEOの違いを表すと、下記の表のようになります。

  リスティング広告 SEO
即効性 高い 低い
キーワードや期間の設定 できる できない
費用対効果 低い 高い
クリック率 低い 高い
(上位表示された場合)

このように、リスティング広告とSEOは長所と短所を補い合う関係性で、どちらが優れているとは一言で言い切れません。

リスティング広告に力を入れると、集客施策として即効性はありますが、広告費を払い続けなければならず、費用対効果が低くなってしまうことがあります。一方、SEOを重視すると、広告費はかからないものの効果が出るまで時間がかかるため、目先の集客力を担保できないでしょう。

Web集客に注力したい場合は、リスティング広告とSEOの特徴を掴んで両方を併用し、徐々に比重をSEOに移していくことをおすすめします。

 

3.リスティング広告の料金体系

PPC広告と呼ばれるリスティング広告の料金体系を詳しく説明します。

クリック課金制

リスティング広告の大きな特徴が、クリックされて初めて広告費が発生する「クリック課金制」であることです。そのためリスティング広告は、PPC(Pay Per Click)広告と呼ばれることもあります。

検索結果に表示されるだけでは課金されないため、コストがムダに発生しないことが特徴です。

クリック単価は入札により最終決定する

クリック単価(CPC:Cost Per Click)とは、1クリックごとにかかる費用のことです。クリック単価を理解する前に、広告ランクについて知っておきましょう。

リスティング広告でもオーガニックと同じく、上位表示されるほどクリック率が良いため、広告ランクが高い広告から上位表示されます。この広告ランクは、入札単価と品質スコアの2つの要素を掛け合わし、決定します。

広告ランク = 入札単価 × 品質スコア

例をもとに見ていきましょう。品質スコアはクリック率や広告文とLPの関連性などで決定し、1~10段階で評価されるため、次のような計算順位となります。

掲載順位 広告ランク 入札単価 品質スコア
1位 900 100 9
2位 800 200 4
3位 600 300 2

入札単価はクリック単価の上限額なので、実際の費用は「掲載順位が1つ下の広告より上位表示するために最低限必要な金額」となり、次の計算式で求められます。

クリック単価 = 掲載順位が1つ下の広告の広告ランク ÷ 自社の品質スコア + 1

クリック単価 掲載順位 広告ランク 入札単価 品質スコア
89 1位 900 100 9
151 2位 800 200 4
最大(300) 3位 600 300 2

品質スコアを高めれば、入札単価が低くても上位表示できることがわかります。

 

4.広告の掲載順位を決める「広告の品質」

広告の掲載順位は、「入札単価」と「広告の品質」で決められますが、分かりにくいのは「広告の品質」ではないでしょうか。

「広告の品質」は、クリック率、キーワードとの関連性、広告文とLPとの関連性などで決まるとされています。Googleでは品質スコアは10段階で表され、数字が大きいほどスコアが高いと評価されます。広告の品質スコアを上げるためには、広告文に数字を入れるなどしてクリック率を高める、広告文とLPの内容に一貫性を持たせるなどの工夫が必要です。

広告の品質があがると、掲載順位が上がり、しかも安い単価で入札できる可能性が高まるため、リスティング広告を出稿するのであれば広告品質の向上は欠かせないと言えるでしょう。

 

5.リスティング広告のメリット・デメリット

それではリスティング広告のメリットとデメリットを、検索連動型とバナー型(ディスプレイ広告)に分けて紹介します。

検索連動型 バナー型
メリット  

  • キーワード設定によりニーズのあるユーザーに配信できる
  • 低コストで始められる
  • 検索結果画面に確実に表示される

 

 

  • 配信対象をセグメント分けできる
  • 潜在顧客にも配信できる
  • 動画や画像といったクリエイティブを活用できる
  • 検索連動型より低コストで実施できるケースが多い

 

デメリット  

  • キーワードによってはCPAが高額になる
  • 運用にはノウハウが必要

 

 

  • CVRが低くなりがち
  • 運用にはノウハウが必要

 

 

6.リスティング広告の運用で大切なこと

最後にリスティング広告の運用で大切なポイントを紹介します。

誰に広告を配信するか(ペルソナ設定)

リスティング広告を運用するには、誰に広告を配信するのかターゲットを明確にしておくことが大切です。年齢や性別、職業、住所、趣味や性格、悩みなど細かにペルソナを設定することで、ブレることのない戦略立案ができます。

何を伝えたいか(LP、キーワード選定)

広告文は、自社が売り込みたいものを明確に伝える言葉にする必要があります。また、リスティング広告から流入したユーザーがランディングするページも、広告文にマッチした内容で、ユーザーのニーズに応えられる質の高いものであることも重要です。

いくらで配信するか

リスティング広告を出稿する前に、予算を決めておくことも大切です。クリック単価の目安はGoogleキーワードプランナーで確認できるため活用しましょう。予算をあらかじめ決めておき、予算内でどれだけコンバージョンをあげられたのかを振り返り分析することが、今後の広告戦略に役立ちます。

 

7.まとめ 

リスティング広告は、クリック単価であることからムダなコストが発生しにくい、またSEOと比較すると検索結果の上位表示に即効性があるなど、運用次第では大きな成果が期待できる施策です。

しかしクリック単価の設定や、広告文とLPとの連動など、効果的に運用するには一定の知識も求められます。自社での運用が難しい場合には、プロの手を借りることなども検討するのがおすすめです。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

Webコンサルタント
広告代理店にてメディア運営・SEOディレクション・Web広告運用を経験。
現在はコンテンツSEOとWeb担当者向けメディア『Webly』の編集を担当。

目次