ECサイト制作会社の選び方まとめ
- ブレない要件を固めて公平に比較する
- 制作会社は【ECカート選定】【制作】【マーケティング】3要素が重要
- ECカート選定から勝負が始まる
国内ECの稼働サイト数は約455万サイトに上り、昨今では販路拡大を目指しEC業界に参入する企業が増加しています。市場規模も国内のBtoC-ECは24.8兆円、BtoB-ECは465.2兆円といずれも10年前の約2倍の成長を見せており、顧客獲得競争は既に激戦の様相を呈しています。
このような競争下でECサイトを成功させるには、【ECカート選定】【制作】【マーケティング】3つの要素が不可欠です。EC制作前のカート選定の時点で勝敗を分けることも珍しくありませんが、制作会社選びのフェーズでそれらの要素を軽視して失敗するECサイトは非常に多く、売上が伸びないと相談に来る企業もこのケースが殆どです。
本記事では【ECカート選定】【制作】【マーケティング】3つの必須要素を横断して対応できるEC制作会社を選ぶために、比較検討で重要な視点、およびEC業界に15年以上関わっている筆者おすすめの制作会社をご紹介します。
お読みになったECサイトご担当者様のプロジェクト成功に貢献できるよう、他では触れられていない真髄を述べさせていただきます。
ニャーケッター
Webly編集部
GoogleとAmazon、マーケティングをこよなく愛する猫。ガラケーSEO時代にWeb業界へ参入し、マーケターとしてWebly編集に携わる。
1.ECサイト制作の成功は要件の整理から
ECサイト制作では、「何を」「どう」売るかに応じて制作会社に求めるべき条件は変わります。
今後さらに加熱が見込まれるECサイト業界で生き残るには、ECサイトを立ち上げる時点である程度の「勝ち筋」を持って取り組む覚悟が必要です。
そのためには、構築前の段階で制作後の集客やCRMといったマーケティングの知見を有する「パートナー」としての資質を備えた制作会社を見極めることが重要です。
なお、今回のECサイト制作会社紹介では、あえてカート事業者を含めていません。理由は「カート選定」そのものがECサイト成功の命運を握る重要事項だからです。
ECサイトのカート選定要素
上記のように、ECサイトは商品を中心に展開範囲や機能、競争性などが相互的に作用します。予算内に抑えられるかを主軸に選ぶ企業がほとんどで、予算が少ないと選択肢が減り、機能や利便性も制限されます。目指す売上目標が機能スペックに見合わない場合、失敗するのが目に見えてしまいます。
上手くいっていないECサイトはこのパターンが実に多い。
もちろん予算ありきなのは当然ですが、
絶対に譲れない要件は何か?
商品の性質上欠かせない機能は何か?
販売戦略上なくては成立しない仕様は何か?
それらを定義したうえで予算とあまりに乖離する場合、どこで折り合いをつけるべきか、といった視点でお読みいただくと、見落としている課題に気付けるかもしれません。
ECカートの種類と費用相場
ECサイト制作において、まず考えるのがカート選定です。ここでは一般的な選択肢と費用の相場感を紹介します。
ECカートに関しては、以前実施したネットショップ動向調査「Web担当者に聞いた!現在使っているカートシステムの満足度は?」も併せてご参照ください。
ECカート・システムにより大まかな価格レンジはありますが、ここで示すものはあくまで一例である点には留意してください。
制作方法 | モール | ASPカート | オープンソース | パッケージ | フルスクラッチ |
---|---|---|---|---|---|
代表的な例 | 楽天市場 Amazon | Futureshop Shopify | WooCommerce Magento | ecbeing EC-CUBE | – |
初期費用の価格帯 | 10万円~100万円 | 50万円~100万円 | ~300万円 | 100万円~500万円 | 1,000万円~1億円 |
ランニングコストの価格帯 | 5万円~/月 | 1万円~10万円/月 | ~50万円/月 | 30万円~100万円/月※ | 50万円~100万円/月 |
メリット | 多様なユーザにアプローチできる | 比較的安価に自社ECを制作できる | システムに費用が掛からない | カスタマイズの幅が広い | カスタマイズの制限がなく自由に制作できる |
デメリット | モール特有のマーケティング施策が必要 | カスタマイズの幅が狭い | セキュリティ対策等に予算が必要 | 改修が発生した場合コストが割高に | 制作・維持管理ともに莫大な費用がかかる |
モール
初期費用:10万円~100万円
ランニングコストの価格帯:5万円~/月
Amazon・Yahoo!・楽天市場のような既存のプラットフォームに出店する方法です。
モールは自社ECと制作方法や集客施策が大きく異なるため、おすすめで紹介したようにモール出店に特化した制作会社も存在します。
カスタマイズの幅が狭いため制作にあたっての技術的ハードルは低い傾向にありますが、その分モールに特化したマーケティング施策が必要な点には注意してください。
ASPカート
初期費用:50万円~100万円
ランニングコストの価格帯:1万円~10万円/月
コストを抑えられるうえ立ち上げのハードルも比較的低いため、ノウハウがなくても手軽にスタートできます。またカートシステムや機能のバージョンアップはカートシステム会社が行うため、デザインやシステムが陳腐化することなく常に最新状態で利用できるのがメリットです。
一方で他の構築方法と比べると、外部システムとの連携や管理画面の拡張など自社に合わせた個別のカスタマイズが難しく、カスタマイズ性・拡張性には劣ります。テンプレートだけでは競合との差別化が難しいため、UI・UXなどを踏まえたうえで戦略的にカスタマイズを設定する必要があります。
オープンソース
初期費用:~300万円
ランニングコストの価格帯:~50万円/月
企業や個人が開発した一般公開されているプログラムで、ライセンス費用がかからず基本的なECサイトを構築することができます。不具合や障害があった際には自社と制作会社のみの責任で対応しなければならない点は考慮しなければならず、セキュリティ面のリスクもあることから保守管理の難易度が非常に高くなります。
特にECサイトはカード情報などの個人情報を取り扱うため、安全にサイトを運用するにはセキュリティ管理にかなりの予算を割く必要があるでしょう。
パッケージ
初期費用:100万円~500万円
ランニングコストの価格帯:30万円~100万円/月
ECサイトに必要な機能をパッケージ化したシステム。カート機能や受注・売上管理、顧客管理などECサイト運営に必要な機能がパッケージとして含まれており、パッケージを基本とした自社サイト独自のECサイトを構築できます。
カスタマイズ性が高いというメリットがある一方、改修の都度コストがかかる点はややデメリットです。
フルスクラッチ
初期費用:1,000万円~1億円
ランニングコストの価格帯:50万円~100万円/月
システム開発企業やエンジニアに開発を依頼し、完全にオリジナルのECサイトを作れるため、商品やブランドコンセプト、ターゲットユーザに合わせたカスタマイズ性の高いサイトを制作できるのが強みです。例えばZOZOTOWNやユニクロはフルスクラッチのECサイトで成功を収めています。
ただし予算は数千万円以上、規模によっては数億円かかるケースもあり、パッケージ型と比較しても莫大な資金が必要です。パッケージのカスタマイズでは補いきれない特殊な条件の場合のみフルスクラッチを採用すると捉えてください。
2.提案依頼書(RFP)の重要性
ECサイト制作に必要な条件を揃えて比較し、よりよい提案を用意してもらうために重要なのが要件定義をまとめた提案依頼書(RFP)です。
要件定義とは
プロジェクトを始める前の段階で必要な機能や要求を分かりやすく整理する作業を指します。サイト制作においては要件定義をまとめた提案書を「RFP(提案依頼書)」と呼びます。
ただ「安い」「おしゃれな」制作会社を選ぶのではなく、RFP(提案依頼書)から緻密な戦略を練り、予算に見合う具体的なプランを策定しましょう。
絶対に譲れない条件、項目の提示だけでなく、ベストプラクティスを提案して欲しい要望提起も含めます。条件はできるだけ具体的かつ項目を分けて提示することで、発注者(自社)、受注者(制作会社)双方の認識ズレをなくし、具体的な提案内容を引き出すなどのメリットをもたらします。
発注者側のメリット
- 要件を漏れなく正確に伝えられる
- 制作会社の提案内容を公平に比較・検討しやすくなる
曖昧な内容でサイト制作をスタートさせると、後から認識のズレなどのトラブルなどを引き起こす可能性があります。リスクを排除したスムーズなプロジェクト進行にはRFPが必要不可欠です。
受注者側のメリット
- 発注者の要件に応じた具体的かつ的確な提案ができる
- ヒアリングに必要な会議や書類作成の負担を軽減する
例えば、「半年後までに現行ECをリニューアル、詳細はミーティングにて」といった漠然としたRFPを提出するような企業は、制作会社から見ると社内での情報整理やシステム化検討が不十分であることが明白です。発注に至ったとしても追加の修正によって余分な費用や時間がかかる可能性は極めて高いでしょう。慎重な制作会社はリスクを感じて提案自体を辞退する恐れもあります。
RFPは発注時・発注後のトラブルや取りこぼしを防ぎ、プロジェクト全体の質を向上させるうえで重要な役割を果たします。
「何を」「どう」売るかを整理する
ECサイトは商品を中心に展開範囲や機能、競争性などが相互的に作用します。
RFPもただテンプレートに従って形式を整えるだけでなく、商品やサービスの特徴を洗い出してターゲット層のニーズや行動パターンに応じたECサイトになるよう内容をまとめていきます。
ここで注意すべきなのは、社内のEC部門だけでは本来必要とされる要件を的確に掴み切れていない可能性がある点です。RFPの内容が社内共通認識であるかどうか、関連部署の意向が反映できているか確認したうえで展開を進めましょう。
制作会社選びで重要な4つの視点
ここまで解説したRFPの要件を踏まえると、以下4つの視点でEC制作会社を選ぶことがプロジェクトの成功率を上げると言えるでしょう。
- マーケティング視点
- UI/UX視点
- デザイン視点
- システム(ディレクション力)視点
これら4つの視点の重要性について解説します。
視点①マーケティング
「とりあえず安くサイトを作って、後からマーケティング戦略を考える」といった場当たり的な進め方では成果につながりません。
売ろうとしている商品が価格競争必須のものであれば付加価値が必要になりますし、リピート性のある消費財ならば先々のCRMも視野に入れたパートナーである必要が出てくる、といった具合に「制作段階からマーケティング施策を意識したサイト」を構築できるかどうかが事業の成長に不可欠なのです。
実績や提案内容を確認し、SEO・広告戦略・既存顧客に対するCRMなど、幅広いマーケティング施策を想定した提案が可能か判断しましょう。
視点②UI/UX
ユーザーエクスペリエンス(UX)とユーザーインターフェイス(UI)の設計力は、顧客満足度やCV(コンバージョン)率に大きく影響します。UI・UXの完成度が低いサイトは穴の空いたバケツで水くみをするのと同じようなものです。予算を割いてもせっかくの訪問数、広告費を無駄にしかねません。
直感的で使いやすく、スムーズでストレスを感じさせないサイトを制作できる会社かどうかも重要な判断材料です。特にサイトで取り扱う商品カテゴリが多い場合や、サイト構造が複雑になりそうな場合においては重要視すべき要素です。
視点③デザイン(実現力)
デザインはブランドイメージを具現化する重要な要素です。ECサイト制作における真のデザイン力とは、単に洗練されているだけでなく、マーケティングの観点、UI/UXの観点で使いやすさ・わかりやすさを共存させられる能力なのです。
よくありがちなのが「シンプルなデザインだがどこに何があるか分からない」「情報量は充実しているがごちゃごちゃして商品選びに疲れる」といったECサイトです。
過去の制作実績や取引先企業の傾向から、競争の激しい商材のECサイトで実績があるかどうか、またどのような背景、戦略に基づきデザインしたのか語れる制作会社を見極めましょう。
視点④システム(ディレクション力)
ECサイトでは在庫管理や決済方法、キャンペーン設定など、複雑な機能実装が求められます。商品・市場の特性を理解して機能の要件をまとめるディレクション力とシステム仕様への深い理解が必要不可欠です。
自社の要件に沿った適切なECカートを提案し、実際にサイトを構築した実績のある制作会社を見極めましょう。
3.マーケティングに強いEC制作会社3選
前章で述べた制作会社選びで重要な4視点から見たおすすめの制作会社をご紹介します。
まずは①マーケティング視点において特に強い制作実績をもつ3つの制作会社とその特徴をピックアップしました。
※掲載している情報は2024年調査時点のものです
ECマーケティング株式会社
設立年 | 2010年 |
EC制作実績 | JINS、JAL、ニッピコラーゲン化粧品、パイオニア、カメオカ、HEADS、ビューティガレージ など →中小~大企業まで幅広く対応 |
得意なマーケティング領域 | Webマーケティング全般(UI・UX、SEO、Web広告、CRMなど) |
サービスの特徴・強み | 結果にコミットするECサイト制作 |
同社では創業時から通販ランキング上位の大手EC企業のWebコンサル・Webマーケティング支援を行っており、その過程で数多くのECサイト制作プロジェクトを実施してきました。
SEOに精通した構造設計をはじめ集客~CRM戦略の立案まで一気通貫で行うのが強みで、結果にこだわる企業におすすめの制作会社と言えるでしょう。
代表的な制作実績
東証プライム上場企業であるビューティガレージ社のスマホECサイト制作実績です。
理美容・エステ・サロンなどを対象にした卸売がメインのため、請求書払いに対応しているなど機能面でもBtoBに特化したECサイトになっています。リニューアル後、スマホアプリの展開やターゲットユーザ(理美容師やエステティシャン)が業務のスキマに片手で注文操作するシーンを想定しバーコードスキャン機能も追加で搭載しました。
株式会社ジェイグラブ
設立年 | 2010年 |
EC制作実績 | 東京都、山田養蜂場、東急百貨店 →公共団体、大手企業がメイン |
得意なマーケティング領域 | 海外向けブランド戦略 |
サービスの特徴・強み | 越境ECに特化 |
20年以上、2,900社を超えるサイト制作実績があり、越境ECでは導入実績NO.1を誇っています。(参照:同社HP)
eBayなど海外特有のモールや、越境ECカート「Magento」を活用したECサイトを制作・運用しているため、インバウンド展開を視野に入れている企業におすすめです。
eBay出身の担当者がモールでの運用をサポートするほか、自社EC向けの大手海外カートシステムであるMagentoでサイト構築するノウハウを有する数少ない国内の制作会社の一つであり、インバウンド展開においては大きな強みを持っています。
越境ECへの高い専門性が評価されており、大規模な地方自治体・有名企業で多数の越境EC制作実績を有しています。
代表的な制作実績
東京都中小企業振興公社が運営する越境ECモールの制作実績です。ヨーロッパ・アメリカ・アジアなどさまざまな地域においてシェアの高いECモールへ展開するには、越境ECと海外における主要なカートシステムに対する高い知見が必要です。
ジェイグラブ株式会社は特設ページによってeBay、Shopee(ASEAN市場)、Taobao(中国市場)などの大手モールにショップを展開しました。
モールにおける戦略は国内でも同じですが、よりインバウンド需要に特化した越境ECを制作したい場合は自社の求める顧客層に合致した地域でのシェアが高いモール・カートシステムへの知見を有した制作会社を選ぶことが重要になります。国内での会社選び以上に実績を重視しましょう。
株式会社いつも
設立年 | 2007年 |
EC制作実績 | 吉野家、ハーマンインターナショナル、ライオンハート など →中小~大企業まで幅広く対応 |
得意なマーケティング領域 | Web広告、SNS運用、CRM、SEO |
サービスの特徴・強み | 大型モールでの制作運用に特化 |
2022年には『EC責任者が選ぶ楽天市場支援 No.1』を獲得するなど、大型モールにおけるサイト制作・運用に強みのある制作会社です。
EC戦略の立案からサイト制作、運用時のマーケティング施策までトータルでサポート。独自の300項目診断シートから市場の運用状況を分析し、楽天、Amazon出身のコンサルタントが外部に出ないノウハウも含めて独自の視点からアプローチします。
モール専門という特性上メインはプロモ戦略などのマーケティングですが、モール向けのバナー・サムネイル制作からコーディング、メルマガ作成など制作~更新までの工程を一気通貫で担うことも可能です。
モールに特化した運用戦略アドバイスを受けたい企業や、制作だけでなく運用までコンサルティングしてもらいたい企業に最適の制作会社でしょう。
代表的な制作実績
株式会社いつもでは、過去にピジョン株式会社の楽天市場店におけるページ制作を行った実績があります。
楽天市場、Amazonなどのモールは利用ユーザ数が多いため、知名度の低いメーカーであってもマーケティング戦略をしっかり行えば売上を伸ばすことができます。そのため、株式会社いつもではページ制作だけでなくバナー、メルマガなど運用に係る様々なコンテンツ制作を代行し、モールにおける売上改善を行っています。
ページのデザインはヘッダーメニューを4つに絞り、カート・商品検索はアイコンで表示することにより、スタイリッシュかつ見やすくまとまっています。ページのメイン部分もキャンペーン内容を過剰に宣伝するデザインやバナーではなく、ターゲットを意識して子育て層向けに安心感を与えるデザインが考えられています。
4.デザインに強いEC制作会社3選
ユーザにとって分かりやすく(=UI・UXの条件を満たしていて)、かつオリジナリティに富んだデザイン性の高いECを制作するには、相応の予算と組織的連携が必要です。したがって、特にデザインを意識する場合は大規模なプロジェクト実績がある規模の大きい制作会社を選ぶのがおすすめです。
ここではマーケティングの知見に富んでおり、デザイン性の高さに定評のある制作会社を3つご紹介します。
ECマーケティング株式会社
設立年 | 2010年 |
EC制作実績 | JINS、JAL、ニッピコラーゲン化粧品、パイオニア、カメオカ、HEADS、ビューティガレージ など →中小~大企業まで幅広く対応 |
得意なマーケティング領域 | Webマーケティング全般(UI・UX、SEO、Web広告、CRMなど) |
サービスの特徴・強み | 結果にコミットするECサイト制作 |
ECマーケティングは制作部門と別に独立したUI・UX部門があり、協同でサイト制作プロジェクトを進めるのが大きな特徴です。
UI・UX分野で15年以上の経歴を持つ専門家がユーザ目線に立ったサイト制作を徹底的にサポートしています。
代表的な制作実績
ECマーケティングはJAL(日本航空)のツアー配下ページにおけるサイトリニューアルを行っています。
同社の特徴はユーザ目線を徹底したサイト設計。航空会社や旅行会社のサイトはカテゴリや検索導線が非常に多いため、情報の整理やレイアウト、ラベリング、絞り込み機能や視認性など設計時に考慮すべき要件が非常に多く、難易度が高くなります。
成功の決め手は設計前の事前調査だそう。現場のヒアリングと第三者目線のユ―ザビリティ調査を行ったことで、サイト側と利用ユーザのギャップを把握し、優先度を決めてサイト設計、機能要件に盛り込んでいます。
タブ・ラジオボタン・プルダウンなどの表示形式を使い分け、視覚的に分かりやすく可能な限りシンプルなデザインで表現している点も評価ポイントです。
なお、サイトリニューアルの翌年、JALはツアー事業で過去最高売上を達成しています。世界観とマーケティング・UIを両立させた好例と言えるでしょう。
株式会社クーシー
設立年 | 1999年 |
EC制作実績 | 高島屋、イビサ、グレナジャパン、MIMC など →大企業メイン |
得意なマーケティング領域 | Webマーケティング全般(UI・UX、SEO、Web広告、CRMなど) |
サービスの特徴・強み | 要望に合わせたワンストップの提案・支援 |
大企業のWebサイト制作・運用実績が多数あり、サイト制作のみならずWebサービス全般で幅広い業務を行う会社です。フルスクラッチ開発など、顧客要望にあわせてワンストップで施策を提案します。
メインの事業はWebサービスやサービスサイトの企画・デザインとシステム開発で、フルスクラッチによる大規模かつオリジナリティの高いサイト制作に強みがあります。従業員数53名(調査時点)と制作会社としてはかなり大規模であり、企画~開発まで社内で一貫している点が大きなメリットでしょう。
SEO、UI・UXなどのWebマーケティングにも知見を有しており、高い企画力を生かしてブランドの世界観を維持しながらも着実に売上へとつながるECサイト制作を行っています。
代表的な制作実績
オーガニックコスメのブランドとして知られるMIMCの公式ECサイトの制作実績です。
株式会社クーシーの特徴はデザイナーをはじめとするクリエイティブ領域に特化したスタッフが多い点にあります。ECサイトのデザイン企画はもちろん、商品イメージを伝えるための撮影・画像作成まで包括的に行います。
サイトの構成はシンプルで、トップページからは特にECにおいて購入頻度が高いであろう限定商品・コレクションへの導線が分かりやすく設置されています。上部メニューバーからはプロダクトラインの解説や商品ページのほか、店舗ページへの遷移もスムーズに行えるようになっています。化粧品業界では未だに店舗購入を選択する顧客も多いため、店舗との連携を意識する場合は滞りなく店舗ページへ移動できるUI設計も重要になります。
株式会社アートピース
設立年 | 2008年 |
EC制作実績 | コスメ・デ・ボーテ、Justin Davis、MUSHITO LAB など →中堅~大企業メイン |
得意なマーケティング領域 | 店舗連携(OMO)施策 |
サービスの特徴・強み | アパレル・美容への知見が豊富 |
株式会社アートピースはアパレル・美容系ECサイトに強みがある制作会社で、流行のサイクルが早い業界のECサイトで培った経験を生かすデザイン性の高い制作を得意としています。
「お客様が掲げている理念に寄り添い、思想を具現化するための支援をする」を理念に、サイトのイメージや顧客対応方針の策定、販促戦略、リアル店舗との連携販売など様々な施策を提供しています。
洗練されたデザインとマーケティング戦略両方を重視する、特にアパレル・美容業界の企業におすすめです。
代表的な制作実績
デザイン性の高い制作会社として知られる株式会社アートピースとUI・UXに特化したPIVOTが共同で制作したアパレルECサイトの制作実績です。
ブランドイメージを的確に伝え、商品の魅力を広めることを第一に制作されている点が特徴的です。日本語表示でもファーストビューのほとんどは英語で占められており、USAブランドが第一印象で伝わるよう工夫されています。
商品ページはカラー展開が視覚的に分かりやすいデザインになっており、カラー・サイズ・数量の選択も明確で、バリエーション豊富なブランドの特徴を生かせるサイト設計となっています。
5.UI/UXに強いEC制作会社2選
近年はユーザビリティの重要性が広く認知されるようになり、UI/UX改善を訴求する企業が増加しています。しかしサイトに掲載してあるだけで具体的な実績が伴っていないケースが非常に多いので、見極めが肝心です。
今回はUI・UX改善実績20年以上のコンサルタントが執筆した【2024年最新】おすすめのユーザビリティ改善・CVR改善コンサル会社6選より、EC制作を強みとする2社をご紹介します。
ECマーケティング株式会社
設立年 | 2010年 |
EC制作実績 | JINS、JAL、ニッピコラーゲン化粧品、パイオニア、カメオカ、HEADS、ビューティガレージ など →中小~大企業まで幅広く対応 |
得意なマーケティング領域 | Webマーケティング全般(UI・UX、SEO、Web広告、CRMなど) |
サービスの特徴・強み | 結果にコミットするECサイト制作 |
ECマーケティングは制作部門と別に独立したUI・UX部門があり、協同でサイト制作プロジェクトを進めるのが大きな特徴です。
UI・UX分野で20年以上の経歴を持つ専門家がユーザ目線に立ったサイト制作を徹底的にサポートしています。
代表的な制作実績
システム変更後にCVRの不調が発生し、UI・UX改善で売上改善したリーバイス公式ECの事例です。
同社のサイトは新規ユーザにはハードルの高いメニュー文言などブランド力が高いゆえに気づきにくいサイトの課題が多く散見されました。ユーザテストを通じて「男女で使い方の傾向に違いがある」といった課題を発見し、それらを反映した画面設計が評価されています。結果として同プロジェクトで改善されたレイアウトが、日本だけでなく他のアジア圏共通にも展開されました。
この事例のようにトラフィックが大きいサイトほど、CVR0.1%のインパクトが大きくなります。例えば1,000人に1人がつまずきそうなユーザビリティ課題を10件解決したら理論上CVR1%のインパクトに値する、という視点で改善を提案するのがECマーケティングの特徴です。
一般にファッション業界やブランド公式ECではレギュレーションが多いためUI・UXの改善が難しく、対応できる制作会社は非常に珍しいといわれています。本事例はそういった条件をクリアし、世界観とUI・UXを兼ね備えたインターフェースの両立を実現させています。
株式会社ペンシル
設立年 | 1995年 |
EC制作実績 | 株式会社健康家族、リンナイ株式会社、ライオン株式会社 →中堅~大企業 |
得意なマーケティング領域 | Webマーケティング全般(UI・UX、SEO、Web広告など) |
サービスの特徴・強み | 伴走型Webコンサルティング |
株式会社ペンシルはWebコンサルティングを中心とする会社で、Webサイト改善の一環で制作事業も行っています。EC制作は事業のメインではありませんが、マーケティングへの知見を活かして質の高いECサイトを制作しています。
同社の特徴は越境ECサイトの制作支援や伴走型Webコンサルティングの提供です。制作だけでなく、国内外で包括的なWebマーケティング戦略の策定を得意としています。
代表的な制作実績
健康食品で知られる株式会社健康家族の制作実績です。
健康食品業界はリピート率の高さからECと相性が良く、ユーザフレンドリーなサイト構築が不可欠になります。上記のサイトは検索画面のデザインが平易かつ明瞭で、メインターゲットである中高年層にも使いやすいよう配慮されていることが分かります。
そのほか、キーワードから興味のある商品に遷移しやすいよう売上を改善する工夫が各所になされており、UI・UXに対する知見をしっかりと活用して作られたサイトになっています。
6.システム(ディレクション)に強い制作会社2選
システム(ディレクション力)に強い制作会社を2つご紹介します。
冒頭で述べたように、本記事ではカート事業者は含めていません。繰り返しになりますが、カート選定を誤った時点でECサイトの成功が遠のくといっても過言でないほど、カートやシステムは非常に重要な選択なのです。
要件定義や目指すゴールに応じて選定するだけでなく、ロンチ後の運用フェーズまで見据え横断的なカート選定が求められます。そのなかで選択肢が自社一択しかないカート事業者を含めて比較している時点でベストプラクティスではないのです。
御社のECサイト事業を成功させるためには、忖度なしでカートを選定し、設計できる制作会社の中から選ぶことが成功の第一歩目であることを忘れないでください。
ECマーケティング株式会社
ECマーケティングは主要なカートシステムにおける制作実績が豊富で、各ECカートの機能面を的確に把握したサイト構築の提案が可能です。カートシステム・モールだけでなくスクラッチでEC開発ができる技術があるため、幅広い要望に応じたECサイトを制作することができます。
代表的な制作事例
宅配弁当大手タイヘイの制作実績。宅配弁当業界は定期配送・メニューのカスタマイズ機能などを必要とするため、それらの要件に合ったカート選定が必要です。
抱えている課題、求める要件、ロンチ後の集客テコ入れ、これらすべてを設計段階から視野にいれてプロジェクトを進行しています。
介護食品のニーズがある高齢者層から栄養のある食事を求める若年層、家事の負担を軽減したい共働き家庭まで、幅広い年齢におけるユーザビリティを意識したサイトとなっています。
カートシステムの制約がありましたが、集客で必要な改修を開発の段階で組み込むことで、無駄な費用を抑えることにも成功しています。ECサイト成功の決め手は、様々なカートシステムでディレクション経験とEC業界の豊富なケーススタディを有するかにほかなりません。
株式会社これから
設立年 | 2012年 |
EC制作実績 | Dr.Formula、まるごと高知、立花時計店 など →中小~中堅企業がメイン |
得意なマーケティング領域 | Web広告 |
サービスの特徴・強み | 自社ECに特化した制作運用支援 |
制作・支援実績を多数有する自社EC特化型の制作会社で、自社EC専門の企業としては国内最大の規模です。
特に地方のアンテナショップの公式ECなど中小規模の制作実績が豊富で、EC制作・リニューアルからカスタマイズ、カートシステムの引っ越しなどをトータルでサポートしています。自社ECサイト制作のほか、広告集客自動化ツール「AdSIST」を提供しており、自社ECの広告運用を含む集客支援に強みがあります。
運用面では広告に特化しているため、自社ECの展開に際してオウンドメディアやSNS運用等のコンテンツマーケティング戦略を検討している企業は別会社に依頼する必要があります。
代表的な制作実績
参照:クレ・ド・ボーテ公式ECサイト
株式会社これからはブランド化粧品のメーカーとして知られるクレ・ド・ボーテのEC制作を行った実績があります。
ファーストビューはブランドコンセプトが伝わる視覚的にシンプルなコンテンツを全面に配置しており、ブランディングを重視するハイブランドコスメECのセオリーを忠実に再現しています。
クレ・ド・ボーテはコロナ禍を機にECでの展開をスタートさせた企業であり、対面販売の代替をコンセプトとして制作されたECである点が特徴的です。
そのため、お肌の状態や皮膚トラブルに関する簡単な質問を通じてカウンセリングを行い、おすすめ商品を提案する導線を購入までの各所に入れ、オンラインにおいてもブランドの信頼感を高める工夫をしています。
ASPカートでこのような機能の実装・最適化を行うには、各カートシステムに精通した専門家の知識が必要です。株式会社これからはカートシステムのノウハウを豊富に有しているため、自社ECに特化した制作や広告運用をアウトソースしたい企業にぴったりの制作会社だと言えるでしょう。
7.ECサイト制作会社の選び方
ここまで4つの視点で強みを持った制作会社を紹介してきましたが、重要なのは共通しており「EC事業の成長を一緒に目指し、どんな課題にも向き合ってくれる頼もしいパートナー」を選ぶことです。
制作会社としての強み
続いて、ECサイト制作会社が持つ強みの調べ方をご紹介します。各社ウェブサイトで様々アピールをしていますが、「それは本当か?」という一歩引いた目線で見ることもときに必要です。ここではそのコツ、見極めポイントなど解説していきます。
「強み」の調べ方-制作実績
例えば、過去の制作実績からデザインの方向性や主なクライアントの傾向を探ることができます。特にデザイン性やブランディングを重視する場合は自社のイメージとその会社の得意なデザイン領域が合致しているか確認することが重要です。
制作実績を調べる際に重要な指標となるのが「主なクライアントの規模・業界」です。サイト制作の質は担当者の経験に依存する部分が大きいため、なるべく自社と同じ規模・業界での実績がある制作会社を選ぶことをおすすめします。
「強み」の調べ方-コンテンツ
自社の得意領域をコンテンツで発信している企業も少なくありません。マーケティングの得意領域を知りたい場合、コーポレートサイトだけでなくオウンドメディア・ブログ・公式SNSでの発信を見るとよいでしょう。
ただし、特に小さい制作会社は実績や得意分野をサイトに掲載していない場合もあるため、商談時には具体的な実績を含む得意分野を確認しておくことが重要です。
マーケティング・コンサルティングの実績
ECサイト制作において、制作後のサイトが具体的にどんな成果を生み出すか予測するマーケティングの知見は不可欠です。
そのため、サイト制作の実績だけでなくマーケティング・コンサルティングの領域でどんな実績があるか(担当者がどの程度スキルを持っていると予測されるか)把握することは、売上改善を目標に掲げる上で非常に重要だと言えます。
特に規模の大きい会社は発注額で担当者が決まることが多い傾向にあり、優秀なマーケターがいたとしても予算規模が小さいと求める成果を得られない場合があります。商談段階で具体的なマーケティング施策に踏み込んだ提案ができているかよく確認しておきましょう。
過去どんな課題にどう対処したか、ケーススタディを訊ねるのも一つの手です。
また、予算規模や制作会社の体制によっては、発注後に提案時とは別の担当者でプロジェクトが進む可能性もあります。そのため発注後の体制や担当者についても発注前に必ず確認するようにしましょう。できれば提案時の担当がそのままプロジェクトにつく会社のほうが先々齟齬も生じにくく安心です。
制作方法に特化した知見
詳しくは次章で触れますが、ASPカート、パッケージ、フルスクラッチなどECサイトにはさまざまな制作方法が存在します。制作方法の要件が既に決まっている場合はもちろん、決まっていない場合は尚更「自社に最適な制作方法」を提案してくれる制作会社を選ぶことが重要になります。
各制作方法での実績、担当者の知見はもちろん、商談段階で運用フェーズも加味した提案をしてくれるか確認するのもよいでしょう。
8.【商談時】ECサイト制作会社の比較ポイント
制作会社を選ぶ際はサイトや口コミを通じて情報収集し、最終的には商談での反応や提案内容を見て検討することになるかと思います。
商談時にはサイト上では見えづらい重要なポイントを知ることができます。比較時は以下の点を特に意識しましょう。
制作前のサポート体制
商談時はまず制作前のサポート体制をチェックしましょう。見積もり~プロジェクト開始までの工程でどのようにサイト制作の骨組みを作っていくのか確認することで、制作会社の質をある程度把握できます。
見積もり前のヒアリング内容
予算やサイトの情報だけでなく、自社商品のターゲット層や現在の課題感など背景をしっかり引き出すためのヒアリングをしているか、すなわちヒアリングの細やかさが重要です。
ヒアリングの内容により、単にサイトを作るという視点ではなく、クライアントの事業とユーザに合わせたアプローチができるかが分かります。
予算に応じた提案
予算に応じた提案ができる会社ほど、施策提案の質が高い傾向にあります。例えば予算500万円のプロジェクトで「効果を最大化するため」と1,000万円の提案をする制作会社は、クライアントに寄り添った施策立案ができない可能性が高いでしょう。
ただし想定される予算より高い提案をされた場合には、自社の予算設定が誤っているケースもあります。見積もりの内訳を確認する際、他社と比べて金額の比重が多い会社にはその理由を聞いてみましょう。工数や作業フローが妥当だと判断される場合、他の会社が重要なフローを見落としている可能性もあります。
制作の目的に直結するようなフローや効果に影響しうる項目を見落としている場合、成果物の質に大きく影響するかもしれません。価格と品質には一定の相関性があるため、金額に含まれる内容をよく見比べて詳細を確認することも大切です。
プロジェクト担当者の経験
上述したように特に大企業は担当者によって成果物の質が大きく異なります。
営業が口達者で人柄が良かったとしても、実際のプロジェクトでアサインされた担当者に経験がなければ思ったようなサイトにするのは難しいでしょう。これまでEC制作に携わった経験があるか、マーケティングの知見があるか、会社全体だけでなくプロジェクト担当者自身の実績をチェックすることが重要です。
対応の細やかさ、相性
メールや電話が遅い、もしくは積極的なフォローが何もない企業はプロジェクト中も納期や対応の細やかさに問題がある可能性が高いです。
もうひとつ大事なのが「相性」です。
プロジェクトが始まったら窓口担当者と日に何度も連絡を取ることになりますので、自分との相性はどうだろうか、途中、何か悩みが出たとき、腹を割った相談ができそうか、などイメージしてみてください。
制作後のサポート体制
ECサイトの成功にはサイト制作の工程だけではなく、制作後のマーケティング施策の展開や改修対応の質も重要です。
自社のリソースによりますが、多くの場合は制作後のサポートを前提として運用体制を確認しておくと安心です。
マーケティング戦略の得意分野、実績
特に内製でマーケティング戦略を行うリソースがない場合、制作後にコンテンツマーケティングや広告運用、CRM等の施策まで一気通貫で請け負ってくれる体制があるかどうかチェックしておきましょう。
制作会社がマーケティング施策まで行うことで売上に対する責任が明確になり、制作段階からコミットされやすいというメリットがあります。
改修時のサポート
サイトを改修する場合は他の制作会社に依頼することも可能ですが、他社が開発したサイトの改変は保守責任があいまいになるため、トラブルになった際のリスクが大きいのがデメリットです。
何かあったら制作会社に対応してもらう前提で事前に確認しておくと安心です。
9.まとめ
本記事を最後まで読んでくださった方はECサイトの新規立ち上げ、リニューアル時におけるWeb制作会社を選び際の基準や視点の重要性をご理解いただけたのではないでしょうか。
激戦市場で競合に勝てるECサイトを構築するには要件定義・カート選定の段階から慎重に検討を重ねる必要があり、「とりあえずECを始める、リニューアルする」で上手くいくほどマーケットは甘くありません。ただサイトを構築してくれる制作会社ではなく、先の施策まで見据えて一緒に戦略を組み立てる伴走型パートナーを探す視点が大切です。
今回おすすめした企業以外にも数多くの制作会社が存在しますが、ユーザ視点に立ったサイト制作を支援してくれる会社はそれほど多くありません。本当に成功したい、売上を出したいと考えていらっしゃる担当者様はぜひ、マーケティングへの知見を持った専門家に相談することをおすすめします。
サイトリニューアルにお悩みの担当者様へ
- RFPの書き方が分からない
- サイト制作について相談できる人がいない
- 社内のリソースに限界を感じている など
お困りごとに合わせて課題のヒアリング~提案まで、マーケティングの視点から徹底的に支援します。
【参考文献】
エンパワーショップ株式会社「【2023年最新版】国内のECサイト・ネットショップの総稼働店舗数」
経済産業省「令和5年度電子商取引に関する市場調査」