Criteo(クリテオ)広告とは?種類や歴史、始め方など基本情報をプロが徹底解説

フランス拠点のWeb広告配信企業として著名なCriteo。

過去にサイトを訪れたユーザにアプローチする動的リターゲティング媒体として有名ですが、現在はさまざまなターゲティング配信を展開していることはご存知でしょうか?CriteoはWeb広告の効果を底上げするおすすめの広告媒体の一つで、「動的広告」の先駆者ともいえる存在ですが、どの広告代理店でも取り扱えるものではなく、Criteoが公式に認めた代理店のみ販売・運用できるという「認定代理店制度」を設けています。そのため、ネット上に出回っている情報が少ないのも事実です。

効果が高いらしいという噂は聞くけれど詳しい情報が少ない、ちょっとベールに包まれた魅惑的な広告媒体「Criteo」。今回は認定代理店10年目を迎えるECマーケティングがCriteoの原点からプロダクトの進化まで、いまさら聞けないことなども触れつつ、Criteoの魅力をご紹介いたします。現在使っているWeb広告、運用広告の効果が頭打ちの企業様、ECサイトの売上を改善したいWeb担当者様には必見の内容です。


本記事の監修者:ニャーケッター

ニャーケッター

ガラケーSEO時代にWeb業界へ参入。「Google Analyticsをおかずに猫飯3杯は食べれる」が口癖のニャーケッター。なんとCriteoモノプロダクト誕生のきっかけを作った張本人でもある。SEOから広告をはじめプロモーションに10年以上携わるプロ改めオタク猫。彼の名言は「検索はGoogleとの対話」Amazon愛そして猫をこよなく溺愛する弊社の看板Webマーケター。


目次

1.Criteo(クリテオ)とは?広告配信の歴史・強みについて

Criteoはフランスに本社を置く広告配信会社。リターゲティング広告を広めた先駆者としてインターネット黎明期から活躍してきた企業の一つです。リタゲの代名詞といえる存在ではないでしょうか。

Criteo広告の歴史はWeb広告がたどってきた歴史でもあります。まずはCriteoがこれまでどう展開してきたかを知り、Criteo独自の強みを探ってみましょう。

Criteoの歴史(創業~)

Criteoが創業したのは2005年、フランス・パリのサラダ店。創業者のJBリュデルがハリウッド映画を見ながら「映画の視聴履歴からおすすめの作品を紹介してくれるツールがあれば無駄な時間を過ごさずに済むのに」と思ったところからユーザの行動履歴を分析・活用するビジネスモデルを考案したそう。※1

Web上の購買行動履歴に基づいたデータを収集し、顧客一人ひとりにパーソナライズした技術開発をスタートしました。

そしてCriteoの事業が大きく展開しはじめたのは、2008年に始まったPC向け広告商品のリリース以降です。Web広告黎明期だった2010年代にダイナミック広告とリターゲティング配信を組み合わせる「ダイナミックリターゲティング」で、広告成果を引き上げることに成功しました。

<ひとこと解説>
・ダイナミック広告:見る人に合わせて異なる広告を表示するシステムのこと。現在では当たり前に用いられているWebマーケティング手法です。

・リターゲティング:広告主である企業のサイトにアクセスしたことがあるユーザに再度広告を表示させる手法のこと。略して「リタゲ」と呼称することもあります。Criteoを皮切りに、今ではGoogleやYahoo!もダイナミックリターゲティング広告を展開しています。

Criteoの歴史(日本進出~)

創業から6年後の2011年、日本法人を設立。日本は現在アメリカの次にCriteoでの市場規模が大きい国であり、当時の参入はCriteoにとっても日本の広告市場にとっても大きな出来事となりました。

Criteoが日本での市場を広げるきっかけになったのは2012年に開始したYahoo! JAPANとの資本・業務提携。はじめはCriteoと直接契約した月間10万UU以上のアクセス数を保有するWebサイトのみにサービスを提供。当初は大規模ECサイトがメインでしたが、ビジネスの拡大に伴って認定広告代理店を通じてのサービス提供をスタート。日本でのシェアをさらに広げていきました。

日本進出当初、Criteoが苦戦したのは日本のEコマース市場におけるシステムの複雑さが挙げられます。日本のECカートシステムはパッケージ型、ASP型、スクラッチ型など多種多様な仕様が存在します。日本市場に進出するには複雑なEC業界にローカライズする必要があったのです。

タグ実装時の適用方法やパーソナライズに必要な変数データの有無など、海外にはないローカライズに2億円以上の改修費用をかけたとも言われています。そういったCriteoの姿勢が現在多数の企業の売上支援に貢献しているといっても過言ではありません。

2018年には顧客データをAIで分析する研究・開発機関である「Criteo AI Lab」を設立。従来の行動データのみに依存する広告サービスから、よりパーソナライズされた広告が強みになっていきました。同時期に既存顧客の活性化や新規顧客の獲得といった「フルファネル」へビジネスモデルを移行させていきます。

Criteoの歴史(ブランド刷新~)

引用:Criteo社プレスリリース

サードパーティークッキーの規制開始などの情勢変化により新しい戦略・方向転換が必要になり、2021年にブランディング刷新を発表。イメージチェンジに伴い、ロゴも新しいデザインに変更されました。

<ひとこと解説>
サードパーティークッキー(3rd Party Cookie):アクセスしているサイトとは異なる「第三者ドメイン」が発行したクッキーのこと。あらゆるサイトでの行動履歴を収集し、商品への関心を分析することができるようになります。

Criteoなどの企業はサードパーティークッキーを利用することでユーザに合わせたダイナミック広告を提供していましたが、近年ではプライバシー保護の観点から段階的に廃止が進められています。

サードパーティークッキーを用いたリタゲ広告一本を強みとする事業展開から方向転換し、現在では新規顧客の誘導やオムニチャネル(後述)の促進など、多方面にわたるサービス展開を見せています。

CriteoのAIエンジンについて

近年Criteoが特に力を入れているのがAIを活用した広告テクノロジーの展開です。

Criteoは広告エンジンを用いて、さまざまなWebサイトの広告欄に依頼主の広告を代理で出稿します広告を出すための入札先をAIで自動分析し、最適なスペースに掲載できるのがCriteoの大きな強みです。

大きく分けて3つのAIエンジンがあり、目的に応じて使い分ける/併用することで大きな効果をもたらします。

予測入札エンジン

顧客一人ひとりのエンゲージメントやコンバージョン率、カート投入額を正確に予測するAIエンジン。事前に入力された予算を基に効果的な入札先を分析します。

Criteo入札エンジンの優れている点は「プールした資金を他の入札先に回すことができる」ところです。

通常、予算オーバーを避けるためあらかじめ設定した予算額を超える入札はできないようになっているのが広告媒体のシステムです。しかしCriteoは最低CPCの20円より予算を上げると他の入札先での剰余をCPCの高い入札先に回すことができるためり、リーチできるユーザの幅が大きく広がります。

レコメンドエンジン

広告を見る顧客にどの商品をおすすめすべきか自動分析するAIエンジン。商品の閲覧履歴および実際に購入につながったデータを分析し、「閲覧した商品と購入に繋がる可能性が高い商品」といった形でレコメンドします。

閲覧した商品だけでなく、分析によって関連があると判断した商品を表示できるのがCriteoの強みだ。Criteoを通じて発生したCVの5割が初回訪問時に閲覧していない商品、とも言われているにゃん。

クリエイティブエンジン(DCO+)

サイトを訪れる顧客一人ひとりに合わせてレコメンドする商品やデザインを都度自動で選定し、興味を持ってもらえるような最適な広告を作成するAIエンジン。

フォーマット、レイアウト、動き、CTAの色や文言パターンなど数千にものぼる組み合わせが生成され、クリック率や購入率など成果につながった形式が優先的に表示される仕組みです。ちなみにCriteoバナーで商品画像が切り替わる速度も緻密に検証されているとか。

おすすめする商品だけでなく、商品の魅力を伝えるためのデザインもAIによって自動で判別してくれるのがCriteoの大きな強みです。

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2.Criteoができる広告配信(プロダクト)の種類

リタゲ広告でスタートしたCriteoの配信システムも、AI技術の進歩などにより多様なターゲティング方法で広告配信できるようになりましたが、「Criteoといえばリタゲ」というイメージはまだまだ強いのではないでしょうか。もちろん今もリタゲ広告市場においてCriteoの大きなアドバンテージを持っていますが、前述のとおり時勢の変化に応じて幅広いニーズに応える広告出稿が可能になっています。

そのため「初期の頃にCriteoを試したがタグ実装が思うようにいかず効果が十分に感じられなかった」という企業でも、今のCriteoならば過去の課題がクリアされ期待以上の効果を出せるかもしれません。リタゲも含めてどんな種類の広告があるのかチェックしてみましょう。

リターゲティング(リタゲ)広告

Webサイトを訪れたことがあるユーザに広告を配信する「リタゲ広告」。Criteoが提供しているのはユーザに応じて配信面を自動で生成する「ダイナミックリターゲティング」です。

Criteoは膨大な顧客の行動データを駆使し、一人ひとりの興味・関心を自動で分析します。分析データに基づいて広告主の商品を購入してくれそうな潜在顧客を洗い出し、最適な広告を配信するという仕組みです。

カスタマーアクイジション(CCA)/コンテクスチュアル広告

 カスタマーアクイジションとは、サイトに訪問したことがないユーザに配信できるダイナミック広告のこと。具体的なアプローチ方法がコンテクスチュアル広告です。(別々の広告配信方法ですが、現在のCriteoでは統合したシステムとして提供されています)

Criteoが得意とするリタゲ広告は主にサードパーティークッキーを利用して既にサイトを訪れたりしたことのある人を誘導する形態です。大きな効果をもたらすシステムである一方、クッキー廃止による情勢変化や、サイトにアクセスしたことがない潜在顧客にリーチできないという弱みもありました。

そこで、現在はクッキーを使わず新規顧客まで幅広くアプローチできる広告も提供しています。それがカスタマーアクイジション、コンテクスチュアル広告です。

コンテクスチュアル広告とは、配信面のコンテクスト(文脈)から広告内容を決めるシステムを指します。事前に入力した商品情報(商品名・説明文・カテゴリ)と広告を配信するページ内の情報をAIが学習し、コンテンツの文脈に合った広告を配信します。

自社サイトを訪れたことがないユーザや長期休眠ユーザを対象に、クッキーレスな広告配信が可能です。

オーディエンスマッチ(CAM)

クッキーを使わない広告配信方法としてもう一つ注目を集めているのがオーディエンスマッチです。過去に購入履歴があるものの、長期間サイトにはアクセスしていない(もしくは一度も訪問したことがない)ユーザに対してアプローチできます。

過去に取得したメールアドレスの情報をもとに配信対象を決めるので、Webサイトの閲覧履歴だけでなく、アプリや店舗での登録など横断的なデータから広告を配信することが可能です。

特に一定以上の期間購入がない休眠顧客の掘り起こしで効果を発揮します。リタゲ広告とオーディエンスマッチを組み合わせる広告戦略も有効です。

リテールメディア

小売業者及びCriteoが保有するファーストパーティ・データを活用して広告を最適化する仕組みです。利用されるデータとして近年取り入れられたのが大手ショッピングモール「楽天」との連携。個人を特定できない形で行動分析データを利用し、最適な広告を配信します。※2

サードパーティークッキーを使わないことから広告業界全体から注目を集めているシステムであり、Criteoが近年力を入れている事業でもあります。

リセラープログラム(CRP)

特定の商品にフラグを立てて配信するリターゲティング型のプログラム。Criteoが提供する商品レコメンド枠に注力商品、単価の高い商品などを表示させます。

取扱点数が多い、もしくはパーソナライズに依存しない注力商品を持つECサイトにおいては特に有効です。

動画広告・アプリ広告

Criteoではブラウザで表示するWebサイトだけでなく、さまざまなフォーマットに対応した広告を提供できます。

動画広告はブランドや商品サービスの認知度向上を目的とした再生数だけでなく、同時にWebサイト誘導も圧倒的な低単価で叶えるという点で、他の動画広告配信とは一線を画する強みがあります。

アプリ広告は検討段階のユーザへの購買の促進に有効です。

オムニチャネル

オムニチャネルとは、さまざまな媒体での販売戦略を連携させて、効率的に顧客へアプローチする施策を指します。

PCとスマホ両方のチャネル(媒体)に対応するのはもちろん、SNSやモバイルアプリ、さらには実店舗など全てのチャネルが所有する情報を共有しあうことで、顧客に最適化された広告を一貫して表示させることができます。

Criteoが提供するオムニチャネルのプロダクトは主に実店舗とオンライン両輪で行う販売促進。位置情報を活用して店舗来店やオンライン販売を促進することができます。

3.Criteoの導入方法・始め方

実際にCriteoで広告運用を始める場合、配信までの準備に2週間~数ヶ月はかかります。具体的には以下のような手順で導入することを覚えておきましょう。

Criteo社に直接申し込みor認定代理店と契約

Criteoを通じて広告運用を始める場合、まずはCriteoと直接契約するか認定代理店(Criteo認定パートナー)を通じて契約するか選ぶことになります。

直接契約はデータフィードやタグの実装に知識・スキルが必要なこと、加えてキャンペーン作成など初期設定がセルフ対応に移行したことから広告主自身が管理画面からすべて作業するため社内にCriteo導入・運用経験者がいないとかなり難しいでしょう。

Criteoは広告媒体として非常に精度の高い技術を備えていますが、導入するまでの実装作業や運用の難易度が高いため、さまざまな広告管理画面の仕組みを使い慣れていない方が直接契約した場合、準備段階で躓いてしまうケースもときに生じます。実際そういった状態になり弊社にお問い合わせをいただいた事例もあります。

社内にCriteoの知見を持った担当者がいない場合はCriteo認定代理店(パートナー)を通じて契約するのがよいでしょう。Criteo認定代理店と契約する場合は予算規模や運用実績などから自社に合う代理店を選ぶ必要があります。

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<ひとこと解説>

データフィード:広告を出す商品についての情報をまとめた表のこと。単にフィードと呼ぶこともあります。Criteo以外の広告媒体を使う場合もデータフィードを作成する必要があります。

タグ:広告においては顧客のサイト内閲覧履歴などを計測・収集するタグを指します。タグをサイト内のソースコードに埋め込むことで、ページを訪れたユーザのデータを計測・学習・予測します。

Criteo広告を実装するまでの手順

以下は直接契約した場合の大まかな手順です。認定代理店と契約した場合は最適な配信方法を相談しつつ、代理店が代わりに実装までの手順を踏んでいきます。

Criteo は配信までに申し込みやデータの提出などやり取りする回数が多く、タグの実装方法も複雑です。そのため他の媒体と比べて導入のハードルが高く、準備期間が長くなりがちです。

①   掲載審査

Criteo広告を掲載するには運営会社・取扱商品に信頼性があり、一定規模のWebサイトであることを証明しなければなりません。審査時に条件を満たしていることが分かる各種の数値を送付します。

具体的な出稿条件は以下の通りです。

  • 訪問者数:1,500UU/日、もしくは4万UU/月以上
  • クリック単価(CPC):20円以上
  • 商品点数:1点以上

その他、CVR, KPI, 平均購入単価など各種数値も審査の対象となります。

数値的なデータだけでなく、信用性に関わる要素として企業情報、取扱商品の内容などを総合的に見て掲載可能か判断します。

②申し込み・アカウント発行

審査が通ったら申込書に電子署名をして、Criteoアカウントを発行します。

③フィード作成

アカウントの作成が終わったらいよいよフィードの作成に取り掛かります。

適切な広告表示にはフィードの内容とタグの発火情報を合わせる必要があります。作成後のアップロードでタグから取得されたリクエスト情報とフィード内容の不一致率が高いと広告を開始できないので注意しましょう。

④ロゴデータ送付、デモバナー確認

自社のロゴデータを送付し、作成したフィードからデモバナーを作成してもらいます。

最近はセルフ対応化しているため、Criteoにロゴを送って処理してもらうのではなく直接管理画面かロゴをアップロードしバナーの設定を行うケースもあります。

⑤タグ実装

計5種類(必須は2種類)のタグを自社サイトに実装してユーザの行動を把握できるようにします。

実装時にはタグが発火したときに必要なデータがサーバに送信されているかどうか確認する「コンバージョンテスト」も必須です。

ECサイトのカートシステムによってはタグ設定のためにサイトの改修を伴うケースもあり、この作業でつまずくと配信をスタートするまでにかなり時間がかかります。

⑥配信開始

タグの実装が完了したら広告の配信がスタートします。一度設置したタグは特別な事情がなければ配信後に更新する必要はありませんが、導入するオプション機能に応じてフィードを改修するケースもあります。

4.【プロ目線】Criteoは他のダイナミック(動的)広告より強い?

ダイナミック広告を提供している会社はCriteo以外にもいくつかあります。先駆者であるCriteoが総合的に一番高いパフォーマンスを発揮すると考えていますが、もちろん媒体ごとに得手不得手はあるものです。

ディスプレイ出稿におけるGoogle・Criteo比較

GoogleCriteo
本社アメリカフランス
取扱代理店全て認定代理店のみ
最低出稿額(税別)任意設定可1アカウント60万円~
最低出稿期間任意設定可任意設定可
セグメント時の単位エリア単位。1アカウントで複数キャンペーン追加可表示言語単位。言語ごとにアカウント追加が必要
掲載面Googleネットワーク圏内
大手メディア
アクセス数の多いサイト(運営元:法人個人不問)
Yahooネットワーク圏内
大手メディア
アクセス数の多い法人運営サイト
Facebook、Instagram面
課金方式クリック課金クリック課金
クリック単価相場設定方法による25円~市況によって変化
画像入稿正方形、長方形各2点~
※設定内容により変動
正方形9点~
入稿はサーバアップ後の「画像URL」
テキスト入稿画像ごとに見出しテキスト
ユーザセグメント方法興味関心・行動
性別・エリア・言語
年齢・家族構成・年収
デバイス・ブラウザ・OS
検索行動
GoogleMap行動エリア情報
興味関心・行動
性別・エリア・言語
接触ブランド・メーカー
ライフスタイル・季節イベント他

Criteoと比較されることが多いGoogle広告との相違点を詳しくまとめました。ユーザセグメント方法、課金方式などに共通点もありますが、それぞれアドバンテージとなる部分が異なることも分かります。

今度は主要な媒体における特徴の違いを捉えてみましょう。今回は5つの広告媒体を比較しました。

配信面データ蓄積その他の特徴
CriteoGoogle・Yahoo!・Meta(一部)など各所の配信面1日あたり7億5,000万人のユーザーから得た行動データの蓄積審査基準が高い(質の高い広告)
GoogleGoogleサービス全般、検索ページ、そのほかのWebサイトアカウントに紐づいた精度の高い情報導入の手軽さが魅力
Yahoo!Yahoo!サービス全般、大手ニュースメディアなど導入に手間がかかる
Meta(Instagram・Facebookなど)個々のアプリ内で配信利用者層のニーズに特化した独自の顧客データ
LINE年齢性別など正確な顧客情報導入に手間がかかる

配信面

Criteo:Google、Yahoo!など各所の配信面

特にYahoo!の配信面に出られる第三者媒体はCriteoだけなので、その点は大きなメリットでしょう。Google、Yahoo!、その他のアプリなど、さまざまな媒体に配信することができます。実際の傾向としてはYahoo!配信面への出稿が7~8割程度を占めています。

Google広告:Googleサービス全般、検索ページ、そのほかのWebサイト

配信面数は随一ですが、審査基準が比較的緩いのでアクセス数が多ければ個人のブログサイトや誤タップにつながりうる位置にも表示されてしまうことがあります。

Yahoo!広告:Yahoo!サービス全般、大手ニュースメディアなど

配信面のメインはYahoo!天気やYahoo!乗り換えなど各サービス。Yahoo!のネットワークに存在する多くの大手サイト・著名メディア・純広告枠を保有するメディアにも表示されます。

Googleと比較するとimp在庫数は少ないですが掲載枠のほとんどが大手企業をはじめとする法人運営サイトであることからも、信頼性は高いと言えます。

Meta・LINE:個々のアプリ内での表示のみ

MetaはFacebookとInstagramで向き不向きが分かれます。

LINEはオールジャンル・幅広い世代で活用しやすいのが特徴です。

データ蓄積

パーソナライズ広告を表示するための顧客データ(実績)をどれだけ蓄積しているかがサービスの質にも現れます。

Criteo:ダイナミック広告の先駆者として蓄積してきたデータ、1日あたり7億5,000万人ものアクティブユーザから得たデータをもとに学習している

Google、Yahoo!:アカウントに紐づいたさまざまなユーザ情報(Yahoo!の方がやや弱い)

Meta:アプリ利用者層のニーズに特化した独自の顧客データ

LINE:アクティブユーザが多く、年齢性別など正確な顧客情報を有している

Criteoは世界中の購入データ・購入に至るまでの行動ベースを学習しているため、他媒体と効果に差が出るのも納得です。

その他の特徴

導入の手軽さでいえばGoogleが有利です。Criteoは広告主への審査基準が高く誰でも申込みできるわけではないので、利用できるのは一定の基準をクリアしたWebサイトのみ、ゆえに質の高い広告を維持していると言えます。

また、Google、Meta、Criteoはデータフィードの仕様がほぼ統一されているため流用・展開しやすいのが共通の特徴として挙げられます。

LINE、Yahoo!は他媒体と仕様が異なるという運用面での不便さや、後発という点でダイナミック配信においてはCriteoより効果が弱い傾向があります。(弊社担当が実際に検証を行いました。)それゆえ効果がブランド力・商品力・オファーに依存しやすいといった弱点があります。

5.Criteoが向いているサイト

では、総合的に見て他の配信媒体ではなくCriteoを選ぶべきなのはどんなサイトなのでしょうか。メリットとデメリットを改めて整理してみましょう。参考までにGoogle広告の特徴も記載します。

メリットデメリット
Criteo・商品数が多いと効果が出やすい
・小~大企業それぞれに適した戦略を組める
・審査基準が厳しいため広告の質が担保される
・極端に小規模、商品数が少ない場合、戦略を組みにくい
・予算が少額だと効果が出にくい
Google・小規模事業者でも参入できるハードルの低さ・広告としての質が担保されない

商品数が多いサイト

Criteoは仕様上、商品のバリエーションが多いほどレコメンドできる商品の幅が広がるため有利です。AIによる学習・分析やデータ照合による広告効果を出したいのであれば、10点以上の商品点数で配信するのがおすすめです。

広告の効果が芳しくないサイト

動的広告を全く利用していない、初期(ローカライズ前)のCriteoしか利用していない、他の媒体で結果が出なかったという企業にこそおすすめです。

現在のCriteoはAIエンジンの進化によって小~中規模のサイトでも十分な広告効果が出せるようになりました。これまでの広告戦略で効果が出なかったとしても、Criteoなら成果を上げられるかもしれません。

Criteo以外の広告が向いているサイトは?

反対にCriteoに向いていないのは取扱商品数・アクセス数が極端に少ない企業です。初期と比べてサイト規模におけるハードルは下がりましたが、短期間・少額予算でちょっと試したいという企業はGoogleに軍配が上がります。

Criteoは最低出稿額のルールがあり、開始後は最低出稿金額に到達するまで配信を停止することは原則できません。また少額予算では最適化に必要な学習データの蓄積に時間もかかることからCriteo本来の実力を発揮しきれなくなります。そのため、ある程度の予算と期間を確保したうえで導入する必要があります。

6.まとめ

Criteoはダイナミックリターゲティング広告に大きな強みを持つ企業ですが、IT情勢の変化に伴いクッキーレスにも早期から対応しており、多様な広告を提供する形態に進化を遂げています。

AIエンジンを用いた入札によって効率的に成果をあげられる広告媒体ですが、その反面フィード実装など他の広告媒体と比べて難易度の高い初期設定を含むため、使っているサイトシステムによっては導入ハードルが高くなるケースもあります。

今回ご紹介したCriteoの情報はかなり基礎的なものであり、実際の導入にあたってはよりサイトの環境など事前確認が必要になります。自社サイトで導入できるか、うちのECカートシステムは対応できるか、など導入を迷っている担当者様はぜひお問い合わせください。

7.ECマーケティングのCriteo広告運用

Criteoの導入を検討している、初期の頃に導入していたが予算・システムの都合で止めてしまった…そんな、企業様に向けて今記事を作成しました。Criteo=リタゲ広告というイメージが強すぎるあまり、その外側にあるビジネスチャンスを逃しているケースが多いように見受けられるからです。

ここまでご紹介してきた通り、以前は大企業を対象とした既存顧客のリターゲティングに特化していたCriteoですが、現在ではリタゲに留まらずさまざまな広告配信が可能になっています

以前導入した際には広告戦略が自社商品に合わずやめてしまった経験のある企業様が現在のCriteoでは運用に成功する事例も多くあります。ECマーケティングは比較的予算の大きくない企業様を中心に、さまざまな事情を抱えるWebサイトで成功に導いたケーススタディを多く保有していますので御社に合った戦略を組み立てることができるかもしれません。

より一層進化したCriteo広告の効果を多くの企業様に体験してもらいたい、と思っています。

実績とノウハウで広告運用をサポート

ECマーケティングは2014年からCriteoの認定代理店として広告運用に携わっており、2024年で10周年を迎えます。

内製フィードの管理だけでなく、フィードを作成するリソースがない企業様へは弊社が保有している独自のフィードシステムを提供しているため、広告運用が初めて・社内にノウハウがないという方にも十分満足していただけます。

→ECマーケティングのフィードについてはこちらから

多様な業界・規模に対応

Criteoは予算の管理が難しく、BtoBのECサイトや非ECなど予算を潤沢に利用できない条件下では広告運用の難易度が上がります。

そのため出稿条件を満たしていても導入を諦めてしまう企業様も多いのが実情です。弊社のCriteo運用は、比較的予算規模の大きくない企業様を中心にのべ約90サイトで支援実績があるため、さまざまなケーススタディを持っていることが強みです。また、Google Analytics(GA4)を併用した横断的な集客の最適化も得意としています。Criteo運用歴10年となるECマーケティングにぜひご相談ください。

>>>Criteo運用サービスの詳細はこちら<<<

※1 Unyoo.jp+「Criteo:プラットフォームの思想を知れば、これからの広告運用が見える」

※2 Criteo+「Criteo、楽天「RMP – Display Ads」との広告配信における連携を発表」

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この記事を書いた人

Webコンサルタント
広告代理店にてメディア運営・SEOディレクション・Web広告運用を経験。
現在はコンテンツSEOとWeb担当者向けメディア『Webly』の編集を担当。

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