Criteoは、リターゲティング広告に強みを持つ広告プラットフォームとして、多くの企業で活用されています。しかし、成果を上げるには適切な運用パートナー選びが不可欠です。
本記事では、Criteoの概要と広告代理店を活用するメリット・デメリット、失敗しない代理店選びのポイントとおすすめの広告代理店6社をご紹介します。
【Criteoおすすめ代理店6選】
会社名 | ECマーケティング株式会社 | 株式会社サイバーエージェント | 株式会社セプテーニ | ソウルドアウト株式会社 | アナグラム株式会社 | 株式会社メディックス |
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認定ランク | Silver | Diamond | Platinum | Platinum | Silver | Silver |
強み | 事業理解と横断的マーケティング改善 高性能データフィードシステム | 大規模運用力 マスメディア連携力 | 大規模運用力 新機能に積極的 | 地方の中堅・中小企業支援 | マルチチャネル活用 テクニカル分析 | 柔軟かつ寄り添った対応力 |
企業規模 | 中小~大企業 | 大企業 | 中堅~大企業 | 中小企業 | 中小~大企業 | 中小~大企業 |
向いている企業 | 伴走型の支援を受けたい企業 広告効果で社内実績・評価を作りたい企業 | 予算規模の大きい企業 | 予算規模の大きい企業 βテストに意欲的な企業 | 内製化、ノウハウ吸収したい企業 | 多数媒体で出稿したい企業 | 販促企画や予算変動が多い企業 |
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1.Criteoとは
Criteoは、ダイナミック(動的)広告のパイオニアとして知られる広告配信プラットフォームです。世界中のECサイトで蓄積された膨大な購買データをもとに、独自のAIエンジンが最適な広告を生成・配信する点が大きな強みです。
近年はリターゲティングにとどまらず、非ECサイトでの活用や新たな広告プロダクトの開発にも注力しており、活用領域を広げています。具体的には、GDPR(EU一般データ保護規則)に基づいたメールアドレスのハッシュ化対応や、クッキーレス時代に向けたコンテクスチュアル広告の展開など、プライバシー保護と効果的な配信の両立を図る取り組みを推進しています。
常に業界の一歩先を行く技術力で、Criteoは今もなお進化を続ける先進的な広告媒体です。

認定ステータスについて

Criteoにはソリューションの販売・運用ができる広告代理店を認定する「認定パートナー(Criteo Certified Partners)」制度があります。認定パートナーにはステータスが付与されるほか、パートナー企業やその社員のスキルを認めるいくつかの認定制度が存在します。
代理店選びの際はこうしたステータスの状況を確認することも一つの材料になるでしょう。
Criteo認定パートナーとは
Criteo認定パートナー(Criteo Certified Partners)は、Criteoの広告プロダクトにおいて一定の販売実績と技術力を有すると認められた広告代理店に付与される資格です。
この認定パートナー資格は、Criteo広告を正規に取り扱う上で必須とされており、どの代理店でも自由に扱える媒体ではない点が大きな特徴です。SEM(LINEヤフー・Google・Microsoft)やSNS(Meta・LINE・X) とは異なり、Criteoの場合は認定パートナーでなければ移管や切替ができません。
この仕組みにより、Criteoでは一定水準以上の品質と実績を持つ代理店のみが運用を担える体制が構築されています。
また、認定パートナーに選ばれた企業は主に販売額に基づいて「Diamond」「Platinum」「Sapphire」「Silver」「Bronze」のステータスが付与されます。
認定パートナーのステータス基準
Criteo認定パートナーのステータスは主に「広告取扱額」によって決まります。
例えば「月額予算2,000万円の企業5社の広告を運用している代理店A」に比べ、「月額予算100万円の企業を50社運用している代理店B」は月額予算合計が低いため、前者より認定パートナー基準は下位となります。
しかし、代理店Bの運用サイト数は代理店Aの10倍であり、ここから導き出される運用ノウハウ、経験値も数倍はあるといえます。
このように、予算で評価されるシステム上、ステータスは中堅~下位に位置する代理店であっても、多様な業種・ターゲットでの運用実績や改善ノウハウを豊富に保有していることがあります。そのため、代理店選びでは、ステータスだけでなく「実際にどのような業種・規模のサイトでどんな課題を解決してきたか」を確認すれば明確な違いが分かることでしょう。
Criteo 認定テックパートナーとは
Criteoには、広告運用とは別に技術的支援に特化したパートナー制度として「Criteo認定テックパートナー」があります。
この制度では、タグの実装や商品フィードの生成・管理といった、Criteo広告の配信に必要な技術スキルを有する企業が認定されます。
Citeo 認定テックパートナーのサービス提供領域:
Criteo「Criteo 認定パートナープログラムについて」
- データフィード(Data Feed Partner):データフィードサービス単体で提供
- タグ(Tag Partner):タグ実装サービスを提供
- 動画(Video Partner):Criteo動画配信用の動画制作サービスを提供
Criteo認定テックパートナーの資格を持つ代理店や開発会社であれば、導入時のタグ設定やフィード作成がスムーズに進みやすく、初期構築の手間やトラブルを大幅に軽減できるのが大きなメリットです。
ただし、この認定はシステム会社としての事業規模やCriteo広告の取扱金額などを基準に付与されており、テックパートナーに認定されていない企業でも、フィード生成やタグ実装に対応している場合があります。
そのため、パートナー選定時には、実際の対応実績や技術力も含めて確認することが重要です。
2.インハウス(内製)と代理店(外注)どちらがよいか?

Criteo広告を導入する際に、まず検討すべきなのは「自社で運用するか」「代理店に依頼するか」という体制の選択です。
内製(インハウス運用)のメリット
インハウス運用のメリットは、社内でPDCAを完結できる点にあります。
販促スケジュールや在庫状況を踏まえて柔軟に調整できるほか、運用管理費が不要な分、広告費を実配信に回せるというメリットもあります。
Criteoに慣れた担当者がいれば、広告予算の急な変更や、クリエイティブ・セール情報の差し替えなどにもスピーディーに対応できます。
内製(インハウス運用)のデメリット・注意点
Criteo広告の運用には、一般的な広告とは異なる特有の設計・運用ノウハウが求められる点には注意が必要です。知識がないままインハウスで導入して初期設定で躓き、なかなか開始できないといったケースが目立ちます。
また、広告パフォーマンスが落ちた際にそれが自社だけの事象なのか、業界で起きているのか、はたまた広告市場全体の傾向なのか判断しづらくなる点も課題です。調整の判断が遅れ、結果的にパフォーマンスを伸ばせないリスクも考えられます。
外注(広告代理店)のメリット
代理店に依頼する場合は、「Criteo Certified Partners(認定パートナー)」として認定を受けた広告代理店を利用する必要があります。
導入に不安がある場合は、まず代理店に相談しながらタグやフィードの整備から進めていくのが定石です。代理店に外注するメリットとして、具体的に以下の要素が考えられます。
精度の高い運用が可能
Criteo広告は、アルゴリズムや入札ロジック、データフィードの最適化など、高度な専門知識を要する領域です。
経験の浅い内製チームでは対応が難しく、代理店に任せることで蓄積されたノウハウを活用した質の高い運用が期待できます。
キャッチアップが早い
媒体の仕様変更や新機能のリリースに対して、代理店は情報収集や対応体制が整っており、キャッチアップの早さが強みです。
Criteoの新プロダクトや自動化機能などもいち早く活用できるため、自社だけでは難しい先進的な施策にも取り組みやすくなります。
市場トレンドの判断が的確
広告代理店は多種多様なサイトを複数運用しているため、例えばCPCの高騰やCVRの低下といった異変に対し、それが特定の企業に限ったものか、業界共通の傾向か、ディスプレイ広告市場全体の動きかを見極める材料を多く持っています。こうした判断材料をもとに、的確な判断と調整をすることができるのが代理店の大きなメリットです。
内製では「他社も同じ状況か?」「自社だけで起きているのか?」といったように広告市場で何が起きているのか分からず、社内に明確な報告ができず困るケースが多いです。
広告代理店は、市況の変化と影響範囲を迅速に判断し、すぐさま運用へ反映できる点が大きな強みといえます。
外注(広告代理店)のデメリット・注意点
広告代理店を利用する場合にも、注意すべきポイントがいくつかあります。
コスト負担増加
代理店への支払いは、広告費に対する手数料型や固定報酬型が一般的であり、一定のコストが発生します。また、商材やターゲット層の理解を深めてもらうための打ち合わせや資料共有など、コミュニケーションにも工数がかかります。
特に専門性の高い商品を扱う場合、初期のすり合わせに時間を要することがあります。
ただし、こうしたやり取りや費用は、内製で対応する場合も人件費や育成コストとして発生するものです。代理店に支払う運用管理費は、単なる作業工数の対価ではなく、蓄積されたノウハウや市場動向に関する有益な情報の提供を含む対価ともいえます。こうした付加価値を踏まえれば、コスト以上のリターンを得られる可能性もあり、一概に負担とは言い切れないでしょう。
自社にメリットが大きいのはどちらか、導入する際に見極めましょう。
成果が代理店依存に
広告成果が代理店の運用スキルに大きく左右される点も見逃せません。担当者の経験値や対応姿勢によって、パフォーマンスに差が出ることは少なくありません。特に、施策の背景やデータの透明性が不十分な代理店を選んでしまうと、改善の打ち手が見えづらく、効果検証も不十分になる恐れがあります。
その点、社内でも確認可能なGA4などを活用した成果レポートを提供できる代理店であれば、データの裏付けを持って運用状況を把握しやすく、安心して任せられるパートナーといえるでしょう。
3.Criteoで失敗しない広告代理店の選び方

Criteoの広告運用には、タグ設計やデータフィード管理、AIエンジンやカスタムオーディエンスの活用など、専門性の高い知識と技術が求められます。
パフォーマンスを最大限に引き出すためには、以下の観点から慎重に代理店を選定することが重要です。
実績
代理店選びでは、まずCriteoの導入・運用実績を確認しましょう。認定ステータスは一定の基準になりますが、より重要なのは企業単位・担当者単位での対応経験です。とくに導入初期は最適化に必要な学習データが蓄積されていないため、過去の知見に基づく初動判断が成果に直結します。
Criteo単体の実績だけでなく、他媒体での運用経験や、CRM施策・コンテンツマーケティング・Web制作など、広告領域以外も含めて対応可能かを確認することが大切です。マーケティング全体を俯瞰し、戦略的に提案できるかどうかが、長期的なパートナー選びのカギとなります。
また、商談時には成功事例だけでなく、課題が生じたケースとその対応策も必ず確認しておきましょう。
担当者の運用経験とケーススタディの数
CriteoのようなAI型広告では、予算やターゲティング設計の巧拙が成果に大きく影響します。そのため、業界ごとの商材特性やユーザー行動を理解した上で戦略設計できる担当者がつくかどうかは非常に重要です。
代理店全体の実績だけでなく、実際に担当するスタッフの経験やその業界への理解度を面談で見極めましょう。業界ごとに異なるKPIや商習慣への理解があるか、また担当者が頻繁に入れ替わる体制ではないかも、確認しておくべきポイントです。
対応スピードと運用の柔軟性
Criteoは運用開始後の調整次第で成果が大きく変動するため、代理店との連携体制が成果を左右します。例えば、レポートや定例ミーティングの対応内容、有事の際の対応スピードなどを確認しておきましょう。
特に初期設定ではやりとりが増えますが、少ないやりとりでスピーディーに準備を進められるようなプロジェクト管理スキルに長けた担当者であれば、開始後のコミュニケーションも円滑で安心でしょう。
他媒体を含めた横断的な提案力
Criteoだけでなく、SNS広告や検索広告など他媒体との連携を視野に入れた提案ができる代理店かどうかも重要です。媒体を横断した戦略設計ができれば、ユーザーの認知からCVまでをより効果的に設計できます。
また、LPやWebサイト自体の改善提案まで行える代理店であれば、広告のボトルネックとなる部分を構造的に解消することも可能です。「広告を出す」だけでなく、「成果につなげる」ための視点を持っているかどうかが問われます。
4.Criteoおすすめ代理店6選
Criteo広告を成功させるためには、戦略の立案からフィード設計、タグの実装、日々の調整に至るまで、専門的な知見と対応力を備えたパートナーの存在が欠かせません。
ここでは、実績・対応力・サポート体制などの観点から、Criteo広告の支援実績が豊富なおすすめ代理店を6社ご紹介します。
① ECマーケティング株式会社

Criteo運用において、豊富な実績と独自システムによる高効率な支援を行う少数精鋭タイプの広告代理店です。2014年より10年以上にCriteo Certified Partnerとして活動し、特にEC、人材、旅行、不動産といった幅広い業界で約80サイトの運用実績で成果を上げています。
自社開発のフィード管理システム(ECM feed)により、商品情報のデータフィード更新を自動化できる点も強みとして挙げられます。これにより、データ更新の手間を削減しつつ、広告配信の精度を安定的に高められます。フィードの対応範囲も非常に広く、他社では実装を断られた事例もこれまで例外なくフィード生成に成功しています。
広告運用においては、サイト分析やGA4(Google アナリティクス)の分析ノウハウも活かし、戦略立案からクリエイティブ改善までを総合的にサポートします。予算が限られた企業に対しても無駄のないPDCAを設計し、高いパフォーマンスを実現しています。
過去には広告担当者の提案がCriteoの新プロダクト「モノプロダクト」として商品化された実績を持ち、スピード感ある対応ときめ細やかな支援体制が高く支持されています。
こんな企業におすすめ
・伴走型の支援を受けたい
・広告効果で社内実績・評価を作りたい
②株式会社サイバーエージェント

9年連続で最上位「Diamond」ランクを維持し、国内有数の取扱実績を誇る総合広告代理店です。
リターゲティングだけでなく、アッパー・ミドルファネルを含む全方位でのCriteo活用に対応可能であり、特に大規模案件での実績が豊富です。大手企業や複雑な条件下でも、精度の高い運用を安定して提供できるのが特徴です。
こんな企業におすすめ
・大規模な広告予算を運用したい
・マスメディアとの連携力を重視する大企業
③株式会社セプテーニ

株式会社セプテーニはPlatinum認定に加え、タグ・フィードの両領域でTech Partner認定を取得。社内には日本で数名しかいないCriteo Expertも在籍しており、高度な技術力に基づく支援が可能です。
自社開発のデータ活用支援ツールとの連携により、クッキーレス時代を見据えた最適化を実現。Criteo本社と連携した施策にも積極的に取り組んでおり、長期的な成長戦略を描きたい企業に適しています。
こんな企業におすすめ
・予算規模の大きい企業
・βテストに意欲的な中堅〜大手企業
④ソウルドアウト株式会社

中小・ベンチャー支援に特化したPlatinum認定の代理店です。Tech Partner・Criteo Expert在籍に加え、4年連続で「SMB Partner of the Year」を受賞しています。
フィード設計からLP制作、SEO支援まで幅広い支援が可能で、内製化支援にも注力しています。
リアルタイムで成果を確認できる独自ツールの提供など、中小企業の実態に寄り添った提案が高評価を得ています。
こんな企業におすすめ
・社内の人材育成も視野に入れたい
・内製化を見据えてノウハウを学びたい中小企業
④アナグラム株式会社(ANAGRAMS)

SILVER認定を受けるCriteo運用に強い広告代理店であり、GoogleやMetaなど他媒体の正規代理店でもあります。
運用特化の専門家が在籍し、媒体横断の運用最適化に定評があります。契約から打ち合わせまで同じ担当者が一貫して対応する体制も特長です。
こんな企業におすすめ
・多数媒体で出稿したい企業
⑥株式会社メディックス

SILVER認定を受ける広告代理店で、広告効果だけでなくブランド訴求にも強みがあります。
広告だけでなく、GA4による分析やWeb制作などもカバーしており、マーケティング全体を俯瞰した提案が可能です。現在はオウンドメディア「ウェブ部」などを通じ、広告運用に関する豊富な知見を発信しています。
こんな企業におすすめ
・販促企画や予算変動が多い企業
5.Criteo運用は実績・信頼ある代理店選びが重要
Criteoの効果を最大化するには、単なる配信だけでなく、媒体特性の理解や横断的な戦略提案ができる代理店の存在が不可欠です。
広告代理店選びの際は、担当者の知識や対応力なども重要な判断軸となります。自社の課題や業界特性に合ったパートナーを選び、長期的な成果につなげていきましょう。