猫はヒトが隠したものを探しあてるのが得意です。
そう、意外とよく見ているのです。ヒトだけでなく、マーケティングも・・・
再開から2回目の投稿「隣の席のニャーケッター」
猫目線で、webマーケティング、広告、現場で起きている
リアルなアレコレを気まぐれに発信。
「あるある!」「ニャんと!」共感・発見に繋がるように、頑張るのだ。
今回はファッションECの事例や、【ウソのようなホントの話】
基本的なことを忘れてテクニックばかり追うサイトは意外と多い。
改めて「原点回帰」にゃん!
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目次
【1】自社のブランド力、過信していませんか?
【2】「ちゃんと」集客していますか?
【3】毎月の企画・イベントは十分ですか?
【4】商品力・強み、ありますか?
【1】自社のブランド力、過信していませんか?
自社のブランド力を過信している企業は意外と多い。
グローバル企業では特にこの傾向が高い。
本国と日本での知名度に差があるブランドなどは要注意。
販促予算や広告戦略、年間売上目標いずれも、
本国基準で決められてしまい、担当者が頭を抱える場面を何度も見てきた。
また、日本企業においても歴史ある老舗ブランド企業が
過去に一世風靡した時の感覚のまま慢心しているケースもあるあるだ。
一方で、ECサイトはコロナ以降、続々増えており、
それは国内企業にとどまらない。
運営拠点を海外におき、破格の送料・商品価格を設定をする
新進気鋭のモールも進出。
ユーザの選択肢はますます増えるばかりだ。
日本撤退に追い込まれたブランドや、売上が頭打ちのサイトは
ひょっとしたらブランド力の過信かもしれません。
【2】「ちゃんと」集客していますか?
ブランド力を過信すると、稼ぎ頭となるはずの
「指名ワード(屋号)」検索の売上が次第に衰退してくる。
にもかかわらず新規開拓にむけた「一般ワード」を強化しない企業が非常に多い。
その理由は指名ワードに比べて費用対効果(ROAS)が悪いからだ。
身近なことで例えてみよう。
指名ワード(屋号)検索→「知人」
一般ワード検索→「初対面」
「購入」→頼み事
どちらの成功率が高いか、言うまでもない。
つまり初対面の人に頼み事をしても成功する確率(CVR)は低いのだ。
だからといって知人ばかり頼っていたら、いつか受けてもらえない日がくる。
どんな有名ブランドでも、成長する企業は販促予算の一部を必ず
「新規誘導」「認知」に割いている。費用対効果が低くても、だ。
CVがなくても「会員登録」「メルマガ登録」「カート投入」
といった疑似CVで質の良し悪しを推し量ることもできる。
売れるECサイトへ成長させるために、「ちゃんと」集客するならば
目先の効率ばかり追わず、中長期的な戦い方は不可欠だ。
少なくても予算の一部を新規開拓に「投資」しているか、これも
売れるECサイト、売れないECサイトの違いの1つと言えよう。
【3】毎月の企画・イベントは十分ですか?
どこのECサイトも毎月、毎週のイベント企画を準備しているが、
「売れるECサイト」と「売れないECサイト」は企画量に差が出やすい。
今回は、とあるファッション通販サイトの例を紹介したい。
いずれも某ブランド公式通販の一ヶ月の企画例である。
※企画の内容は加工している。ここでは件数、内容を見てほしい。
【A】売れないサイトの企画例
3/1 | モデルのタイアップ記事 |
3/5~8 | 10%OFFセール |
3/8~4/7 | ラッピング無料 |
3/15~20 | 1万円以上のプロパー商品15%OFF |
3/23~30 | 会員限定セール |
【B】売れるサイトの企画例
3/1~3 | タイムセール |
3/5~8 | まとめ買いOFF |
3/6~13 | 数量限定コラボ企画予約販売 |
3/8~10 | タイムセール |
3/8~17 | 売りつくしセール |
3/10~4/8 | プレミアム商品限定販売 |
3/12~23 | アプリ連動企画 |
3/15~17 | タイムセール |
3/20~26 | 購入金額に応じた特典 |
3/22~24 | タイムセール |
3/29~31 | タイムセール |
平常月で、この差だ。
【A】売れないサイト
タイアップ記事を販促企画にカウントしている時点で温度差を感じる。
辛口だが、記事だけで売上が跳ねることは滅多にない。
ラッピング無料も、商材的に利用率が低いため
それが購入のきっかけになるかといえば、正直微妙である。
つまり、上記でいうと、企画は実質3本のみだ。
これでは売れるわけがない。
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【B】売れるサイト
一見、セール感強いが、タイムセールは数時間限定のため
むしろ訪問・購入頻度を高めている。
高単価・プロパー商品は数量限定で購入を促進。
様々な企業とコラボしアプローチ層を拡大している。
また、アプリの使いやすさを改善したうえで(ココ重要)
利用率を高めるための連動企画も展開している。
余談だが新規会員登録時の特典も他社より太っ腹だ。
決して、企画の多い月を並べているわけではない。
「売れるサイト」は平常月もここまで努力しているのだ。
これを見てドキっとしたEC販促担当者は
気になる競合と自社の企画量、比べてください。
販促予定表、スカスカになっていませんか?
企画ネタ切れで悩む人も、ヒントが見つかるかもしれませんよ。
【4】商品力・強み、ありますか?
そもそもあなたのECサイトには、他社にない強みはありますか?
他サイトと比較されたとき自社を選んでもらえる自信はありますか?
見せ方、売り方はこだわるのに、肝心な「商品」に強みがない
これもまた、売れないECサイトあるあるだ。
時効なので、実際あった【ウソのようなホントの話】
衝撃のエピソードを紹介しよう。
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老舗の化粧品メーカーから若者向け新ブランドの
ECサイト立ち上げを相談されたときのお話。
プロジェクトの責任者は老舗社長の息子。
3年後の売上目標と予算が決まっていた。
気になるのは 目標と予算が「現実的」か。
提示された事業計画の売上グラフ
おや?季節要因とは違う何かの影響を受けてる?
なんともいえない曲線が描かれていた。
試算根拠を尋ねたところ、衝撃のパワーワードが出たのだ。
「フリーハンドです」
続いて、主力商品となる化粧水の紹介が始まった。
この業界に来てスキンケアの類はたくさん見ている。
売れそう、売れなそう はある程度、直感が働く。
すでに沢山のスキンケア商品が市場でしのぎを削る中
新たに参入するには、相当の強みが必要だ。
成分や製法の強みを尋ねたところ
セカンドインパクトがやってきた。
「保湿力です」
これといった特徴が、何もない。
化粧水から保湿力とったらただの水じゃないか!!
心の中でツッコミを入れたのを今でも鮮明に覚えている。
ありよりの、無し。
さらに話をすすめる中、数々の危険フラグが発生し、
辞退したのだが、その後該当のリリースが出ることもなかった。
フリーハンドの事業計画を拝めたのは今でも貴重な経験だ。
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商品コンセプト、サイトの世界観、訴求ポイント、
売れるECサイトに育てるために考えることはたくさんあるが、
最も重要な「商品力」が置いてきぼりの通販サイトは案外多い。
原則、商品に口出しはしないが、コンサルティング依頼を受ける際、
まず商品の特徴を見る。
商品力はあるが、マーケティングが下手で埋もれているパターンは改善できる。
潤沢な広告予算が無い限り、商品力の無い消耗品が一番きつい。
ここだけの話だが。
広告やSEO対策でドンピシャの集客をしているのに結果が出ない方。
本記事を読んでドキッとした方、「原点回帰」しませんか。
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