前回は、月商1000万円未満/1000万円以上のネットショップWeb担当者に対して、使用しているASPカートやMAツール、実施しているWebプロモーション、モールへの出店状況などを調査しましたが、今回は、調査・分析方法、集客方法、ユーザビリティ改善状況、リピート促進施策状況などを聞いてみました。
今回の調査結果は、全4回の調査結果報告レポートの第4回目となります。
ネットショップ動向調査~小規模/大規模ネットショップ~ *第一弾 *第二弾 |
尚、今回アンケートにお答えいただいた方の人数やネットショップ業種などの概要については、本アンケート結果の後に記載しています。
以下からはネットショップのCRMについて聞いてみた結果です。
1.CRMの重要性
設問:あなたのネットショップにおいてCRMは重要な施策だと思いますか?
月商1000万円未満のネットショップでは、「ある程度は重要だと思う」が46.8%で一番多く、次いで「非常に重要だと思う」が20.7%、「どちらでもない」が15.3%となりました。
月商1000円以上のネットショップでは、「非常に重要だと思う」が44.5%で一番多く、次いで「ある程度は重要だと思う」が38.2%、「どちらでもない」が7.3%となりました。
月商1000万円未満のネットショップでは「非常に重要だと思う」と答えた方が2割程度だったのに対して、月商1000万円以上のネットショップでは半数近くが「非常に重要だと思う」と答えています。
CRMは、メルマガ、LINE、アプリプッシュ通知、ハガキ等でのDMなどにより、1度購入したユーザーに再度購入を促す効果があります。
ネットショップの購買ユーザーが多ければ多いほど、メルマガなどを配信できるユーザーの数が多くなり、リピート率が上がることでリピート数が多くなります。同じリピート率でもユーザーを多く抱える大規模ネットショップの方がリピート数(売上)が多くなるのです。
そうした傾向があるためか、小規模ネットショップよりも大規模ネットショップのWeb担当者の方が、CRMでの売上貢献の効果や重要性を感じているのではないでしょうか。
次は、CRMの実施有無を聞いてみました。
2.CRMの実施有無
設問:あなたのネットショップにおいてはCRM施策を実施していますか?
月商1000万円未満のネットショップでは、「実施している」が66.7%で、「実施していない」が33.3%という結果になりました。
月商1000万円以上のネットショップでは、「実施している」が87.3%で、「実施していない」が12.7%という結果になりました。
月商1000万円以上のネットショップのWeb担当者は、CRMの重要性を理解している方が多いためか、9割近くのネットショップがCRMを実施しています。月商1000万円未満のネットショップでも6割以上が実施していて、CRM施策は、ネットショップの施策としては、“実施すべき施策”という考え方は、年商の大小関係なく、ある程度、定着しているといえるでしょう。
次は、CRMを実施しているネットショップに、具体的なCRMの施策について聞いてみました。
3.CRMでの実施施策
設問:前問で「実施している」と答えた方にお聞きします。以下のCRM施策で実施しているものを教えてください。
月商1000万円未満のネットショップでは、「LINEメッセージ配信」が67.6%で一番多く、次いで「メルマガ配信」が63.5%、「ダイレクトメール」が44.6%。
月商100万0円以上のネットショップでは、「LINEメッセージ配信」が76.0%で一番多く、次いで「メルマガ配信」が69.8%、「ダイレクトメール」が59.3%という結果になりました。
月商1000万円未満/月商1000万円以上のネットショップともに、LINE、メルマガ、DMの順となっていて、LINEのメッセージ配信が従来CRMの主流であったメルマガ配信を上回わるという興味深い結果となりました。
次は、メルマガ、LINEメッセージ配信、アプリプッシュ通知、それぞれの実施施策を見てみましょう。
4.メルマガ、LINEメッセージ配信、アプリプッシュ通知での実施施策
設問:前問で「メルマガ配信」「LINEメッセージ配信」「アプリプッシュ通知」と答えた方にお聞きします。以下のどの施策を行っていますか?
月商1000万円未満
月商1000万円以上
全体的に、都度配信と定期的なキャンペーンなどの配信が多く、ステップを踏んだ配信は実施している割合が低くなります。
ただ、月商1000万未満のネットショップがステップを踏んだ配信が20~30%台であるのに対して、月商1000万円以上のネットショップは、半数以上がステップを踏んだ配信を実施しているようです。
ステップを踏んだ配信には、専用のツールを導入する必要があることやLINEメッセージ配信やアプリプッシュ通知でステップを踏んだ配信を実施する際には、ツールのオプション料金がかかるケースが多いことから、コスト面でも売上の高くないネットショップにはハードルが高いのかもしれません。
最後に、CRM施策をアウトソースしているかどうか聞いてみました。
5.CRM施策のアウトソース状況
設問:前問で「実施している」と答えた方にお聞きします。CRM施策は外注していますか?(したことがありますか?)
月商1000万円未満のネットショップでは、「制作関連のみ外注している」が39.2%で一番多く、次いで「すべて外注している」が32.4%、「戦略や分析のみ外注している」が17.6%、「外注せずに全て自社で行っている」が10.8%。
月商1000万円以上のネットショップでは、「すべて外注している」が39.6%一番多く、次いで、「制作関連のみ外注している」が29.2%、「外注せずに全て自社で行っている」が17.7%「戦略や分析のみ外注している」が13.5%という結果になりました。
月商1000万円未満のネットショップ方が全て外注している割合は低いですが、全て自社で実施してる割合も低く、月商1000万円以上のネットショップの方は全て外注している割合が高いですが、全て自社で行っている割合も高い結果となっています。
6.まとめ
今回は、月商1000万円未満のネットショップと月商1000万円以上のネットショップのCRMの実施状況に関する調査結果を見てみました。
結果、月商1000万円未満、月商1000万円以上のネットショップでのCRMに関する考え方や実施有無などについては大きな差があることがわかりました。
CRMは、メルマガ、LINE、アプリプッシュ通知、ハガキ等でのDMなどにより、1度購入したユーザーに再度購入を促す効果があり、効果が出た場合、ネットショップの購買ユーザーが多ければ多いほど、リピート数(売上)が多くなります。こうしたことから、どうしても、購入ユーザー数が少ないネットショップでは効果が感じられない側面が出てしまいます。
ただ、月商1000万円未満のネットショップでも6割以上がCRM施策をやっている結果となっているのは、規模が小さいネットショップでも、一定の効果が出ているといえるのではないでしょうか。
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【本アンケートの回答者やネットショップの概要】
アンケート回答者: 月商1000万円未満のネットショップのWeb担当者111人
月商1000万円万円のネットショップのWeb担当者111人
アンケート回答期間: 2021/04/08-2021/04/09
■ネットショップの業種
設問:あなたが担当しているWebサイトの業界(複数ある場合は最も売り上げの大きなサイト)をお答えください。
月商1000万円未満、月商1000万円以上のネットショップともに、「総合小売」が圧倒的に多く、次いで「アパレル」となっています。
特徴的なのは、月商1000万円未満のネットショップでは、「教育・教材」(5.4%)で上位にいるのに対して、月商1000万円以上のネットショップではほとんどなかったことです。
全体的に「総合小売」「アパレル」が圧倒的に多く、次いで「ソフトウェア」「化粧品」「健康食品・サプリ」が多い割合を占めるといった傾向は、月商にかかわらず大きく変わりはない結果となりました。
本調査に関するお問い合わせ先
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ECマーケティング株式会社
〒105-0013 東京都港区浜松町2-1-13 芝エクセレントビル7F
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