前回は、月商1000万円未満/1000万円以上のネットショップWeb担当者に対して、使用しているASPカートやMAツール、実施しているWebプロモーション、モールへの出店状況などを調査しましたが、今回は、調査・分析方法、集客方法、ユーザビリティ改善状況、リピート促進施策状況などを聞いてみました。
今回の調査結果は、全4回の調査結果報告レポートの第3回目となります。
ネットショップ動向調査~小規模/大規模ネットショップ~ *第一弾 *第二弾 |
尚、今回アンケートにお答えいただいた方の人数やネットショップ業種などの概要については、本アンケート結果の後に記載しています。
以下からはネットショップのユーザビリティ改善について聞いてみた結果となります。
1.ユーザビリティの重要性
設問:あなたのネットショップにおいてユーザビリティ改善は重要だと思いますか?
月商1000万円未満のネットショップでは、「ある程度は重要だと思う」が46.8%で一番多く、次いで「非常に重要だと思う」が27.9%、「どちらでもない」が11.7%となりました。
月商1000万円以上のネットショップでは、「非常に重要だと思う」が50.0%で一番多く、次いで「ある程度は重要だと思う」が35.5%、「どちらでもない」が9.1%となりました。
月商1000万円未満のネットショップでは「非常に重要だと思う」と答えた方が3割以下だったのに対して、月商1000万円以上のネットショップでは半数が「非常に重要だと思う」と答えています。
ユーザビリティ改善は、Webサイトの導線、ページ構成、デザインなどを改善して、ユーザーが目的のページにたどり着きやすいように構成・デザインする改善手法で、コンバージョン率を上げる効果があります。
ネットショップへの訪問ユーザーが多ければ多いほど、コンバージョン率を改善した場合のコンバージョン数が多くなるため、アクセス数の多い大規模ネットショップでは、同じコンバージョン率でも、大規模ネットショップの方がCV数は多くなります。
そうしたこともあってか、小規模ネットショップよりも大規模ネットショップのWeb担当者の方が、ユーザビリティ改善の重要性を経験値から感じているのではないでしょうか。
次は、ユーザビリティ改善の実施頻度を聞いてみました。
2.ユーザビリティ改善の実施頻度
設問:あなたはネットショップでユーザビリティに関して分析や改善を行っていますか?
月商1000万円未満のネットショップでは、「年に数回は行っている」が26.1%で一番多く、次いで「リニューアルの際に行っている程度」が23.4%、「全く行っていない」が19.8%という結果になりました。
月商1000万円以上のネットショップでは、「ほぼ毎日行っている」が27.3%で一番多く、次いで「リニューアルの際に行っている程度」が18.2%、「年に数回は行ってる」が16.4%という結果になりました。
月商1000万円以上のネットショップのWeb担当者は、ユーザビリティの重要性を理解している方が多いためか、年に数回以上行っているネットショップは8割近くになっています。
ユーザビリティ改善を全く実施していないのは5%以下ですが、月商1000万円未満のネットショップでユーザビリティ改善を全く行っていないのは2割近くとなっています。
月商1000万円未満のネットショップと月商1000万円以上にネットネットショップのユーザビリティ改善に対する認識がここでも大きく違っていることがわかります。
次は、Web担当者が重要視しているチャネルについて聞いてみました。
3.ユーザビリティ改善の効果
設問:ユーザビリティ改善を「行ったことがある」と答えた方にお聞きします。ユーザビリティ改善により効果を感じましたか?
月商1000万円未満のネットショップでは、「若干の効果はあった」が51.7%で一番多く、次いで「ある程度効果はあった」が21.3%、「割と効果があった」が12.4%。
月商1000万円以上のネットショップでは、「若干の効果はあった」が33.3%で一番多く、次いで「非常に効果があった」が30.5%、「ある程度効果はあった」が17.1%という結果になりました。
月商1000万円未満のネットショップでは、「非常に効果があった」と答えた方が5%以下でしたが、月商1000万円以上のネットショップでは3割以上の方が「非常に効果があった」と答えていて、その効果を実感していることがよくわかる結果となりました。
最後にユーザビリティ改善を外部の会社にアウトソースしているかどうかを聞いてみました。
4.ユーザビリティ改善のアウトソース有無
設問:ユーザビリティ改善を「行ったことがある」と答えた方にお聞きします。ユーザビリティ改善は外注したことがありますか?
月商1000万円未満のネットショップでは「リニューアル時などには外注している」が44.9%、次いで「ほぼ自社で実施するがたまに外注している」が24.7%、「定期的に外注している」が15.7%。
月商1000万円以上のネットショップでは「定期的に外注している」「リニューアル時などに外注している」が同じく35.2%、「ほぼ自社で実施するがたまに外注している」が15.2%という結果なりました。
月商1000万円未満、月商1000万円以上のネットショップともに、「外注せずに自社で行っている」という回答が15%程度と低く、ユーザビリティ分析や改善は専門性の高い分野で、自社で実施することがそう簡単ではないことが伺えます。
5.まとめ
今回は、月商1000万円未満のネットショップと月商1000円以上のネットショップのユーザビリティ改善に関する調査結果を見てみました。
結果、月商1000万円未満、月商1000万円以上のネットショップでのユーザビリティ改善に関する考え方や効果に対する恩恵はかなり差があることがわかりました。
ユーザビリティ改善は、コンバージョン率をアップさせるという効果があるため、どうしてもユーザー数が多いネットショップの方が効果を感じられる施策と言えます。逆に言うと、大規模ネットショップでのユーザビリティ改善は必要不可欠な施策といえるのではないでしょうか。
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ユーザビリティ改善に興味がある方はこちらもご覧ください。
〉〉〉 サイトユーザビリティ改善サービス
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6.本アンケートの回答者やネットショップの概要
アンケート回答者: 月商1000万円未満のネットショップのWeb担当者111人
月商1000万円万円のネットショップのWeb担当者111人
アンケート回答期間:2021/04/08-2021/04/09
■ネットショップの業種
設問:あなたが担当しているWebサイトの業界(複数ある場合は最も売り上げの大きなサイト)をお答えください。
月商1000万円未満、月商1000万円以上のネットショップともに、「総合小売」が圧倒的に多く、次いで「アパレル」となっています。
特徴的なのは、月商1000万円未満のネットショップでは、「教育・教材」(5.4%)で上位にいるのに対して、月商1000万円以上のネットショップではほとんどなかったことです。
全体的に「総合小売」「アパレル」が圧倒的に多く、次いで「ソフトウェア」「化粧品」「健康食品・サプリ」が多い割合を占めるといった傾向は、月商にかかわらず大きく変わりはない結果となりました。