安心して検討できる新電力会社のサイトはどこ?【ユーザビリティランキング2025】

新電力サイトユーザビリティランキング2025

~1位はENEOSでんき、2位はLooopでんき、3位はCDエナジーダイレクト~

ECマーケティング株式会社(所在地:東京都港区、代表取締役社長:中山高志、以下「弊社」)は、これまで15年以上にわたる業界別ユーザビリティ調査の知見を活用し、「新電力会社サイトユーザビリティランキング2025」を作成しました。

この記事の監修者

伊藤 肇

【Webly編集部】執行役員 兼 シニアコンサルタント

2000年からデジタルマーケティング業界で、大手企業のウェブマーケティングを支援。Googleアナリティクスが生まれる前、2002年にサーバーの生ログを集計して「アクセスログ解析」をレポート。2006年にサイバーエージェント、アルベルト(現アクセンチュア併合)を含め業界をリードする各社を招待して「コンバージョンアップサミット」を主催。以降、800プロジェクトのサイトユーザビリティ改善に携わる。
2025年11月5日REAL VALUE(リアルバリュー)にプレゼンターとして出演。堀江貴文氏のYouTube ホリエモンチャンネルにて公開中。

目次

目的・背景

2016年4月、電力の小売自由化が始まり、既存の電力会社だけでなく、ガス会社、通信会社をはじめ、あらゆる業界が続々と参入し、多様な料金プランとサービスで競争が生まれました。物価高対策として行われた「電気・ガス料金負担軽減支援事業」が2025年9月(10月検針分)で終了したことを受け、これから電気会社の切替を検討される方が増えると考えています。
電力会社を切り替える、という新しい発想に対し、そもそもの説明だけでなく、他社との違い、選ぶ理由、料金シミュレーションなど分かりやすいコンテンツが求められます。

私たちECマーケティング株式会社では、新電力会社のサイト利便性と各社サービスの魅力を高める一環として、主要な新電力17社の公式サイトを対象に調査を行いました。
ユーザーにとって、いかに知りたい情報にたどり着きやすいサイトか、安心して検討を進められるかを中心に、多角的に評価しています。

本発表を通じて、各社がサイト改善に取り組むきっかけとなり、電気会社の切替えを検討する方々にとって、よい選択ができる手助けに繋がればと考えています。

評価対象サイト(17サイト)

Google検索「新電力」で上位表示されるサイトから抽出。加えて既存利用者向けだけでなく、新規の消費者向けに門戸を開いており、マーケティングサイトとして運営されているであろうと想定される会社を対象としました。
(2025年10月時点)。

調査方法

弊社コンサルタントチーム複数人の評価者によるヒューリスティック評価法(ユーザビリティのセオリーと経験則による評価法)。サイトごとに以下の評価基準に沿って評価。複数人の採点のバイアスを補正し評価点としました。(2025年10月実施)

評価軸配点
トップページファーストビューでの第一印象の形成と全体の把握20点
ナビゲーション設計(サイト内の移動とどこに何があるかの把握)20点
訴求コンテンツ(アピール要素、選ばれる理由など)25点
詳細コンテンツ(プランの説明、流れ、料金などの詳細な説明)25点
コンタクトポイント(申し訳導線など)10点

合計:100点
対象サイトの加点一覧は以下の通り。

新電力会社サイトユーザビリティランキング2025

新電力会社上位3サイト

1位 ENEOSでんき

ENEOSでんき https://www.eneos-power.co.jp/denki/
総合点96.8点/100点 中 
第一印象の形成 17.9点/20点
(平均14.4点)
ナビゲーション設計20点/20点
(平均 12.1点)
コンテンツ
(アピール)
 25点/25点
(平均21.7点)
コンテンツ
(プラン・料金)
23.9点/25点
(平均17.5点)
申込導線10点/10点
(平均 8.3点)
※青線が平均点

評価者のコメント

スマホのハンバーガーメニューとヘッダーのナビゲーションを活用し、どこに何があるかを把握させ、かつスムーズに移動しやすく設計されたナビゲーションや、ENEOSでんきを選ぶ理由、料金プランなどの詳細コンテンツが洗練されており、全体的に完成度が高い。

新電力のサービスサイトとして特に重要と想定される要素において、申し込みに必要な書類、申し込み手続きなどの説明コンテンツ及び、入力フォームでユーザーの負担を軽減するUIの装飾等が洗練されており、同業他社及び、他業界サイトであっても参考にしてほしい水準のUIを提供しており、ほぼ満点に近い採点結果となった。

2位 Looopでんき

Looopでんき https://looop-denki.com/
総合点92.6点/100点 中 
第一印象の形成 15.3点/20点
(平均14.4点)
ナビゲーション設計20点/20点
(平均 12.1点)
コンテンツ
(アピール)
 25点/25点
(平均21.7点)
コンテンツ
(プラン・料金)
22.3点/25点
(平均17.5点)
申込導線10点/10点
(平均 8.3点)
※青線が平均点

評価者のコメント

アイコンの効果的な活用、色が持つ役割の意味を効果的に活用している点、色の強弱と情報の強弱の使い分けなどの、いわゆるデザインの設計の完成度が非常に高い。ENEOSでんきと並んで、非常に高い点数を獲得した。

また、新電力のサービスサイトとして特に重要と想定される要素として、申込みフォーム途中で、ブラウザバック遷移しようとすると、「お申し込みを途中でやめますか?(電話番号)」でフォローする導線などは、他業界サイトであっても参考にしたい工夫点。

改善伸びしろとしては、シミュレーション結果を表示する際に提示する概算数値についての算出根拠についての補足説明等が付記されるとさらにCVR等の改善が期待されるのではないかと考える。

3位 CDエナジーダイレクト

CDエナジーダイレクト https://www.cdedirect.co.jp/
総合点90.6点/100点 中 
第一印象の形成 14.6点/20点
(平均14.4点)
ナビゲーション設計17.9点/20点
(平均 12.1点)
コンテンツ
(アピール)
 24.3点/25点
(平均21.7点)
コンテンツ
(プラン・料金)
24.3点/25点
(平均17.5点)
申込導線9.7点/10点
(平均 8.3点)
※青線が平均点

評価者のコメント

トップページファーストビューでの実績訴求とCTAの配置、メッセージ伝達生を高める人物イメージの配置など、完成度が高い。選ばれる理由コンテンツの表現や、料金シミュレーションにおける装飾などの工夫など全体的に洗練されている。

業界特有のUIにおける工夫

今回の調査過程において、業界特有のUIの工夫として特に紹介した移転を3つピックアップした。

良例1
シミュレーション結果で電気代削減だけでなく環境貢献インパクトを指標化して表示する例(エバーグリーン社)

自社の強みを表現し、かつユーザーのペルソナ像にも合致していることが想定される効果的な表現手法として高く評価。

エバーグリーンの取り組み例

良例2
入力フォームで「戻る」を押すと
「お申し込みを途中でやめますか?」と聞きながら、電話番号を表示し、離脱を抑制しつつユーザーのサポートに徹するUI例
(Looopでんき)

新電力業界に限らず、フォームの入力項目が多い事業においてぜひ参考にしたいUI要素。

Looopでんきの取り組み例

良例3
申込み導線に検針票のアップロード(任意)を含めている。これにより、申込み条件に必要な「契約者番号」の入力不備があった場合も、運営側で手続きの進行をフォローできる。
ユーザにとっても、不備による手続きの追加や契約開始日の遅延を回避することにつながり、運営側とユーザ双方にメリットが生まれる。(Looopでんき・エネワンでんき)

Looopでんき・エネワンでんきの取り組み例

参考:サイトの表示速度(ページスピード)

今回サイト評価をするにあたって、参考情報として、ページスピードについても計測した。
「安定的なエネルギーを供給するインフラサービスのサイト」において、サイトの表示を安定的に提供することも、重要なユーザー体験の一つと考える。
計測するタイミングによっても異なるため、ユーザビリティ評価の採点対象とはしなかったが、参考まで紹介する。

計測時期:2025年10月(同日、同環境で計測)
計測方法:Google PSI https://pagespeed.web.dev/
LCP:Largest Contentful Paint(高いUXを目指す場合、2.5秒以下を推奨)
INP:Interaction to Next Paint(高いUXを目指す場合、200ミリ秒以下を推奨)

全17サイトを通じた所感

商品自体で差別化しづらい分野であるがゆえに、各社とも競争過程の中で磨きをかけてきた結果、全体を通して完成度が高いサイトが多かった。特に、自社を選ぶべき理由を表現している要素や、ファーストビューでの第一印象に訴求しつつシミュレーションやCTAをわかりやすく提示するUI設計など、新電力以外の周辺事業者にとって参考にすべきポイントが多かった。

電気料金に限定すれば、現契約と大差がないケースもあり、実際には、電気料金以外の付加価値、ユーザ体験で差別化を図る傾向が更に強まると考える。
もともとインフラ業界の企業が新電力サービスを始めたパターンともあるが、全くの異業種から参入した企業は、前者と比べ集客のハードルが上がるゆえ、今回の調査結果やWebサイトの注力レベルの差が表れている。
また、前者の立ち位置にありながら、あぐらをかくことなく取り組んでいる企業もまた高く評価したいと考える。

新電力サイトご担当者様に分析レポートを提供します

ご担当のWebサイトに課題がある、UI・UXの悩みがある方はオンライン相談会へ。

相談会に参加された方へ今回の新電力会社サイト分析の詳細レポートをお送りします
ご希望の方は以下からお問い合わせください。


※分析レポートの提供は、新電力(ガス)サイト担当者さま限定です。

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この記事を書いた人

Webコンサルタント
広告代理店にてメディア運営・SEOディレクション・Web広告運用を経験。
現在はコンテンツSEOとWeb担当者向けメディア『Webly』の編集を担当。

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