前回は、月商1000万円未満/1000万円以上のネットショップWeb担当者に対して、使用しているASPカートやMAツール、実施しているWebプロモーション、モールへの出店状況などを調査しましたが、今回は、調査・分析方法、集客方法、ユーザビリティ改善状況、リピート促進施策状況などを聞いてみました。
今回の調査結果は、全4回の調査結果報告レポートの第2回目となります。
第一回調査は『月商1000万円以上のWeb担当者の約半数がカスタマージャーニーを重視していた!』からご覧ください。 |
尚、今回アンケートにお答えいただいた方の人数やネットショップ業種などの概要については、本アンケート結果の後に記載しています。
以下からはネットショップの流入経路やコンバージョン経路について聞いてみた結果となります。
1.ユーザーからの流入が多いチャネル
設問:あなたのネットショップで流入が一番多いチャネルはどこでしょうか?
月商1000万円未満のネットショップでは、「ダイレクト」が23.4%で一番多く、次いで「自然検索」が21.6%、「参照元」が11.7%となりました。
月商1000万円以上のネットショップでは、「リスティング広告」が21.8%で一番多く、次いで「ダイレクト」が20.0%、「自然検索」が19.1%となりました。
月商1000万円未満のネットショップと比べて月商1000万円以上のネットショップの流入は、広告比率、特にリスティング広告の流入が多く、コストをかけて集客を行っていることがわかります。
次は、コンバージョンの多いチャネルを聞いてみました。
2.コンバージョンが多いチャネル
設問:あなたのネットショップでコンバージョンが一番多いチャネルはどこでしょうか?
月商1000万円未満のネットショップでは、「ダイレクト」が27.0%で一番多く、次いで「自然検索」が25.2%、「リスティング広告」が11.7%、月商1000万円以上のネットショップでは、「ダイレクト」が27.3%で一番多く、次いで「自然検索」が19.1%、「リスティング広告」が14.5%という結果になりました。
月商1000万円未満、月商1000万円以上のネットショップともに、上位のコンバージョン経路は同じ結果となっています。
近年、SNSの利用が一般的になったことで、SNSがなかったころと比べて検索エンジンの利用が減少したと言われていますが、「自然検索」「リスティング広告」でのコンバージョンが上位にきていることを考えると、検索エンジン利用者がまだまだ多い状況は変わらないと考えらます。
次は、Web担当者が重要視しているチャネルについて聞いてみました。
3.重要視しているチャネル
設問:あなたが今一番重傷視している集客チャネルはどこでしょうか?
月商1000万円未満のネットショップでは、「自然検索」が22.5%で一番多く、次いで「リスティング広告」が16.2%、「ダイレクト」が15.3%。
月商1000万円以上のネットショップでは、「ダイレクト」が26.4%で一番多く、次いで「自然検索」が21.8%、「SNS」が16.4%という結果になりました。
この調査では、月商1000万円未満と月商1000万円以上のネットショップでは大きな違いがみられました。
月商1000万円未満のネットショップでは、自然検索、広告を問わず、検索エンジンを重視する傾向にあります。反対に月商1000万円以上のネットショップでは、検索エンジンを活用するリスティング広告よりも、自然検索やSNSを重要視しているようです。
また、月商1000万円以上のネットショップでは、「ダイレクト」チャネルを最も重要視している結果となりました。
「ダイレクト」からのユーザーは、ブックマークからの流入などで、すでにそのネットショップを知っているユーザーとなるため、ダイレクトからの流入数が多くなることは、そのネットショップを認知しているユーザーが増えていることになります。当然認知しているユーザーが増えることはネットショップの売上も増えていきます。年収1000万円以上のネットショップのWeb担当者は「ダイレクト」チャネルを自社ネットショップの認知度合いの指標として重要視していると考えられます。
次は、広告の実施有無について聞いてみました。
4.広告の実施有無
設問:あなたのネットショップで広告は実施していますか?
月商1000万円未満のネットショップでは「実施している」が71.2%、「していない」が28.8%となり、月商1000万円以上のネットショップでは「実施している」が90.9%、「していない」が9.1%という結果なりました。
小規模のネットショップよりも大規模のネットショップの方が集客に対してコストをかける余裕があるため、年収1000万円以上のネットショップの9割以上が広告を実施しているという結果になったのは当然と言えるでしょう。
月商1000万円未満、月商1000万円以上のネットショップでは、ともに広告の実施が7割を超えていて、ネットショップでの広告施策は必要不可欠な施策だと考えていいでしょう。
次は、その広告に関してアウトソースしているかどうかを聞いてみました。
5.広告のアウトソース割合
設問:前問で「実施している」と答えた方にお聞きします。広告運用は外注していますか?
月商1000万円未満のネットショップでは、「全て外注している」が39.2%、「外注しているが自社でも運用している」が49.4%、「外注せずに全て自社で運用している」が11.4%。
月商1000万円以上のネットショップでは「全て外注している」が55.0%、「外注しているが自社でも運用している」が27.0%、「外注せずに全て自社で運用している」が18.0%という結果になりました。
当初、ネット広告は、インターネット広告代理店へのアウトソースが主流でしたが、ここ最近では、インハウスでの運用を行っているところも増えてきている状況のようです。特に、「外注せずに全て自社で運用している」率が、月商1000万円以上のネットショップの方が多く、2割弱となっているのは興味深い結果と言えるでしょう。
近年、インターネット広告のインハウスでの運用を支援する企業も少なくない背景もありますが、以前より、ネットショップの担当者の広告運用のリテラシーも高くなってきていると言えるのではないでしょうか。
6.まとめ
今回は、月商1000万円未満のネットショップと月商1000万円以上のネットショップの流入経路やコンバージョン経路などについての調査結果を見てみました。
結果、月商1000万円未満、月商1000万円以上のネットショップでの流入経路やコンバージョン経路に関してはそれほど大きな乖離はありませんでしたが、月商1000万円以上のネットショップの方が広告の利用が多くチャネルではダイレクトやSNSを重視していることがわかりました。
本記事を読んだ後、自社のネットショップの流入やコンバージョン経路などを確認して、今後のプロモーションの参考にしてみてはいかがでしょうか。
7.本アンケートの回答者やネットショップの概要
アンケート回答者:月商1000万円未満のネットショップのWeb担当者111人
月商1000万円万円のネットショップのWeb担当者111人
アンケート回答期間: 2021/04/08-2021/04/09
■ネットショップの業種
設問:あなたが担当しているWebサイトの業界(複数ある場合は最も売り上げの大きなサイト)をお答えください。
月商1000万円未満、月商1000万円以上のネットショップともに、「総合小売」が圧倒的に多く、次いで「アパレル」となっています。
特徴的なのは、月商1000万円未満のネットショップでは、「教育・教材」(5.4%)で上位にいるのに対して、月商1000万円以上のネットショップではほとんどなかったことです。
全体的に「総合小売」「アパレル」が圧倒的に多く、次いで「ソフトウェア」「化粧品」「健康食品・サプリ」が多い割合を占めるといった傾向は、月商にかかわらず大きく変わりはない結果となりました。
第一回調査は『月商1000万円以上のWeb担当者の約半数がカスタマージャーニーを重視していた!』からご覧ください。 |