ユーザビリティ改善の分析4手法・改善における重要ポイントをプロが解説

Webサイトのユーザビリティを改善したいと思い立っても、何から手を付けていいかわからない方も多いのはないでしょうか。

ユーザビリティを改善するには、まず、Webサイト上で何が問題となっているかを把握するために課題抽出から始める必要があります。

この記事では、ユーザビリティ改善に有効な4つのサイト分析方法をご紹介します。

 

目次

1.ユーザビリティが高いサイトとは

ユーザビリティは、一般的に「使い勝手のよさ」「使いやすさ」と訳されますが、代表的な定義にはwebユーザビリティの第一人者であるヤコブ・ニールセンの言葉があります。

ヤコブ・ニールセンはユーザビリティを決定する要素を次のように説明しています。

  • 学習しやすさ
  • 効率性
  • 覚えやすさ
  • エラー発生率
  • 使用満足度

これらの項目をまとめて考えると、「目的を果たすために、ユーザーがストレスなく満足して利用できる」Webサイトがユーザビリティの高いWebサイトであると言えます。

 

2.ユーザビリティ改善のためのサイト分析方法

Webサイト上の課題を発見する分析方法やツールは数多くあります。まずは分析方法の種類を簡単にご紹介しておきましょう。

ヒューリスティック評価

ユーザビリティ分析のプロがノウハウや経験に基づいて、Webサイトを主観的に分析し、Webサイト上の課題を抽出する方法です。

アクセスログ解析

WebサイトにGoogleアナリティクスなどのアクセスログ解析ツールを導入してユーザーの行動を記録し、そのデータを解析して改善点をピックアップする分析方法です。

被験者によるユーザビリティテスト

数名の被験者に対象のWebサイトを利用してもらい、どの部分で操作に不便を感じているのかなどの課題をヒアリングしながら分析していく方法です。

ベンチマーク(競合)調査

競合他社や、異業種ではあっても規模や売上が同程度のサイトを選び、それらのWebサイトを比較しながら自社Webサイトの課題を分析する方法です。

アイトラッキングによる調査

アイトラッカーと呼ばれる特殊な機械を使って、人間の眼球の動きを追跡して、視線の動きから分析する方法です。

このようにユーザビリティを改善するための分析方法は数多くありますが、ECマーケティングでは、これからご紹介する4つの方法により、800サイト以上のユーザビリティ改善を実現しています。

 

3.ヒューリスティック評価

ヒューリスティック評価では、ユーザビリティ分析のプロのノウハウによりサイトを主観的に分析します。「ヒューリスティック評価」のメリットと、この方法でWebサイトを評価する際の注意点をご説明します。

ヒューリスティック評価のメリット

ヒューリスティック評価でWebサイトを分析する最大の魅力は、短期間に、しかも低コストで評価できることです。また、プロが経験の基づき分析するため、幅広い範囲での分析・評価が可能なところです。

ヒューリスティック評価で注意するポイント

ヒューリスティック評価は、チェック項目を決めていれば自社での取り組みも可能ですが、自社のWebサイトの場合は、どうしても主観的になやすく、課題点を見落とす可能性があるため、第三者に依頼する方が客観的な課題をピックアップできます。外部へ委託する場合は、分析者のリテラシーによって判断結果が左右されてしまうため、実績のある分析者かは確認が必要です。

また、Webサイトに来訪するユーザーやWebサイト改善の目的によってユーザビリティの善し悪しの基準が変わる可能性があるため、分析者と事前にすり合わせしておきましょう。

 

4.アクセスログ解析

Webサイトへのユーザーの利用状況を記録し、分析するアクセスログ解析にはどのようなメリットがあるのでしょうか。

アクセスログ解析のメリットと、導入時の注意点を見ていきましょう。

アクセスログ解析のメリット

アクセスログ解析は、ユーザーがWebサイトに訪問してからのユーザー動線を把握でき、さらにそれぞれのコンテンツが機能しているのかを数値で確認できます。

分析者の主観に左右されるヒューリスティック評価やベンチマーク評価とは異なり、判断の根拠となる数値があるためPDCAが回しやすく、Webサイト改善後に成果がでなくても原因を究明しやすいといったメリットもあります。

アクセスログ解析で注意するポイント

アクセスログ解析は、アクセス数やユーザーの流入経路、見られているページなどの数値情報を入手できるため、ユーザビリティ改善だけでなく広告の効果測定やSEOなどにも活用できます。

そのなかからユーザビリティに特化して改善を行うためには、データを見極めてWebサイト上の問題点を抽出し、ユーザビリティ改善につなげるノウハウが必要になります。

 

5.被験者によるユーザビリティテスト

被験者によるユーザビリティテストは、被験者に対象のWebサイトを実際に訪問してもらい、どの部分で迷っているのかなどを抽出して分析する方法です。

被験者によるユーザビリティテストのメリットと注意ポイントをご紹介します。

被験者テストのメリット

被験者テストの最大の魅力は、ユーザーの生の声が聞けることです。

これまでにご紹介した方法では把握できなかったユーザーの意見を取り入れることができるため、他の分析方法で見つからなかった課題を見つけられる可能性があります。

被験者テストで注意するポイント

被験者テストを行うためには、実際のユーザーかペルソナに近い属性の人を探して採用するコスト、記録するカメラなどの機材の準備、シナリオの準備など、手間やコストがかかります。

また人がいると意見を言いにくい被験者もいるため、経験を積んだモデレーター(司会進行者)が緊張をほぐす雰囲気を作りながら、本音を聞けるように上手く誘導する必要もあります。

 

6.ベンチマーク評価

ベンチマーク評価は、競合他社や規模・売上が類似しているWebサイトをベンチマークサイトとして、自社サイトと比較しながら分析する方法です。ベンチマーク評価のメリットと注意するポイントを確認しましょう。

ベンチマーク評価のメリット

ベンチマーク評価は、ヒューリスティック評価と同様に、分析者さえいればすぐにWebサイトを評価することができます。また、Web活用で成功している会社のWebサイトを分析することで、自社サイトに応用できるのも良いポイントです。

さらに同業種のサイトをベンチマークすることで、業界のトレンドを掴めたり、競合他社の傾向を掴んで差別化を行ったりできる点も、ベンチマーク評価の魅力でしょう。

ベンチマーク評価で注意するポイント

ベンチマーク評価を採用するときの注意点は、ヒューリスティック評価と同様に、分析者の経験や知識レベルによってそのクオリティが異なることです。

あらかじめ評価軸を明確にし、判断結果が分析者の主観に偏りすぎないようにしておく必要があります。

また、同業他社のサイトだけをピックアップするとWebサイトが類似する可能性があるため、他業種かつ規模・売上が似ているWebサイトなどもベンチマークすることをおすすめします。

 

7.まとめ

「目的を果たすために、ユーザーがストレスなく満足して利用できること」というユーザビリティの定義を満たすWebサイトに改善するためには、まず現状を分析する必要があります。

分析方法にはさまざまな種類がありますが、ECマーケティングでは、ヒューリスティック評価、ベンチマーク評価、アクセスログ解析、被験者テストで、多くのユーザビリティを改善してきました。

分析方法ごとのメリットと注意点を事前に把握し、自社サイトに合う方法でユーザビリティ改善に活かしてみてください。

 

ECマーケティングのサイトユーザビリティ改善サービス

ECマーケティング株式会社では、客観的な目線でWebサイトの改善点を洗い出し、CVR、ひいては売り上げを上げる「ユーザビリティコンサルティング」を提供しています。

既に課題を感じている方も、まずサイトを客観的に見て欲しい方も、ぜひまずはお問い合わせください。

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この記事を書いた人

Webコンサルタント
広告代理店にてメディア運営・SEOディレクション・Web広告運用を経験。
現在はコンテンツSEOとWeb担当者向けメディア『Webly』の編集を担当。

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