2020年6月にランク王が行った「自粛期間前後の購買経路の変化に関する調査」によると、日用品購買の2割以上で通販を活用する人の割合が、コロナでの自粛前21%に対して緊急事態宣言解除後36%と15%増えたことがわかりました。
多くの人にとってECサイトが身近になる反面、「ECサイト運営者」という職業はまだまだ浸透しておらず、その分運営に必要なスキルもあまり知られていません。対面での接客ができないECサイトでは、実店舗とは大きく異なるマーケティングスキルが必要です。
今回は、ECサイト運営でぜひ身につけておきたいマーケティングスキル6つと、あると嬉しいスキル2つをご紹介します。
1.ECサイトと実店舗のマーケティングの違い
実店舗では、限られた商圏にいる顧客の要望・ニーズに合わせて商品を提供し、売れる仕掛けを作り出すことがマーケティングでした。
しかし、ECサイトでは商圏が全国、全世界に広がります。「顧客の要望・ニーズに合わせて商品を提供する」という点は実店舗と変わりませんが、ECサイトを介して膨大なデータをもとに販促活動を行うため、Webに特化したスキルが求められるのです。
2.ECサイト運営で身につけたいマーケティングスキル
まずはECサイト運営で身につけたいマーケティングスキルを6つ紹介します。
検索エンジン最適化(SEO)スキル
ECサイトでは検索エンジンからの集客がカギです。ECサイトが検索上位に表示されるほど流入数が増え、売上に直結していきます。検索エンジンで上位表示されるようにECサイトを最適化する「SEOスキル」は必ず身につけておきたいスキルです。
検索エンジンからの集客を最大化するためには、Googleのアルゴリズムをきちんと理解した上で、SEO施策を行う必要があります。正解がない中で試行錯誤を繰り返す探究心や、入れ替わりが激しいSEOノウハウを日々集める情報収集力も重要です。
Web広告運用スキル
ECサイトに集客するためには、SEO以外にもWeb広告の活用が欠かせません。リスティング広告やバナー広告、アフィリエイト広告など様々なWeb広告の特徴を理解し、自社ECの特性・目的に合った広告を選定する必要があります。
他にも、広告文やLPの作成、効果測定などを行うスキルも求められるでしょう。
SNS運用スキル
ECサイトの集客で、年々重要度を増しているのがFacebookやTwitter、InstagramなどのSNSです。SNSは拡散力が高く、これまで接点のなかった層にも効果的にアプローチでき、認知度を高められます。
SNSはプラットフォームごとに特徴や利用ユーザーが異なるため、それぞれの特性にあった文章や画像、投稿頻度を考えなければなりません。フォロワーを増やす、拡散されやすい投稿を研究するといった地道な努力も必要です。
メールマーケティングスキル
ECサイトにおいて、メルマガは顧客との接点を保つ重要な施策です。メールマーケティングを行えば、購買促進や顧客の維持、リピーターの増加などが期待でき、効果的に売上につながることが期待できます。
メールマーケティングでは、開封率を高めるタイトルやメール文の工夫、配信時間の設定といったさまざまな知識とノウハウが必要です。
最近では、メールだけでなく、LINEなどの活用も多くなっています。
データ分析力
ECサイトではデータを蓄積できるため、顧客の行動を追いやすいという特徴があります。例えば、Aという商品を買う人はBも一緒に買うことが多いといった傾向をデータからつかめれば、おすすめする商品も変わるでしょう。
しかし、膨大なデータを分析し、意味のある解釈を導き出し施策を実行することは簡単ではありません。GoogleAnalyticsのようなツールを使いこなすスキルも必要です。日々データから仮説を立てて検証する、といった地道な繰り返しが売上アップにつながります。
コンテンツ企画・作成力
ECサイトでは実店舗と異なり、商品を手に持って確認したり、店員の説明を聞いたりしながら選ぶことができません。購入してもらうには、説明文やコピーライティング、ハウツー記事などのコンテンツをいかにうまく活用するかが重要です。
商品の魅力を伝える企画力や、ライティングスキルは不可欠といえます。
3.ECサイト運営であればうれしいマーケティングスキル
最後に、ECサイトを運営していく上で、あれば嬉しいマーケティングスキルを2つ紹介します。
ITスキル
ECサイトにおいては、集客から購入、リピーターの育成までをすべてオンライン上で行います。顧客をひきつけ維持するECサイトを作成するために、サイト制作の知識があると有利です。
近年はASPカートなど、専門知識がなくてもECサイトを立ち上げられるシステムが増えていますが、テンプレートを利用するとどうしても見た目が似通ったサイトになってしまいます。HTMLやCSSの知識があれば、カスタマイズの幅を一気に広げられるでしょう。
デザインスキル
ECサイトでは、店舗のレイアウトや店員の雰囲気などによるブランディングができないため、サイトデザインが与える視覚情報はとても重要です。
PhotoshopやIllustratorなどのデザインツールを少しでも使えると、バナーやアイキャッチなどを自社で制作できます。もちろん外注もできますが、自社内でできた方がイメージを実現しやすいでしょう。
4.まとめ
直接顧客に接客して商品を売り込めないECサイトにおいては、実店舗とはまったく異なるマーケティングスキルが求められます。SEO対策やデータの分析などデジタルデータを活用するスキルのほか、SNSやWeb広告運用などでの集客スキルなど、求められるスキルは多岐にわたります。
ECサイトを成功させるために、必要とされるスキルを身につける、もしくはスキルを持つ人材の育成・確保が重要です。