摩擦ゼロのUXで挑む、コーレ株式会社 奥脇真人氏が描く『スーパーサブAI』IrukaDarkのグローバル戦略|海外進出支援インタビュー#03

コーレ株式会社(東京都新宿区、代表取締役/CEO 奥脇真人)が開発するデスクトップ常駐型AI『IrukaDark(イルカダーク)』は、プレビュー期からグローバルで支持を広げ、2026年6月には正式なグローバルローンチを果たした「スーパーサブAI」だ。

日本には、まだ英語で十分に語られていない魅力的な商品・サービスを持つ企業や起業家が数多く存在します。

これまで私たちは500社超の日本企業に対しデジタルマーケティングを支援してきました。その経験を通して見えてきたのは、日本には世界に通用するプロダクトや事業が数多くある一方で、ほとんどが「英語圏で知られないまま」終わっている、という現実です。

その状況を少しでも動かすために始めた、私たちの新しい挑戦が「Under the Radar Japan」です。

「Under the Radar Japan」は日本の良いプロダクト、良いサービス、魅力的な挑戦者を多くの人に発信し業界・業種を問わず、グローバルに挑む日本企業を支援します。今回は3人目のゲストです。

海外進出支援サービスUnder the Radar Japan の詳細はこちら

この記事の執筆者

伊藤 肇(いとう はじめ)

【Webly編集部】執行役員 兼 シニアコンサルタント

2000年からデジタルマーケティング業界で、大手企業のウェブマーケティングを支援。Googleアナリティクスが生まれる前、2002年にサーバーの生ログを集計して「アクセスログ解析」をレポート。2006年にサイバーエージェント、アルベルト(現アクセンチュア併合)を含め業界をリードする各社を招待して「コンバージョンアップサミット」を主催。以降、800プロジェクトのサイトユーザビリティ改善に携わる。
2025年11月5日REAL VALUE(リアルバリュー)にプレゼンターとして出演。堀江貴文氏のYouTube ホリエモンチャンネルにて公開中。

目次

インタビュイー紹介

今回ご紹介するのは、コーレ株式会社で代表取締役/CEOを務める奥脇真人さんです。

コーレ株式会社は2017年5月に設立された、東京都新宿区に拠点を置くAI開発企業です。代表取締役/CEOの奥脇真人さんに加え、取締役/CTOの池田直人さんが開発を支える体制を取っています。同社が開発・提供する「IrukaDark(イルカダーク)」は、独自の画面認識技術「Screen Intelligence」を中核に、デスクトップに常駐してPCの小さな雑務を高速でこなす「スーパーサブAI」です。

画面解析やテキスト選択による即時解説、翻訳、AI議事録、画像・動画・スライド生成など30以上のサービスと連携する多機能さを持ちながら、macOSとWindowsの両方に対応し、無料プランから始められる手軽さも特徴です。取材時点ではプレビュー版としての展開でしたが、その大半を米国とフィリピンのユーザーが占め、日本発でありながら海外で先に火がついたプロダクトでもありました。

本記事では、開発のきっかけとなった「バイブコーディング」への課題感、ChatGPTやClaudeといったメインAIを置き換えない独自のポジショニング、そして海外で急成長を遂げるグローバル戦略について、奥脇さんに話を伺いました。なお、取材時点でIrukaDarkはプレビュー版として展開されていましたが、2026年6月にはグローバル正式版としての公開を果たしています。

インタビュー動画はこちら

CORe Inc.
https://co-r-e.com/ja
IrukaDark
https://irukadark.com/ja

IrukaDark PCの小さい雑務に特化したスーパーサブAI

開発のきっかけ ― 「バイブコーディング」のストレスから生まれたアイデア

正式なグローバルローンチとなる2026年6月からさかのぼること約1年前――奥脇さんが「バイブコーディング」と呼ばれるAI主導の開発スタイルに没頭していた頃、IrukaDarkの原型は生まれました。

「バイブコーディングをしていると、AIがコードを書いてくれている間にどうしても待ち時間が発生します。待っている間に他のプロダクトを同時に動かしたりするのですが、たまにエラーが出るんですね。何が起きているのか分からないので、いちいちエラーコードをコピーして別のAIツールに貼り付けて『これは何ですか』と聞く作業を、1日に何十回、何百回と繰り返していました。これが本当にしんどくて。画面を切り替えずに、選択するだけでエラーの解説をパッと高速にやってくれるAIがあったらいいなと思って、最初は自分のためにIrukaDarkを開発したんです」

と奥脇さんは振り返ります。

「IrukaDarkはデスクトップに常駐するので、どの画面に切り替えてもずっと自分のそばにいてくれます。プロンプトを打たなくても、選択するだけで『これ何?』を教えてくれるので、ものすごく快適だったんです」

自分のために作ったこのツールがあまりに便利だったことから、まずはオープンソースとして公開したところ、想定以上の大きな反響がありました。

「これはビジネスとして本格的に展開していこう、となって今に至ります」

画面を切り替える手間や入力の遅れといった“摩擦(フリクション)”を徹底的に取り除いたこの原体験こそが、後にグローバルで支持されるプロダクトの出発点になりました。

ChatGPTやClaudeを「置き換えない」——独自の“スーパーサブAI”というポジショニング

「IrukaDarkのことを、今は『スーパーサブAI』と呼んでいます。これは『メイン(主役)』のAIを置き換えるものではありません。メインはやっぱりChatGPTやClaudeといったツールがあり、それらメインで使っているAIの利便性をさらにパワーアップさせるための『サブ(控え)』の立ち位置です。そういう独自のポジション設計をして展開しています」

と奥脇さんは説明します。

既存の大規模言語モデルと競争するのではなく、それらを使いこなす体験を底上げする——このポジショニングの明確さが、後発でありながらユーザーに選ばれる理由の一つになっています。

ユーザーの6割強が米国――日本発から生まれた“逆輸入型”のグローバルトラクション

「プレビュー版を含めて、ユーザー数は1万人強というところです。大体、アメリカが6〜7割、フィリピンが3割、日本が1割くらいですかね」

日本発のプロダクトが、リリース当初から海外で圧倒的な支持を得るのは決して一般的ではありません。

「やはり『バイブコーダー』に一番最初にハマったんです。SNSや開発者コミュニティで『便利ですよ』と発信していたら、アメリカのユーザーが多く使ってくれるようになりました」

と奥脇さんは振り返ります。フィリピンでの広がり方には、もう一つ意外なエピソードがあります。

「実は以前、別の『AI TikTokアカウント』を運営していたことがありまして。すごく不気味な魚がいっぱい出てくるアカウントだったんですが、その視聴者のほとんどがフィリピンの方々だったんです。その視聴者の方々にDMで『こういう新しいプロダクトもやっています』と紹介したところ、ある程度使ってくれて、そこからフィリピン国内に広がっていきました。」

既存の資産を新プロダクトの初期ユーザー獲得へと転用する、思いがけない導線がグローバルトラクションを後押ししました。

「IRUKA」×「Dark」に込めたブランドストーリー

「イルカは頭が良い動物というところで、もともと何か動物の名前にしたかったんです」と奥脇さんは名前の由来を語ります。「他にもフクロウ(Owl)や玉虫(Gem)など色々な候補を考えたんですが、イルカが一番可愛いキャラクターになるなと思って、イルカに決めました。ダーク(Dark)というのは、僕が昔プレイしていた『カスタムロボ』というゲームが元になっています」

と奥脇さんは続けます。

「主人公機の『レイ2』をパワーアップさせた強化版が『レイ2ダーク』という名前で、『何々ダーク』って響きがカッコいいなと思っていて(笑)。ただのイルカではなく、AIによって最強になったイルカ、という意味を込めました。僕自身、もともと結構オタク系なんです」

英語の『Dolphin』ではなくあえて日本語表記の『IRUKA』にした理由を尋ねると、「日本発のプロダクトですよということを示すためというのと、ドルフィンよりも文字数が短くてロゴデザインにしやすく、印象に残りやすいかなと思ったからです」と説明します。ちなみに、アニメ『NARUTO』のうみのイルカ先生を意識したのかとたずねると、

「全く考えていませんでした(笑)。後から気づきましたね。海外のアニメ好きな人なら、名前を見て思い出す人もいるかもしれません」

と笑って答えてくれました。

競合との差別化とProduct Hunt・米国法人設立という次の一手

海外では「ジェンスパーク」のように、複数のAIエージェントを組み合わせてメインAIそのものを代替しようとする“オールインワン型”のサービスも登場しています。これに対しIrukaDarkは、既存のメインAIを使いこなすための“サブ”に徹する立ち位置を取っているのが特徴です。

「やり方は特に変えず、純粋に機能を磨き続けるという感じです。「『UX(使いやすさ)』と『圧倒的な速度』で戦い続けます。というか、どちらかというと我々は後発なんです。IrukaDarkが提供しているのはすでに世の中にある機能ですし、競合ができることを我々もやっているので、相手に被せられるというより、むしろ我々が被せに(競合の領域に)いっている感覚です。たとえ全く同じ機能だったとしても、『うちのほうが圧倒的に早くて使いやすい』というところを徹底的に極め続ける。そういう戦い方ですね」

今後の目標として掲げるのが、新興プロダクトが日々発表され、世界中のプロダクト関係者や投資家が注目するプラットフォーム「Product Hunt」での1位獲得です。

「基本的には英語のプラットフォームで、日本人はそこまで使わないんです。アメリカを筆頭に海外の人たちの投票を得られるかが鍵で、特に新しいもの好きな技術者がよくチェックしています。そこで1位を取ることで、グローバルのイノベーター層から評価されているプロダクトだ、という強固なポジションを確立できます」

と奥脇さんは1位獲得への意気込みを語ります。すでに日本国内では代理店パートナー向けのアフィリエイトプログラムを開始しており、これを米国でも展開するのが次の一手です。

「アメリカで展開するには決済上の制限があります。現在Stripeを使っていますが、アメリカのアフィリエイト支払いに対応させるためには現地法人や現地銀行口座が必要になるため、米国法人の設立を検討しています」

さいごに

日本には、まだ英語で語られていない起業家ストーリーがあります。

今回のインタビューを通じて印象的だったのは、奥脇さんの挑戦が単なる「開発者向けツール」に留まらないということです。

自分自身のストレスを解消するために生まれたプロダクトが、オープンソース公開への反響や、思いがけないTikTokアカウントからの口コミといった偶然の積み重ねを経て、日本発でありながらアメリカでマジョリティを獲得する“逆輸入型”のグローバルプロダクトへと育っている。メインAIを置き換えないポジショニング、遊び心のあるブランドネーミング、そして競合を過度に意識しないUXへの集中——その一つひとつの選択が、IrukaDarkというプロダクトの背景に積み重なっています。

日本には、こうしたストーリーを持ちながら、まだ十分に世界へ発信されていない起業家が数多くいます。このチャンネルでは、そうした「Under the Radar」な日本の挑戦者たちを、英語圏・シリコンバレー視点も意識しながら紹介していきます。

「IrukaDarkを、まずはちょっとでも使ってみていただきたいなと思っています。このプロダクトはやはり『口コミ』が一番大切なんです。皆さんに実際に使っていただき、良いと思ったら周りの人たちにどんどん口コミで広めていっていただけると本当に嬉しいです」

Under the Radar動画視聴特典のお知らせ
通常の新規登録特典(2,000クレジット)とは別に、動画視聴者限定で1万クレジットがプレゼントされる特典コードを提供いただきました。 動画はこちら ぜひIrukaDarkを体験してみてください。

コーレ株式会社と奥脇真人さんの挑戦は、日本発のツールを日本で使ってもらうことにとどまらず、世界中の開発者の生産性をどう底上げするかという問いそのものでもあります。

「Under the Radar Japan 」では海外進出を目指す企業様、海外投資家に自社商品・サービスをアピールしたい方を募集しています。
取材から編集まですべて無償で対応しておりますので、興味のある方は下記よりご連絡ください。

海外の投資家に発信したい方・海外進出したい挑戦者を募集

“海外で語られている日本企業”になる
英語圏のコミュニティで語られる、ということ自体が、ブランドになります。”海外メディアに出ています”と一言伝えられる企業と、そうでない企業。その差は、年々大きくなっています。
Under the Radar Japan は、その入り口を、最も低いハードルで提供します。
取材・撮影・編集・字幕、すべて無償。
完成動画の2次利用は自由 (ピッチ、自社サイト、SNS等)。

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この記事を書いた人

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【Webly編集部】執行役員 兼 シニアコンサルタント

2000年からデジタルマーケティング業界で、大手企業のウェブマーケティングを支援。Googleアナリティクスが生まれる前、2002年にサーバーの生ログを集計して「アクセスログ解析」をレポート。2006年にサイバーエージェント、アルベルト(現アクセンチュア併合)を含め業界をリードする各社を招待して「コンバージョンアップサミット」を主催。以降、800プロジェクトのサイトユーザビリティ改善に携わる。
2025年11月5日REAL VALUE(リアルバリュー)にプレゼンターとして出演。堀江貴文氏のYouTube ホリエモンチャンネルにて公開中。

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