Webサイトの運営・改善をしていく上で、アクセス解析は欠かせません。
アクセス解析の数値からは様々な情報が読み取れますが、数値の見方が分からず、どのようにWebサイト課題を見つけたら良いのか分からないという方も多いのではないでしょうか。
この記事では、アクセス解析の効果的な活用方法と課題の解決方法をご紹介します。
1.分析の前にアクセス解析を通した目標を考える
アクセス解析を活用しWebサイトの改善を行うためには、まずアクセス解析でできることを正確に理解し、そのうえで目標を立てることが大切です。
アクセス解析でできること、また目標設定の方法を確認しましょう。
アクセス解析でできること
アクセス解析は、ただ数値を確認するためのものではなく、Webサイトの状態を知り、課題を発見するためのツールです。
基本的にはWebサイト全体の平均値と比較しながらデータを分析し、異常値を見つけて対策を考えていきます。
またツールによっては、競合他社の数値を推測できるものもあり、同業種内でのWebサイトの立ち位置を把握することにも活用できます。
Webサイトで達成したい目標を数値化する
Webサイトはただ漫然と運営するのではなく、達成したい目標を持ち、それに向けて改善を重ねていくことが大切です。アクセス解析は、数値化した目標を立てるのに役立ちます。
具体的には、コンテンツSEOに注力していれば自然検索からの集客数、ファン作りが目的なら会員登録者数といったように、目標を数値化して明確にしましょう。目標を定めた上で、その目標の課題となっているのは何かを考え、次の章でご紹介する指標を確認していきましょう。
2.アクセス解析で活用すべき指標5つ
アクセス解析で見るべき指標はいろいろありますが、今回はサイトの課題を発見するために活用すべき指標の一部を紹介します。
指標ごとにアクセス解析を活用してどう課題を発見するか、発見した課題をどう解決するかといった項目についても見ていきましょう。
①.トップページの直帰率
まずはトップページの直帰率を確認してみましょう。
<Googleアナリティクスでの確認方法>
[オーディエンス]→[概要]→サマリー内のセッションタブをクリックし[直帰率]を選択
直帰率を定点観測する
直帰率とは、1ページだけ見て離脱したユーザーの割合のことを指します。直帰率は業種やサイトによって異なるため、目安の値は存在しません。
そのため、まずは自社サイトの直帰率を定点観測し、異常値を把握するようにしましょう。
直帰率が上昇しているときの対応
トップページの定点観測を行い、直帰率の上昇が判明した場合にはWebサイトの使い勝手が悪い可能性があります。まずトップページのユーザビリティを見直してみましょう。
たとえばコンテンツが増えカテゴリーが複雑になりすぎている、あるいは他のページへのリンクがわかりにくくなってはいないでしょうか。
ユーザビリティを改善すればサイト内での回遊率が上がり、最終的にコンバージョン数のアップにつながる可能性も高くなります。
②.コンバージョン率
Webサイトの成果に直結するコンバージョン率の確認は必要不可欠です。まずはプロファイルの目標設定画面で自社サイトのコンバージョンを設定する必要がありますが、それ以降は以下の方法で確認できます。
<Googleアナリティクスでの確認方法>
[コンバージョン]→[目標]→[概要]
コンバージョン率を定点観測する
コンバージョン率とは、サイト訪問者のうちコンバージョンに至ったユーザーの割合のことです。コンバージョン率も、直帰率と同様に平均値は業種やWebサイトによって違うため、一概に何%なら良いとは言えません。
まずは自社サイトの平均値を確認したうえで、毎日定点観測を続けてみましょう。コンバージョン率が下がってきている傾向が判明したときに、すぐに気づけるようにしておくことが大切です。
コンバージョン率が低下しているときの対応
コンバージョン率が低下している場合には、ユーザーの遷移率を確認しましょう。ユーザーの行動フローを確認し、繊維率が極端に低いページがあれば、そのページのユーザビリティを改善します。
あるいはECサイトで入力フォームでの離脱が高いと判明すれば、フォームを改善するなど、ユーザー目線でページ改善を行いコンバージョン率が改善するかを確認しましょう。
③.流入経路
ユーザーがWebサイトへどのように辿り着いたかといった流入経路もアクセス解析から読み取れます。
<Googleアナリティクスでの確認方法>
[集客]→[チャネル]→[すべてのトラフィック>チャネル]
流入経路の実態を把握する
自社サイトへの流入が、自然検索からなのかSNSからなのか、それとも他社メディアからの流入なのかなど、経路の把握をすることも重要です。流入元がわかれば、集客施策の方針を立てることができます。
流入する割合が低いページを発見したときの対応
流入経路を調べた結果、流入割合が低いページから、集客効果が弱い施策が何かを推測し改善に役立てます。
たとえば検索エンジンからの流入が少ないことがわかれば、内部SEOやコンテンツSEOなどによる、検索エンジン向けの施策を強化する必要があります。
あるいはWeb広告を打っているにも関わらず、広告からの流入が少ないようであれば、広告のクリエイティブを見直す、あるいは出稿メディア自体を見直す必要があるかもしれません。
④.流入経路別のコンバージョン率
コンバージョン率と流入経路を掛け合わせると、より細かな分析ができます。
<Googleアナリティクスでの確認方法>
[コンバージョン]→[マルチチャネル>コンバージョン経路]
流入経路別のコンバージョン率を確認する
ユーザーのニーズや購入意欲は、流入元によって異なります。流入経路ごとのコンバージョン率を把握することは、どのようなコンテンツを準備するべきかを考える根拠にできます。
流入は少ないがコンバージョン率が高い流入元があるときの対応
流入は少ないのに、コンバージョン率が高い流入元が判明した場合には、その流入元からの集客を強化する施策を実施しましょう。
たとえばSNSからの流入が少ないにもかかわらず、コンバージョン率は高いといった場合には、まずはSNS自体への集客を増やすような運用強化策を考えると効果的です。
⑤.コンバージョンに寄与したページ
Googleアナリティクスでコンバージョンに寄与したページを調べるには以下の2つの方法があります。
<Googleアナリティクスでの確認方法>
1) [行動]→[サイトコンテンツ]→[すべてのページ]からページの価値を見る
2) [ユーザー]→[ユーザーエクスプローラ]でコンバージョンしたユーザーの導線を確認する
コンバージョンに寄与しているページの把握
ユーザーがいきなりコンバージョンに至るケースは少なく、多くの場合で色々なページを何度かに分けて訪問し、結果に繋がっています。
アクセス解析はユーザー単位でも解析できるため、コンバージョンに至ったユーザーが過去どのページを見ていたかを調べ「コンバージョンに寄与したページ」を発見するのも有効です。
コンバージョンに寄与しているページがあるときの対応
コンバージョンに特に寄与しているページがあるとわかった場合には、そのページへの導線を強化するとコンバージョン率が上がる可能性があります。
たとえばサイドバナーの設置やポップアップの表示、文中へのリンク挿入などを通してユーザーの導線を見直せば、さらに流入が増え、コンバージョン数の増加が期待できます。
またコンバージョンに貢献したコンテンツの成功法則を導き、今後のコンテンツ作成に役立てても良いでしょう。
4.まとめ
アクセス解析は、平均値と比較することで、サイトのどこに問題が発生しているのかを把握するのに非常に有効なツールです。
課題が把握できれば、ユーザビリティや導線を改善することで、最終的にコンバージョン率の向上につなげることが可能になります。今回の記事を参考に、アクセス解析を活用し、サイトの改善を行ってみてください。