Webマーケティングは他の業界よりも、歴史が浅いことで知られています。しかし、インターネット広告費がテレビメディア広告費を超えた今、どの企業においてもWebマーケティングは必要不可欠なものになりました。
この記事では、新卒でこの業界に就職した筆者が、改めて『Webマーケティングの可能性』をテーマに、入社3か月ならではの視点でご紹介いたします。
1.そもそもWebマーケティングとは何か
Webマーケティングとは簡潔に言うと、「企業がWeb活用して、商品やサービスが売れるしくみを作ること」です。と言ってもなかなかイメージがわかないですよね。
ここで一つお聞きしたいのですが、皆さんはWebマーケティングにどのようなイメージを持っていますか?
パソコンさえあればどこにいてもできる、費用対効果が数字でわかる、ベンチャー企業が多い、といった印象があるかと思います。
入社する前の私はWebマーケティングに対して、エンジニアによって日々新しい技術が開発されている、労働時間が長い、渋谷のオフィスに私服で働く若い人が多い、といったメージを持っていました。
しかし、実際に働いてみて、私のイメージは、細い作業が多く、泥臭く、営業では競合他社が多いため、非常に厳しい世界だということがわかりました。ですが、その中に計り知れない面白さと必要性も感じています。
なぜ、私がこのように考えているか、次の章からWebマーケティングの魅力について詳しくご紹介します。
2.Webマーケティングの魅力
この章では、Webマーケティングの魅力をご紹介します。そのために現状と特徴を簡単に見てみましょう。
日本の市場規模
電通が発表した情報によると、2019年の総広告費は7兆円弱であり、インターネットの広告費は2兆1000億円、テレビの広告費が1兆8000億円と、初めて両者の関係が逆転しました。
実際に、私もテレビCMよりYouTube広告の方を長く閲覧しているような気がします。
実際に、働く人の観点ではどうでしょうか。
正直に言うと、よく噂にされている通り労働時間が長い、営業が大変といった点はあります。
しかし、伸びている業界に身を置くことは非常に楽しく刺激的です。実際、お客様とお話をすると、会社レベルでWebに注力していきたいと考えている方が多いので、今後もより伸びる可能性を秘めていると感じます。
また、2018年の総務省の報告によると、日本でのインターネットの利用率は79.8%と発表されました。その中でも端末別にみると、パソコンが48.2%に対してスマートフォンは59.5%でした。つまり、今まで以上にネット広告や検索エンジンが身近になっていると考えられます。
例えば、ユーザーはインターネットを使うたびに広告を目にしています。気づいていない広告もたくさんあります。そういった広告を目にしながら、私たちは、インターネットで物を購入します。
私も入社前までは全くWeb広告を気にしていませんでした。そもそもどれがWeb広告なのかも知りませんでした。
しかし、Webマーケティングを勉強して、今まで何気なく見ていたWebページがマーケティングの一部と知り、いかにWebマーケターが顧客の購入までの道筋や心理状態を細かく分析しているかを知りました。
Webマーケティングの特徴
では、具体的に私が感じたWebマーケティングの4つの特徴をお伝えします。
①.ターゲティング
これは簡単に言うとWebサイトを見るユーザーによって見せる広告を変えることです。
テレビや電車の広告は、誰に対しても同じ広告を見せることしかできませんが、インターネット広告では、ユーザーがアクセスした履歴がわかるため、閲覧するユーザーごとに見せたい広告を表示することができます。
よくよく考えてみると、これはすごい技術だと思います。
確かに、プライバシーの観点から考えると疑問視されることもあります。私も最近Webサイトを閲覧している際によく見る「Cookie」に同意するボタンは押したいとは思いません。しかし、どのユーザーにどういった広告を見せるかを考えることは非常に面白い仕事です。
②.リアルタイム
Webでは、広告を何回表示したか、そのクリック率は何%であったか、購入までにどのサイトを見たかなど、ほぼ全ての情報が瞬時にわかります。
そのため、最適な金額で、最適な広告を、最適なユーザーに出すことができます。Webではこれを、1秒以内に行えるのです。
最適な広告を最適な価格で出すことができる。ケチな私にとっては、非常に相性がいい手法だと思います。
③.低コスト
例えば、15秒のテレビCMを1回流すためには約100万円の費用がかかると言われています。(テレビ局や時間帯にもよりますが…)また、電車のつり革広告においても1週間掲載するためには数百万円の費用がかかります。
一方、Web広告では理論上は1円から始められる広告も多くあります。もちろん1円で効果がでるとは限りません。しかし、社内のリソースが限られており、テレビCMを出すことが難しい企業にとっては、Web広告は圧倒的に低コストで広告出稿が可能です。
④.効果測定
Webの世界では、どこのページに何回広告を出して、それが何回クリックされたか、そのうち何人が購入まで至ったかなど、ほぼ全ての数字がわかります。
テレビCMや電車の車内広告では正確な費用対効果を出すことは難しいですが、Web広告では、はっきりと数値がわかりますので、費用対効果を正確に把握することができます。
3.主なWebマーケティングの手法4つ
では、Webマーケティングの特徴を踏まえた上でどのような手法があるかを見てみましょう。この章では、よく用いられるWebマーケティングの手法を簡単にご紹介します。
SEO
Search Engine Optimizationの略であり、直訳すると検索エンジン最適化です。簡単に言うと、Googleの検索結果の表示順位を上げる手法です。
検索画面の上位に表示することができると、広告を出稿しなくても、Webサイトに多くの流入数を確保できます。最近では、優良なコンテンツをサイト内に継続して掲載するコンテンツマーケティングの一環としてSEOが行われています。
Web広告
Googleの検索エンジンで検索した際に表示されるキーワード連動型広告やWebメディアにバナーを掲載する広告です。
例えば、検索結果画面の上から4つ目までに、「広告」の小さな文字を付けて表示するリスティング広告や、ヤフーなどのポータルサイトなどにバナーに表示する純広告などがあります。
即効性が高く、簡単に運用することができ、リソースが少ない企業にはおすすめの手法です。ただ、人気の枠ではコストがかかるため、ある程度ノウハウを持った企業に依頼する方が良いでしょう。
Web接客ツール
サイトに訪れたユーザーに対して表示するポップアップ式のバナーや、チャットボットのことです。
メリットとしては、サイトからの離脱を防げる、購入を促すことができるといった点が挙げられます。他にも、サイトに訪れたユーザーの分析を行うものがあり、訪れたユーザーごとに対応できるため、多くのWebサイトで導入されています。
CRM
Customer Relationship Management の略で、直訳すると顧客関係管理です。簡単に言うと、一度購入したユーザーにメールマガジンなどを配信することでコミュニ―ケーションを深め、リピーターやコアユーザーになってもらうための手法です。
戦略的に行うことで、客単価やリピート率の向上を図ることができます。
4.まとめ
Webマーケティングは、企業がWebを用いて商品が売れるしくみを作ることです。新卒で入社する前の私は、Webマーケティングに対して一言で言うと華やかなイメージを持っていました。しかし、実際に働いてみると数字に細かく、泥臭いイメージに代わりました。
Webマーケティングの市場規模は年々増加しており、今後も多くの企業が注力していくことが予想されます。ターゲティングがしやすく低コストで始めることができる点は今までになかった魅力的なポイントです。
今回は具体例として、SEO、Web広告、Web接客ツール、CRMをご紹介しました。これはほんの一部であり、他にも多くの手法があります。
また、Webマーケターの魅力として、私はビジネスを考える力がとても身につくと考えています。これは、Webマーケティングのお客様がほぼすべての業界になるためです。実際に働いてみて、色々な業界のお客様について考えることは本当に楽しいと気づきました。
今、Webマーケティングの世界へ一歩踏み出してみてはいかがでしょうか。