ターゲティング広告とは、その名の通りターゲット設定して配信するWeb広告のことです。広告配信技術の向上により今や当たり前となったターゲティング広告ですが、ターゲットを絞り込む方法には様々な種類があり、使いこなすのは簡単ではありません。
この記事では、ターゲティング広告の概要と導入するメリット、ターゲティング広告の種類と特徴について解説します。
1.ターゲティング広告ができること
ターゲティング広告とはそもそもどのような広告なのか、概要やメリットを解説します。
ターゲティング広告とは?
ターゲティング広告は、ターゲットを設定して配信するWeb広告のことです。閲覧ページやクリックした広告、検索キーワードなど、ユーザーの行動履歴などを元にして、最適な広告を配信します。
例えば、財布を購入しようと財布について検索したり、財布のECサイトに訪問したりした後、一定期間財布の広告が表示されたような経験はないでしょうか?
それは、その広告を配信している事業者が、「この人は財布がほしいと考えているはずだから、財布の広告を配信したら買ってくれる可能性が高いはず」とみなしたうえで、財布の広告を集中的に配信しているためです。
ユーザーの行動履歴は、ブラウザのCookieや広告識別子などに紐づいた情報が使用されます。実際にパソコンを使用している“人”を識別しているわけではないため、誰かとパソコンを共有している場合は、ターゲットに広告が届かない可能性があります。
企業側のメリット
ターゲティング広告は、特定の分野に興味、関心を持つユーザーに絞って配信できるため、クリックしてもらえる確率が高く、CVにもつながりやすいことがメリットです。
興味のないユーザーに広告を配信した場合、無駄なコストがかかってしまうことが考えられますが、ターゲティングすることによってニーズを持ったユーザーのみに配信できるため、無駄打ちを減らして費用対効果を高めることにもつながります。
多岐にわたるターゲティング広告の種類
ターゲティング広告には、実に多くの種類があります。リターゲティングや位置情報をもとにするジオターゲティング、IPアドレスをベースにしたエリアターゲティングなど、ターゲティングする相手も手法も様々です。今回はその中から、よく使われる下記の3つについて解説します。
- オーディエンスターゲティング
- コンテンツターゲティング
- デモグラフィックターゲティング
2.オーディエンスターゲティング
オーディエンスターゲティングとは、広告枠ではなくユーザー(オーディエンス)を狙い撃ちして配信することを指します。広告出稿主は、ユーザーの興味分野や検索キーワードなどを指定できます。
例えば、あるユーザーが北海道旅行を計画して北海道のホテルについて調べていた場合、ニュースサイトやショッピングサイトを閲覧しても、北海道のホテルに関する広告が多く表示されるようになります。
これは、ユーザーが北海道のホテルに興味関心を持っていると判断し、関連する広告を表示するオーディエンスターゲティングのひとつです。
オーディエンスターゲティングの中でも特によく利用されるのが、リターゲティング広告でしょう。
一度Webサイト・アプリに訪問したことがあるユーザーをピンポイントで追うリターゲティング広告は、興味関心が高い層をターゲットにできるため、コンバージョン率(CVR)や費用対効果が高いのが特徴です。
3.コンテンツターゲティング
指定したキーワードや、トピックに関連するWebサイト・アプリに表示するのが、コンテンツターゲティングです。広告を表示するWebサイト・アプリ自体を指定することもあれば、Webサイト内の特定のカテゴリを指定することもあります。
例えば、様々な属性のユーザーが訪れるニュースサイトで、スポーツや国際といったコンテンツの中身を問わず広告を配信すると、無駄打ちが多くなってしまいます。
そこでコンテンツターゲティングを行い、女性ユーザーの訪問が多い美容関係のニュースコンテンツにはコスメやダイエットの広告を配信すると、訴求効果が高くなり、クリック率の向上が見込めます。
指定したキーワードでの広告枠を奪い合うリスティング広告と比較すると、コンテンツターゲティングでは指定キーワードに関連する無数のWebサイトやアプリに表示できるため、ユーザーとの接触機会が多くなります。そのため、トラフィックの増加やクリック単価の抑制を見込めることが嬉しいポイントです。
4.デモグラフィックターゲティング
デモグラフィックターゲティングは、ユーザーの年齢や性別、地域、OS、使用デバイスなどの属性を絞り込んで配信するWeb広告です。ユーザーの属性は、GoogleアカウントやSNS登録時に入力した情報、Webサイトの閲覧履歴、行動履歴などに基づいて判別されます。
ユーザー属性を絞り込めると、自社のターゲットとするユーザーだけに向けて、効率的に広告を配信できることがメリットです。
例えば、自社のサービスが都心に住む20代の女性向けであった場合、デモグラフィックターゲティングでユーザー属性を絞り込むことで、ターゲットにピンポイントでアプローチできます。
ただし、あまりにターゲットを絞りすぎると、インプレッション数が少なくなる、潜在顧客へのアプローチの機会が減るといったデメリットもあります。ターゲット層と近い属性のユーザーには入札単価を調整して広告を配信するなど、柔軟に運用することが必要です。
5.まとめ
ターゲティング広告は、自社の商品やサービスに興味関心のあるターゲットに絞り込んでアプローチできるため、CVRの向上が期待できる、費用対効果が高い施策です。
ターゲティング広告にはさまざまな手法があるため、自社にもっとも適した手法を見極めて導入を検討するようにしてください。