Webサイトを運営していると、コーポレートサイトとサービスサイトで同じ商品紹介ページを掲載するなど、全く同じページをコピーして使うケースがあります。また、[www.xxx.jp]や[www.xxx.jp/index.html]で、同じトップページに遷移するようなケースもでてくるはずです。しかし、何も対策していないと検索エンジンに重複コンテンツとみなされて、適切に評価されなくなる可能性があります。
このような場合は、「canonicalタグ」を用いて対策しましょう。
今回は、canonicalタグの使い方や注意点、SEOに重要な理由について解説していきます。
1.canonicalタグとは?SEOに重要な理由
canonicalタグは、Webサイトにある重複コンテンツの中で、どのページを最も優先させたいのか検索エンジンに知らせる(正規化する)タグです。
例えば、同じページに複数のURLからアクセスできる場合や、別ページでも内容が類似しているケースでは、検索エンジンに重複コンテンツとみなされて、クロール頻度の減少やページが評価されない可能性があります。
canonicalタグを用いて正規化することで、重要なページのみがインデックスされ、重複コンテンツに分散した評価をまとめられるようになります。
2.canonicalタグを使うべき場面
実際にどんなケースでcanonicalタグを使うのか、3つ紹介していきます。
ECサイトで類似した商品ページが複数ある場合
オンラインショップで、同じ商品でも色違いやサイズ違いでページを分けているケースがあります。この場合、優先してインデックスしたい商品ページを選定し、それ以外のページが重複していると認識してもらえるようにcanonicalタグを使います。
スマホ用サイトとPC用サイトでURLが異なる場合
スマホとPCでWebサイトを分けている場合もcanonicalタグが必要です。それぞれ別URLにもかかわらず、同じページに遷移するからです。
このケースではcanonicalタグとともに、alternateタグも使います。まず、alternateタグをPC用サイトに設定すると、クローラーにスマホ用サイトの存在を認識してもらえます。そのうえで、スマホ用サイトにcanonicalタグを記述すると、PC用サイトのスマホ版であることを知らせられます。
最後に、ユーザーのデバイス別にPC用サイト・スマホ用サイトでそれぞれ対応するページにリダイレクトするように設定すれば完了です。
httpsとhttpがある場合
同じコンテンツにおいても、httpsとhttp、wwwありとなしのURLが存在しているときがあります。この場合は、canonicalタグでURLの正規化を行いましょう。
3.canonicalタグの記述方法
canonicalタグの記述方法についても見ていきましょう。
canonicalタグの記述方法
canonicalタグは重複ページのhead要素内に、以下のように記述します。
<link rel=”canonical” href=”https://~~~~~”>
</head>
「~~」内には正規ページのURLを記載します。クローラーはページの情報を上から下へと読み込んでいくため、なるべくソース上部に設置するのがポイントです。また、くれぐれも正規としたいページのhead内にcanonicalタグを追加しないよう注意が必要です。
canonicalタグのチェック方法
サーチコンソールのURL検査ツールでcanonicalタグが正しく実装されているか確認できます。カバレッジの「インデックス作成」に正規ページのURLが表示されていれば問題ありません。
4.canonicalタグのよくあるミス
Googleのウェブマスター向け公式ブログでは、以下の5つがcanonicalを設定する際によくある間違いとして紹介されています。
- 複数ページにまたがるコンテンツの1ページ目をrel=canonicalのリンク先とする
- 絶対URLのつもりで相対URLを記述してしまう
- rel=canonicalを意図しない形で指定している、または2つ以上指定する
- カテゴリページまたはランディングページで特集記事へのrel=canonicalリンクを指定する
- <body>タグ内にrel=canonicalを入れる
上記のミスをすると重複ページではないにも関わらずインデックスされなくなってしまったり、意図していたものとは異なるページが正規化されてしまったりするため注意しましょう。
5.まとめ
複数のページで内容が類似していたり、ひとつのページに複数のURLからアクセスできる状態だと、検索エンジンに重複コンテンツとして見なされてしまい、意図しないページに評価が集まったり、評価を集めたいページのクロール頻度が減ってしまうことがあります。
このような場合には、canonicalタグで正規版としたいページのURLを指定しましょう。ただし、caconicalタグは正規版ではないページのhead要素内に記述するという点には注意が必要です。
また、Googleのウェブマスター向け公式ブログで紹介されている代表的な間違いについても気を付けましょう。