サイトリニューアルを考えている企業のなかには、「他社がリニューアルをしたから」「デザインが古くさい」など、なんとなくリニューアルしたほうがいいのでは…と考えている企業もあるのではないでしょうか。
しかし、ぼやっとした動機のみでリニューアルを進めてしまうと、方向性が定まらず成果の出にくいWebサイトになってしまいます。社内で事前に目的やスケジュールなどをすり合わせることが重要です。
そこで、この記事ではサイトリニューアルに失敗しないための確認事項5つをご紹介します。
1.サイトリニューアルで事前に確認しておきたいこと
サイトリニューアルを進める時は、あいまいさを除外し、社内での認識をきちんと統一してスタートさせることが大切です。
チーム全体の認識をひとつにするために確認しておきたいポイントは、大きく分けて5つあります。
- Webサイトの現状(課題)
- サイトリニューアルの目的と目標
- ペルソナ
- 競合調査
- 予算とスケジュール
次章から1つずつ詳しく見ていきましょう。
2.Webサイトの現状(課題)【確認事項1】
サイトリニューアルを始める前にまず確認しておきたいのは、Webサイトの課題点です。
サイトリニューアルを検討する多くの方は、現状のWebサイトに何らかの不満を持っていると思います。その場合、「セッション数が増えない」「コンバージョン率が低い」など、「なんとなく抱いている不満」を言語化して課題を洗い出し、その課題の解決策としてサイトリニューアルが適切かを考える必要があります。
自社サイトの課題分析方法には、ヒューリスティック評価やベンチマーク調査といった主観的に課題点を洗い出す方法がありますが、どうしても自社目線でWebサイトを見てしまうため、うまく課題点を見つけられないことがほとんどです。できる限り、外部に委託する、アクセスログなどの客観的なデータを活用するといった方法をおすすめします。
課題点がわかれば、解決策もある程度考えられます。例えば、商品カテゴリが複雑で商品に辿り着きにくいのであれば、商品カテゴリを作り直すという解決策が適切です。ひとつひとつ解決策を考えていくと、大掛かりなリニューアルが必要ないケースもあります。そのため、課題分析はとても重要なのです。
3. サイトリニューアルの目的と目標【確認事項2】
Webサイトの課題を洗い出せたら、次にサイトリニューアルの目的と目標を明確にしていきます。目的と目標は抽象的な言葉を使わず、詳細に言語化しないと、チーム内で方針のずれや意見の相違が出てくる可能性があるので注意が必要です。
【確認事項1】で分析した課題と解決策をもとに、解決後のWebサイトのイメージを目的としましょう。目的を達成するための手段・通過点である目標もあわせて考えます。
<例>
課題:検索エンジンからの流入が少ない
解決策:SEO施策を行う、商品カテゴリを整理する、サイト設計を見直す
目的:検索エンジンからの流入を増やす
目標:検索エンジンからの流入数を前年比150%にする、「○○」というKWで5位以内に入る
サイトリニューアルの目標は、効果検証ができるように数値指標を立てるようにしてください。目標を数値化しておけば定点観測できるようになり、目的を達成するためのPDCAも回しやすくなります。
4.ペルソナ【確認事項3】
Webサイトのユーザーを可視化することも大切です。メインターゲットとなるユーザーの属性やインサイト(心理)を細かく設定し、その人が使いやすいWebサイトを目指します。
ペルソナを明確化し、制作会社やチーム内で共有しておけば、意思決定のたびに判断軸がぶれたり、手探りで進めたりすることがなくなります。
ペルソナを設定したら、コンバージョンシナリオも作ることをおすすめします。コンバージョンシナリオとは、ペルソナがどのようにWebサイトを訪れ、サイト内をどう回遊して購入まで至るのかを図式化したものです。
仮説があれば、「実績ページがほしい」「グロナビにニュースリリースはいらない」といった意思決定の判断材料になります。
5.競合調査【確認事項4】
サイトリニューアルをするときには、競合調査も行いましょう。競合他社のWebサイトを調査して、真似るべき点、改善すべき点をピックアップします。
ユーザーは商品やサービスと購入するとき、自社サイトだけを見るとは限りません。競合他社を含めた複数の選択肢のなかから、比較検討したうえで意思決定します。
自社の強みや特徴を認識していないと、Webサイト上でも自社のユニークな点をアピールできず、ユーザーに選ばれにくくなってしまいます。競合調査を通して、自社が持っている強みと独自性を発見するようにしてください。
6.予算とスケジュール【確認事項5】
最後に、サイトリニューアルの予算とスケジュールを決定します。
よくある間違いが、「いくら予算が取れるか」「いつまでに完成させたいか」から逆算してリニューアル内容を決めることです。予算ありき、期限ありきでサイトリニューアルを進めると、目的がずれ、目標を達成できないWebサイトになってしまうことがあります。
サイトリニューアルをするときには、目的と目標を明確にし、それを達成するために必要な予算と期間を最後に算出するようにしましょう。
7.まとめ
サイトリニューアルは、なんとなくスタートしてしまうとうまくいきません。現状から課題を洗い出し、きちんと目的や目標、そしてペルソナを明確にしたうえで進める必要があります。
リニューアルをスタートする前に、今回ご紹介した5つの確認事項を、必ずチェックするようにしてください。