ECマーケティング株式会社(本社:東京都港区、代表:中山高志)は、企業のマーケティング支援で15年以上の実績を持つwebコンサルティング会社として、SEO担当者208名を対象に自主調査を実施しました。本記事で全調査結果をご覧いただけます。
調査の背景と目的
生成AIの普及により、従来の検索エンジン経由の情報接触だけでなく、ChatGPT・Gemini・PerplexityなどAIエージェントを介した情報探索行動が急速に一般化しています。
その結果、Webマーケティング領域では「検索順位を上げるSEO」だけではなく、「AIに正しく理解・引用・推薦されるためのサイト設計」が新たな論点として浮上しています。
一方で、LLMO・AIOという概念自体はまだ定義やベストプラクティスが発展途上であり、現場では「何をやればよいかわからない」「SEOと何が違うのか整理できていない」「効果測定方法が定まっていない」といった混乱も発生しています。
今回の調査では、Web担当者が現在どの程度AI対応を認識しているのか、またSEO・UIUX・コンテンツ戦略との関係をどう捉えているのかを明らかにすることで、今後のWebマーケティングの変化方向を把握することを目的としています。
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伊藤 肇
【Webly編集部】執行役員 兼 シニアコンサルタント
2000年からデジタルマーケティング業界で、大手企業のウェブマーケティングを支援。Googleアナリティクスが生まれる前、2002年にサーバーの生ログを集計して「アクセスログ解析」をレポート。2006年にサイバーエージェント、アルベルト(現アクセンチュア併合)を含め業界をリードする各社を招待して「コンバージョンアップサミット」を主催。以降、800プロジェクトのサイトユーザビリティ改善に携わる。
2025年11月5日REAL VALUE(リアルバリュー)にプレゼンターとして出演。堀江貴文氏のYouTube ホリエモンチャンネルにて公開中。
調査概要
調査回答者:国内20代~60代の有職者(SEO業務経験者)
有効回答数:208名
調査期間:2026/4/6~2026/4/7
調査機関:ECマーケティング株式会社 調査方法:インターネット調査
本調査の回答者属性補足:
年齢層は30代〜50代が中心で、現場実務と意思決定の両方に関わる層が多く含まれている点が特徴です。SEO歴については「1〜3年未満」が最多であり、比較的新しい世代のWeb担当者が多い一方、一定数の中堅・ベテラン層も存在しているため、現場実務感と中長期視点が混在した回答傾向となっています。



本調査のエグゼクティブ・サマリー

執筆者コメント
今回の調査で、SEO業務経験者(n=208人)でもLLMO・AIOをよく知っていて説明できる、と回答したのはわずか22%で、知識不足で打ち手がわからない、と回答したのも46%と約半数をしめていました。
日々トレンドが変わり、本来いちばん情報の早いポジションであるSEO担当者ですら情報をキャッチアップできていないという現状が浮き彫りになりました。
これは、現場担当者であればあるほど、日々の業務に追われ、新しいトレンドを追うことができないという側面があるため、今回のようにとくに変化の激しい場面で起こり得ることです。
対応策としては、現場任せにするのはなく、管理部門のトップレベルあるいは経営層から、トップダウンで、時代を先読みして、情報をキャッチアップするための予算を確保し、外部の専門家を適切に選ぶなどの対応が求められます。一方で、外部の専門家であっても、適格な情報をキャッチアップできてない事業者が多いことも事実なので、選定については、一定のケーススタディを保有し、トレンドの先読みがあると考えられる専門家にアプローチすることが求められます。
本調査:全19問
設問1: あなたが業務でSEOに携わったトータルの期間を教えてください。

SEO業務経験は「1~3年未満」が49.7%で最多となり、次いで「3~5年未満」が25.7%でした。回答者は初級~中堅層が中心で、現場で学びながら対応している層が多いと考えられます。
一方で、AI対応は経験則だけで解決しづらいため、従来SEO経験の長短を問わず再学習が必要になる可能性があります。
設問2: あなたは、LLMO・AIOという考え方をどの程度知っていますか。

LLMO・AIOを「よく知っていて説明できる」「ある程度知っている」と答えた層は合計63.9%でした。一方で「説明できる」レベルはSEO経験者であってもわずか2割程度にとどまっており、概念認知先行型の市場であることがうかがえます。
クロス分析①SEO歴 ×理解度

SEO経験が長い層ほどLLMO理解度が高い傾向が見られ、検索アルゴリズム変遷を経験してきた層ほどAI変化への感度も高いことが示唆されます。
設問3: あなたのお勤め先では、SEOをどの程度重視していますか。

勤務先でSEOを「非常に重視」「やや重視」している回答は83.3%に達しました。多くの企業でSEOは重要施策として位置付けられており、LLMO・AIOもその延長で関心を集めやすい状況です。
設問4: あなた自身は、LLMO・AIOを従来のSEOと比べてどの程度別物だと感じますか。

LLMO・AIOをSEOと「かなり別物」「やや別物」と感じる回答は80.4%でした。従来SEOの延長ではなく、新しい考え方や運用体制が必要と受け止められている様子がうかがえます。
クロス分析②SEO歴 × 別物度

経験年数が長いほど「SEOとは別物」という認識が強く、従来SEOの延長では対応困難という感覚が強まっています。
設問5:従来のSEOと比較して、LLMO・AIOは難易度がどう変化すると感じますか。

LLMO・AIOについて「かなり難しくなる」「やや難しくなる」と感じる回答は68.7%でした。AI対応は重要だと認識されつつも、実務上は従来SEOより複雑な領域として捉えられています。
クロス分析③SEO歴 × 難易度

「かなり難しくなる」と感じる層は、SEO経験5~10年未満の比率が18.5%と全体より高めでした。経験を積んだ層ほど、AI対応の複雑さや実装難度を認識していて、既存SEOノウハウがそのまま通用しない不安が背景にあると考えられます。
設問6: LLMO・AIO対応で、従来より重要になると感じるスキルは何ですか。

重要スキルは「SEOの技術知識」48.6%、「構造化データの知識」41.3%、「分析・効果測定力」37.4%が上位でした。AI時代でも基礎的なSEO技術とデータ活用力が重視されています。
クロス分析④SEO歴 × 必要スキル

必要スキルは多くの回答でSEO経験1~3年未満が中心ですが、生成AI活用スキルでは3~5年未満も32.7%と高めです。一定の経験者ほど構造化データや分析力への重視が強く、AI時代では技術理解とデータ活用能力が重要になる認識が高い結果となりました。
設問7: LLMO・AIOに関する情報収集は、主にどこから行っていますか。

情報収集源は「検索エンジン公式情報」47.5%が最多で、「AIエージェント」38.5%、「海外メディア」38.0%が続きました。公式情報とAI・海外情報を組み合わせる姿勢が見られます。
クロス分析⑤SEO歴 × 情報源

AIエージェントや海外メディアを情報源にする層では、3~5年未満の比率も比較的高くなっています。中堅層が公式情報だけでなく、新しい情報収集手段を併用している様子が見られます。
設問8: AIの普及でSEO(クローラビリティ)とUIUX(ユーザビリティ)の境界線は曖昧になってきたと感じますか。

SEO(クローラビリティ)とUI/UX(ユーザビリティ)の境界線が曖昧になってきたと感じる回答は78.8%でした。検索対策だけでなく、情報の分かりやすさや使いやすさもAI時代の評価要素として意識されています。
設問9:どの領域でSEOとUIUXの境界線が曖昧になっていると感じていますか。(複数回答)
※前項で「曖昧と感じる」と答えた人のみ

境界線が曖昧な領域は「レビュー・第三者評価の充実度」63.8%が最多でした。商品・サービス情報、表示速度、ナビゲーション構造など、信頼性と体験品質の両面が重視されています。
設問10:LLMO・AIOに取り組むうえで、現在の課題は何ですか。 (複数回答)

課題は「知識不足」46.4%が最多で、「予算不足」35.8%、「優先順位が低い」31.3%が続きました。関心はあるものの、社内で実行に移すための理解・体制・予算が不足しています。
設問11: 今後1~3年で、LLMO・AIOは企業のWebマーケティングにどの程度影響を与えると考えますか。

今後1~3年でLLMO・AIOがWebマーケティングに影響すると考える回答は79.9%でした。短期的な流行ではなく、企業サイト運用に影響するテーマとして受け止められています。
設問12:今後1~3年でSEO担当者に求められる役割はどの方向に広がると考えますか。(複数回答)

SEO担当者の役割は「UIUX改善まで広がる」48.0%、「AI活用推進まで広がる」46.9%が上位でした。SEO担当者には、集客だけでなく体験設計やAI対応の推進役が期待されています。
設問13:「AIが特定のサービスや製品、企業を推薦する」という場面を、業務上の課題として意識していますか?

AIが企業やサービスを推薦・言及する場面を「課題と思うが取り組めていない」回答が54.7%で最多でした。問題意識はあるものの、具体施策に移せていない企業が多い状況です。
設問14:AIエージェント(ChatGPT・Gemini・Perplexity等)があなたの会社名、サービス・製品などを推薦・言及しているか確認したことはありますか?

AIによる会社名・サービス名の言及確認は、複数AI・異なる質問で定期確認する回答が44.6%でした。AI上での見え方をモニタリングする動きは一部で始まっています。
設問15: 現在、お勤め先のWebサイトのLLMO・AIO対応として実施していることはありますか?(複数回答)

実施施策は「ページ情報の明示性・具体性の改善」46.4%、「見出し階層・コンテンツ構造の見直し」44.7%が上位でした。まずは既存コンテンツの整理・明確化が中心です。
設問16:ユーザビリティ改善(UI/UX)は、AIO・LLMO対応でも効果が期待できると思いますか?

UI/UX改善がAIO・LLMO対応にも効果的と考える回答は86.0%でした。ユーザーに分かりやすいサイト設計が、AIにも認識されやすい情報設計につながると見られています。
設問17:サイトUI/UX改善の知見・資産が「AIに評価されるサイト設計」にも活きると聞いたら、どう感じますか?

UI/UX改善の知見がAI評価にも活きると聞いた場合、「興味があるが優先度が上がらない」が50.3%でした。関心は高い一方で、社内の優先順位化が課題です。
設問18:お勤め先のサイトのAI対応状況について、あなたの感覚で評価してください。

自社サイトのAI対応は「ある程度対応できている」が58.1%で最多でしたが、「ほとんど対応できていない」24.0%も一定数あります。自己評価は分かれ、実態把握の必要性があります。
クロス分析⑥自社の対応度 ✕ 取り組み施策

「十分に対応できている」層では、構造化データ整備68.0%、ページ情報の明示性改善72.0%が高くなっています。AI対応の自己評価が高い企業ほど、情報構造の整備に取り組んでいます。
設問19: どのような支援があればLLMO・AIOに取り組みやすくなると思いますか。(複数回答)

必要な支援は「実践ガイドライン」54.2%が最多でした。成功事例やKPI設計よりも、まず何をどう進めるべきかを整理した実務的な手順へのニーズが高いと考えられます。
まとめ
今回の調査では、多くのWeb担当者が「LLMO・AIOは今後大きな影響を与える」と認識している一方で、実務面ではまだ手探り状態にある実態が明らかになりました。
特に注目すべきなのは、AI時代においてSEOとUIUXの境界線が曖昧になっているという認識が広がっている点です。従来は「検索エンジン対策」と「ユーザー体験改善」は別領域として扱われるケースも多くありましたが、AIがサイト内容や信頼性、体験品質を総合的に評価する時代に入り、その境界線が急速に薄れ始めています。
また、回答者の多くが「ページ情報の明示性」「構造整理」「信頼性情報の強化」などをAI対策として実施しており、これは従来のSEO施策よりも“理解されやすさ”を重視した方向へシフトしていることを示しています。
AIに企業名やサービスが推薦・言及される場面を課題として意識しながらも、実際には取り組めていない層が多く、知識不足・予算不足・社内理解不足が障壁になっています。UI/UX改善がLLMO・AIO対応にも有効だと考える回答が多いことからも、今後はSEO、コンテンツ設計、構造化データ、UI/UX、ブランド情報の整備を横断的に進める必要性が高まると考えられます。
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