コンテンツマーケティングの手法10選!種類別に解説【選び方・成功するポイント】

コンテンツマーケティング 手法 10種類をわかりやすく

コンテンツマーケティングとは、見込み客にとって有用な情報を提供し、問い合わせや商品の購入などのコンバージョンにつなげるマーケティング手法のことです。

スマホの普及など生活様式の変化により、近年より重要性が増してきています。しかし「コンテンツマーケティング」という名前を知っただけで、具体的にどんな内容・効果があるのか把握せずに取り入れようとしていないでしょうか?

コンテンツマーケティングではさまざまな媒体(メディア)を用いて発信を行います。自社サイトはもちろん、場合によっては動画サイトやメールなども利用してマーケティングを行うべきです。 この記事では、コンテンツマーケティングの手法を10種類に分けて詳細に解説し、どの種類を選ぶべきかプロの視点から詳細に解説します。

目次

【詳説】コンテンツマーケティングの種類10選

コンテンツの種類特徴・メリット向いている企業/サイト形式
記事コンテンツ文章メインのコンテンツ幅広い企業/サイトに対応
SEOコンテンツ検索流入を目的とする
事例コンテンツ利用イメージを明確にする比較・検討に時間がかかる商材を扱う企業
プレスリリース他社メディア経由で広報潜在層からのリードを増やしたい企業
LP1枚のページで訴求EC(通販)サイト
メルマガユーザを分類(セグメント)してメール配信既存顧客にアプローチしたい企業
ホワイトペーパー課題解決のための資料BtoB、専門性の高い商材を扱う企業
動画文字とは違う角度で情報を届けられる記事とは異なる方法でリードを獲得したい企業
ウェビナー双方向かつ大規模にセミナー発信見込み顧客とコミュニケーションを取りたい企業
SNS特定のターゲット層に訴求記事とは異なる方法でリードを獲得したい企業

①記事コンテンツ

Webサイト上にコラムなどの形で掲載された文章のこと。多くの場合は写真やイラストも入っていますが、大部分を文字が占めるコンテンツは「記事コンテンツ」とみなされます。

自社メディア(オウンドメディア)で発信する方法と他社の媒体(アーンドメディア)に載せてもらう方法があります。

当サイト「Webly」も記事コンテンツを発信するオウンドメディアです。

②コンテンツSEO

コンテンツSEOとは、検索流入を目的として行うコンテンツマーケティングのこと。基本的には記事の体裁をとることが多いので、記事コンテンツの一種とみなすこともできます。

コンテンツSEOにおいて重要なのは検索ニーズと企業の意図を結び付ける記事を制作できるかどうかです。

検索で入ってくるユーザーは何かしらの目的を持ってサイトを訪れているので、その目的(ニーズ)と自社商品を上手く結びつけることができれば、新規流入を効果的に増やすことができます。

安価かつ取り組みやすいためコンテンツSEOを導入する企業は年々増加していますが、流入に結び付かない・流入がコンバージョン(売上)につながらない事例も散見されます。

>>>コンテンツSEO運用についてはこちら<<<

③事例コンテンツ

商材を導入した顧客や企業にインタビューし、ユーザーに利用イメージを具体的に示すのが事例コンテンツです。

サイト上にインタビュー記事として掲載することが多いため基本的には記事コンテンツの一種と捉えても問題ありませんが、中には動画サイトやSNSなどを用いて事例を発信するケースもあります。

実際に商品を取り入れたお客様の声や実績を掲載することで、よりサービスの信頼性を上げることができます。

④プレスリリース

新商品発売のお知らせやイベント・アンケートの広報などを他社メディア経由で拡散するのがプレスリリースです。代表的なプレスリリースのサイトとしては「PR Times」が挙げられます。

記事コンテンツの形式をとるのが一般的で、アーンドメディアによる発信方法の一つと考えてよいでしょう。

プレスリリースに掲載してもらうことで別媒体のメディアに引用される、SNSで拡散されるなど、自社メディアでは得られない宣伝効果を得られます。

検索では出会えない潜在層に広くリーチできるのが大きなメリットです。

⑤ランディングページ(LP)

主に広告経由でアクセスしてきた顧客に対して1枚のページでサービス内容を伝えるページのこと。

記事コンテンツと類似していますが、画像や図を多用するため直感的にユーザーに情報を伝えられるのが特徴です。

また、他のページへのリンクが少なく、直接問い合わせや購入につなげる導線が多く、1枚でコンバージョンに誘導できるデザインが求められます。

WEB広告と併用し、広告流入とコンバージョンをつなぐクッション的な役割でLPを制作するケースも多いです。

>>>LP/サイト制作の制作実績<<<

⑥メルマガ

記事コンテンツなどを通じて登録した顧客に商品やキャンペーンについてなどの情報をメールで配信するのがメルマガです。Web黎明期から使われている古典的手法ですが、現在でも一定の人気があります。

基本的にはあらかじめ何らかの方法でリードを獲得する必要はありますが、登録者の情報(年齢・性別・役職など)が分かった状態で発信するため、特定のユーザーに配信するなどのコントロールができるのがメリットです。

メルマガの種類

  • セグメントメール:特定の条件で抽出したユーザーを対象に配信する
  • ステップメール:購買までの段階に応じて複数のステップに分け配信する
  • 休眠発掘メール:休眠顧客(一定期間購入がない既存顧客)に再度アプローチする

⑦ホワイトペーパー

顧客が抱える課題を解決することができるサービス、ソリューションを紹介する資料のこと。

現在では専門性の高いBtoB向け情報資料を指すのが一般的です。オウンドメディアやメルマガから資料をダウンロードできる導線を作り、主に自社サービスについて紹介します。記事コンテンツよりもユーザーが絞られるため、より詳しく専門的な内容にして顧客からの信頼度を高められます。

見込み顧客の情報を効率的に収集できるのが企業側のメリットで、顧客側も問合せよりハードルが下がって検討材料を集めやすいというメリットがあります。

資料はPDFやスライド形式になっていることが多いので、営業の説明資料や新入社員の研修資料に流用しやすいです。

⑧動画

  • YouTubeなどのメディアに公開する
  • 自社のコーポレートサイト・オウンドメディアに掲載する など

媒体がテキストか動画かという違いだけで、与える情報は記事コンテンツとそこまで差異はないでしょう。より時間当たりの情報量が多く、テキストや画像で説明しきれない情報を届けることができる場合もあります。

⑨ウェビナー

オンライン上で開催するセミナーのことをウェビナーと呼びます。通常のセミナーを開けなかったコロナ禍で急速に普及した主にBtoB向けの手法です。

ユーザーと双方向でコミュニケーションを取ることができるのが特徴で、オフラインでのセミナーと比較するとより大人数に向けて発信できます。

また、録画したウェビナーの映像を動画コンテンツとして公開することも可能です。

⑩SNS

X(Twitter)やInstagramなどのSNSでは話題性・拡散力のあるコンテンツを発信できるのが特徴です。

アカウントの運用は基本無料なので、安価で手軽に始められるのがメリットです。ただし、効果的な運用には他のコンテンツ同様一定のスキルが必要になります。

SNSによって特性が違うため、ターゲットによって使い分けるのも大切です。

  • Instagram:10代~40代くらいまでの幅広い層に訴求できるSNSに。インスタ経由で売上を出すには商品または企業のブランド力が影響しやすい。知名度の低い商品であればオファー(割引率など)の強さが必須ため、見誤らないように身の丈に合った活用方法を検討することが重要。
  • Facebook:ビジネスパーソン、BtoB向け。
  • X(Twitter):短期間での情報拡散に最適。ニッチで専門的な内容が反響を呼ぶことも。

単に企業アカウントを作って発信するだけでなく、SNSを通じて記事コンテンツに誘導するという手法もあります。

BtoB/BtoCはそれぞれ特徴が異なる

個人をターゲットにするBtoCと法人(企業)をターゲットとするBtoBではコンテンツマーケティングの戦略も若干異なってきます。

「顧客にとって価値ある情報を提供する」という基本的な考えは同じですが、購買までの検討期間や予算、メインとなる端末などの面で違いが生じることを覚えておきましょう。選ぶべきコンテンツの種類もBtoBかBtoCかによってある程度傾向が分かれます。

上記のイメージはあくまで傾向なのでもちろん例外もありますが、相手が個人なのか法人なのか意識したうえでコンテンツを選ぶのも大切です。

BtoB向けのコンテンツマーケティング戦略については「【BtoB企業特化・事例あり】コンテンツマーケティングの特徴・成功のコツを解説」でも詳しく説明しています。興味のある方はぜひ参考にしてください。

コンテンツマーケティングにおいて種類選びは重要

思い付きでコンテンツを作ってみても発信する内容が伴っていなければ効果は出ません。見込み顧客に有益な情報を分かりやすく届けるには適切な種類のコンテンツを選ぶ必要があります。

種類の選び方について詳しくは後述しますが、まずはユーザーが商品を知ってから購入するまでの態度変容を4つのプロセスに分けて考えてみましょう。それぞれのコンテンツがどの段階に向いているのか理解しやすくなると思います。

認知:企業・サービス・商品について知る

興味・関心:商品・サービスについて興味を持つ

比較・検討:購入後のイメージを持ち、他社サービスと比較する

購入:購入を後押しする

それぞれのコンテンツごとに届きやすいプロセスを分類・図示すると、以下のようになります。

上の図で示しているコンテンツごとのカバー範囲はあくまで一例ですので、発信方法や内容によってはもっと幅広い層にリーチできる場合もあります。

一般的に手広く訴求しやすいのは記事コンテンツですが、当然どんなターゲットに届けたいかによって内容が変わってくる点には注意が必要です。

【4ステップ】コンテンツマーケティングの種類を選ぶ方法

どのようなコンテンツを制作するべきか分からない場合はまずマーケティングとしての戦略を練るところから始めてみましょう。その過程でおのずと利用するコンテンツが決まっていきます。

①コンテンツマーケティング全体の目標を設定する

コンテンツマーケティングの最終的な目的は「自社の課題解決」です。現状のサービスが抱える問題点・改善できるポイントを洗い出し、その課題を解決することを全体の目標とします。

コンテンツマーケティングによってどんな課題を解決したいのか明確にすることが重要。

コンテンツ制作に関わる全員が同じ目標を持てるよう、具体的な目的と目標をドキュメント化して共有するのもおすすめです。

課題:ECサイトへの流入が少なく新規顧客・売上が増えない(食品業界)

具体的な目標:ECサイトの売上20%アップ

②顧客のイメージを明確にする

的確な情報を発信するために、まずはターゲットとなる層を明確にしましょう。顧客像としてペルソナを設定し、「顧客が何を知りたいか」を分析するのがおすすめです。

>>>ペルソナの設定方法について詳しくはこちら<<<

コンテンツマーケティングで重要なのは顧客の情報ニーズです。何を知りたいのか、商品についてどの程度認知しているのか理解するためのプロセスなので、作りこみ過ぎないよう注意しましょう。

ペルソナを設定するときは、状況や周囲の環境も一緒に考えてみてください。リーチしやすい媒体・方法は人によって異なるので、細かい生活の文脈を分析することで選ぶべき種類が見えてくる場合もあります。

  • 50代女性
  • 高血圧が心配、対策方法を知りたい
  • 分からないことはスマホで検索している

③顧客の行動を分析する

設定したペルソナの人物が購入までに取る行動(態度変容)を「認知」「興味・関心」「比較・検討」「購入」で分けて考えます。態度変容のフェーズごとに情報を整理するカスタマージャーニーマップを作ってみるとよいでしょう。

1. 認知:高血圧が心配。SNSで高血圧対策のドリンクがあることを知る。

2. 興味・関心:検索経由でコラムや商品サイトへアクセス。製品の効果などを知る。

3. 比較・検討:外部サイトの口コミを見て類似製品と費用・効果を比較。

4. 購入:ECサイトに会員登録、購入。

各プロセスでどのようなコンテンツと接点があるのかも書き出してみます。カスタマージャーニーマップ内にアクション(施策)を落とし込んで整理するのも有効です。

①で設定した課題と照らし合わせ、どのプロセスを強化するコンテンツを制作していくべきか検討しましょう。

Q.どの種類から始めるべきか

コンテンツマーケティングを始めるなら、小さく/部分的に始めて徐々に拡大させることをおすすめします。最初は購買プロセスの中で強化したい段階に焦点を当てて考えていくのがよいでしょう。

当初の課題は「ECサイトへの流入が少なく新規顧客・売上が増えない」なので、「認知」「興味・関心」のプロセスを強化するとよいでしょう。

検索流入から自社製品に合ったユーザーを増やすSEOコンテンツを取り入れるのがコスト・取り組みやすさから考えてもおすすめです。

④KPI(数値目標)を設定する

KPIは「Key Performance Indicator」の略。最終的な目標を達成するのに必要な具体的数値目標を指します。

コンテンツの方向性が決まったらKPIを設定するのも大切です。エンゲージメント(顧客と企業の信頼関係)の向上を意識した数値を設定できるとよいでしょう。

ページビュー(PV)数を3ヶ月で1.5倍に

ユニークユーザー(UU)数を1年で160%アップ など

設定するKPIはプロセスごとに異なるため、複数の評価基準を測定する必要があります。具体的な例は以下の通りです。

【事例】オウンドメディアの立ち上げ成功により良質なEC送客とコンバージョン率アップ

※施策実行当時のデータを使用しています

きちんと戦略を立ててコンテンツを選ぶことは前提として、どのフェーズにも対応しやすく比較的ローコストで取り入れられるのは記事コンテンツです。

その中でもコンテンツSEOはきちんと対策ができていれば効果が出る見込みも高いため、当社のWeb戦略でも積極的に採用しています。実際にSEOコンテンツを導入して成功したA社の事例を紹介しましょう。

大手通販サイトを運営するA社

  • ECサイトに紐づいた商品紹介サイトを所有
  • 新しいオウンドメディアの立ち上げ依頼
  • コンテンツSEOの記事で検索流入を獲得したい

A社の課題

A社はECサイトに紐づいた商品紹介サイトを有しており、依頼時点で既に内製でコラムページを制作していました。しかしコラムページからの流入がほとんどなく、コンバージョンに結び付かないことが課題になっていました。

検索からの流入を狙うコンテンツSEOは一見誰にでも取り組めそうな施策に見えますが、キーワードの選び方やサイトの内部構築がしっかりしていなければ結果は出ません。A社のように社内のリソース・スキル不足が原因で効果を出せないケースはよく見られます。

具体的な施策

A社は検索流入増加を目指して新規でオウンドメディアを立ち上げることになり、当社がお声がけをいただきました。

オウンドメディアの立ち上げにあたって行った主な施策は以下の二つ。

  • 内部SEO対策を踏襲したサイト制作
  • アクセス数のスタートダッシュを叶えるSEO記事コンテンツ作成

サイト(WordPress)の構造にSEO対策を踏襲した設計を施し、ターゲット層の検索ニーズを汲んだSEOコンテンツを作成しました。

成功ポイント

A社からご依頼いただいた新規オウンドメディアの立ち上げは成功し、コンテンツマーケティングによる集客効果がさまざまな指標に表れました。

①検索順位上昇

SEO施策の中間指標はGoogleでの検索で上位に表示できるかどうか。もちろん最終的に売り上げが向上しなければ意味はありませんが、まず意図したキーワードでユーザーに記事を届けることも重要です。

A社の案件ではオウンドメディアの立ち上げからわずか2ヶ月で複数の検索ワードにおける順位上昇が認められました。

新規ドメインで効果を出すには半年~1年程度かかる場合もありますが、A社のサイトは商品力が高かったため、短時間で分かりやすい結果が出せたと考えます。

②検索流入数の増加

検索順位の上昇に伴い、検索からの流入数も順調に増加。

立ち上げ直後すぐにアクセス数が増えはじめ、1年で10倍以上になりました。

③コンバージョン率(CVR)、直帰率の改善

A社の商品に興味・関心を持つユーザーから流入を集めることで、コンバージョン率や直帰率、ユーザーの滞在時間も改善しました。特にコンバージョン率は内製コラムサイトの100倍以上。適切なターゲティングと検索ニーズの分析、戦略的な流入誘導が功を奏した結果となりました。

ユーザーにとって興味のあるコンテンツを提供することで、直帰率も3分の1程度に改善。平均滞在時間も長くなるなど、さまざまな面で効果を実感していただけました。

5.まとめ

コンテンツマーケティングは顧客のニーズや状況に合わせて適切な種類を選ぶことが重要です。商材の知名度や特徴、社内のリソースや予算から展開すべき規模を割り出すのもよいでしょう。さまざまな要素を総合的に考えて選択する必要があります。

初めてコンテンツマーケティングを始める場合は購買プロセスに沿った戦略を立てるのがおすすめです。バランスの取れた戦略立案を誰かに相談したいというWEB担当者はコンサルに依頼してみるのも一つの手です。

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この記事を書いた人

Webコンサルタント
広告代理店にてメディア運営・SEOディレクション・Web広告運用を経験。
現在はコンテンツSEOとWeb担当者向けメディア『Webly』の編集を担当。

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