コンテンツSEOに取り組む企業は年々増えており、「よし、うちでもやってみよう」と考える企業も多いようです。
しかし、実際にやってみるとなかなか成果が上がらず、途中であきらめてしまったという話もよく聞きます。
そこで、そもそもコンテンツSEOとは何なのか、コンテンツマーケティングとの違いやメリット・デメリット、実施にあたってのポイントについて紹介していきます。
1.コンテンツSEOの仕組みとコンテンツマーケティングとの違い
まずはコンテンツSEOの仕組みと、混同されやすいコンテンツマーケティングとの違いについて確認しましょう。
コンテンツSEOとは
コンテンツSEOとは、コンテンツを活用したSEO対策のひとつです。質の良いコンテンツを作成・蓄積して検索エンジンからの評価を高め、上位表示を目指す取り組みを指します。
例えば、Webサイト内にコラムページを作成し、そこにターゲットに向けた記事コンテンツを作成・アップします。その後、その記事がGoogleなどの検索エンジンにインデックス(クローラーと呼ばれるプログラムにより、データベースに記録されること)され、検索結果に出てくるようになり、Webサイトへの流入数が増加するという仕組みです。
コンテンツSEOが注目されるようになった経緯
もともとSEO施策といえばHTMLのチューニングを行う内部施策や、被リンクを獲得する外部施策を指し、ひと昔前には、表面的なテクニックのみに頼った低品質なページも上位表示されていました。
しかし2012年にGoogleが実施したアルゴリズムの変更(パンダアップデート)により、質の低いページの順位が一気に下がりました。
そこで、内部施策や外部施策だけでなく、「良質なオリジナルコンテンツを作成」することで上位表示を狙うコンテンツSEOが注目されはじめました。
検索エンジンは常にユーザーの利便性を考えてアップデートを繰り返しています。上位掲載を目指した小手先のテクニックに頼るのではなく、ユーザーにとって本当に役に立つ情報を提供し、ユーザーの満足度を向上させることがコンテンツSEOの本質といえるでしょう。
コンテンツマーケティングとの違い
コンテンツマーケティングはいわゆる記事コンテンツだけでなく、動画や漫画、ホワイトペーパーなどの様々なコンテンツの発信を通じてユーザーに見つけてもらい、見込み顧客になるよう育成し、最終的に利益に結びつけることを目指す一連のマーケティング手法です。
コンテンツSEOはコンテンツマーケティングの手法の中のひとつといえるでしょう。
2.コンテンツSEOを始めるメリット・デメリット
コンテンツSEOを始めるメリットとデメリットを紹介します。
コンテンツSEOのメリット
コンテンツが上位表示されれば多くのユーザーがアクセスし、そこからコンバージョン(CV)が発生する可能性があります。特定の記事が上位表示され続ければ、定期的な集客が見込めるようになります。
また、上位表示されるページが増えてくるとWebサイト自体のドメインパワーが強まり、新規公開したページでも、検索エンジンから良い評価をもらいやすくなると言われています。自社のサイトで上位表示されるコンテンツが増えてくると、ユーザーの目に触れる機会も増えるため、企業、商品、ブランドなどの認知拡大も期待できるでしょう。
さらに、Web広告のように広告費が発生せず、制作も内製化できれば人件費のみで展開できるというのも魅力的なポイントです。ブログやコラムという形であれば誰でも簡単に始められます。
コンテンツSEOのデメリット
一方で検索する人のニーズを読み解き、満足させるようなコンテンツを作るのは簡単ではありません。コンテンツを作成する際には、適切なキーワード選定やコンテンツ構成の作成、原稿の執筆などは時間も労力もかかり、スキルもすぐに習得できるものでもありません。
また、新規公開したページにインデックスされ上位表示されるようになるまで、一般的に2~3カ月もしくはそれ以上はかかるといわれています。低コストでの実現は可能ですが、すぐにユーザーの流入を見込める即効性の高い施策ではないことは心得ておきましょう。
3.コンテンツSEOに重要な4つのポイント
ここまでコンテンツSEOの特徴について紹介しましたが、実施するにあたり知っておくべきポイントを4つ紹介します。
①.SEOライティングを意識する
特定のキーワードで検索結果の上位表示を狙うライティング方法を、SEOライティングといいます。SEOライティングでは対策キーワードからユーザーの知りたい情報を推測し、その情報を適切に提供することが重要です。
また、スマホやPCといった電子デバイスで読みやすい文章を心がける必要もあります。タイトルの前半部分にキーワードを入れる、文章のはじめに結論を持ってくるPREP法など色々な書き方が推奨されているため、一度練習してみることをおすすめします。
SEOライティングについては『初心者でも書ける!SEOライティングの基本』で詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。 |
②.適切なキーワードを選定する
例えば、メガネを販売するECサイトの場合、「サングラス」のような一単語よりも「サングラス 運転」「サングラス マスク 曇る」といった複数のキーワードの組み合わせから成るロングテールキーワードから対策すると良いでしょう。
ロングテールキーワードの方がユーザーの検索意図を読み解きやすく、ニーズが具体的なためCVにつながりやすいといえます。
一単語で検索ボリュームの多いビッグワードは、競合が多く上位表示が難しいうえに、検索意図も読みにくいので対策の難易度は格段に上がります。ドメインパワーがあまり強くないWebサイトであれば、ビッグワードは避けた方がいいでしょう。
③.定期的にリライトを行う
新規公開したページは、いきなり検索上位に表示されにくいといわれています。そこで、上位表示されるように記事を「リライト」していくことが重要です。
リライトでは、検索上位の記事と比較して自分のコンテンツに欠けている情報を追加したり、分かりやすい表現に書き換えたりします。
検索エンジンは「ユーザーファースト」を標榜しているため、ユーザーの満足度の高い記事に手直しすることで、上位表示を実現できる可能性が高まります。
④.コピーライティングも重要
ざっと目を通しただけでも思わず目を惹くような「コピーライティング」の技術も必要です。
ユーザーは記事を読むときに斜め読みしている場合がほとんどですので、ユーザーの目に入ったその一瞬で関心を引けるようなタイトルやテキストを作るよう意識しましょう。
4.コンテンツSEOは早めの取り組みと継続が重要
コンテンツSEOは結果が出るまで時間がかかるため、スタートが遅くなればなるほど芽が出るまでの期間も延びてしまいます。早めに取り組めば、その分、競合他社よりも先行して成果を上げられる可能性も高くなります。
また、たった数カ月で「成果がでない」と早々にあきらめてしまう企業もなかにはいますが、成果が出る前に辞めてしまうことほどもったいないものはありません。
地道な努力がいるだけにゴールを見失ってしまいがちですが、目標達成まで諦めずコツコツ続けていれば必ず成果はついてくるはずです。
5.まとめ
コンテンツSEOは質の良いコンテンツの作成と発信によりWebサイトの評価を上げて検索エンジンからの集客を増やす取り組みです。
地道で時間はかかりますが、成功すれば低コストで継続的に集客し続けられるメリットがあります。
SEOライティングやキーワード選定、リライトといったスキルやノウハウも必要ですが、最も重要なのは「早めに取り組みをスタートさせる」ということです。結果が出なくても諦めず、地道に継続していきましょう。