ペルソナの効果的な使い方と活用例

Webサイトの作成や商品のプロモーションに重要なのが、ペルソナ設定です。しかし、設定しては見たものの使い方がわからない、設定したことで満足してしまいその後の活用できていないといったケースも少なくありません。

そこで今回は、実用的なペルソナの具体的な設定方法と効果的な使い方、ペルソナの活用例について紹介します。

目次

1.ペルソナを活用すべき理由

ペルソナとは、自社サービスの対象となるユーザー像を具体的に設定した架空の人物像のことです。ここでは、企業のマーケティングでペルソナを活用すべき理由について解説します。

ピンポイントで刺さる施策を打てる

ライフスタイルが多様化した現代では、ユーザーのニーズや価値観が多岐に渡っています。そこで、狙ったユーザーへ自社商品・サービスの優位性などを確実に届けるために、ターゲットとなるユーザーの属性や心理状況などを具体的に定めたペルソナ設定が重要になってきます。

ターゲットの年齢層や職業などの属性情報だけでは対象となるユーザー層が広すぎて焦点がぼやけてしまい、結果的に、誰からも興味関心を持たれないマーケティング活動になるケースが少なくありません。ターゲットとなるユーザー像であるペルソナに刺さるメッセージを考え施策を練ることで、適切なターゲットのニーズに応えることに繋がります。

明確なユーザー視点を持てる

多くの場合、マーケティングチームには異なる世代や性別のメンバーが関わるため、同じターゲットを設定しても、個々の考えるユーザー像にブレが生じやすくなります。ペルソナを具体的に定めてチーム内でユーザー像の認識統一を図れば、全員がターゲットに対して同じイメージを持って商品の開発やアピール方法を模索できるでしょう。

また、意思決定の際は、つい企業側に立った主観的な判断をしがちになります。ペルソナが設定されていれば、「ペルソナが何を欲しがっているか」、「ペルソナが何に困っているか」など、顧客目線に立った客観的な思考が可能になるでしょう。

 

2.実用的なペルソナの設定手順

マーケティングに有用なペルソナを設定するためには、ターゲットとなるユーザーの社会的ドメインと心理的ドメインをしっかり把握する必要があります。

①.社会的ドメインを把握する

社会的ドメインとは、ターゲットの属性情報のことです。ペルソナを設定する際には、下記の項目を参考に、必要な情報を把握しましょう。

  • 年齢
  • 性別
  • 居住地
  • 職業
  • 年収
  • 人間関係
  • 生活パターン
  • 趣味特技
  • 流行への感度
  • ネット利用状況   など

【社会的ドメインの例】
37歳男性で神奈川県横浜市在住、大卒、IT企業の営業職に就いている。
年収500万円、共働きで子どもは小学3年生の男の子と幼稚園年長の女の子2人、休日は家族サービスを優先  など

②.心理的ドメインを把握する

心理的ドメインとはターゲットとなるユーザーのインサイトのことです。社会的ドメインをベースに、ターゲットとなるユーザーが抱える悩み・不安・課題などを抽出します。

【心理的ドメインの例】

  • 妻と喧嘩が増えた
  • 長男を中学受験させるかどうか悩んでいる
  • 海外支店への駐在希望だがビジネス英語は勉強したことがない
  • 体型が気になるが運動はあまり好きではない

③.ペルソナを作成する

社会的ドメインと心理的ドメインを合わせることで、リアリティのあるペルソナを設定できます。ペルソナ設定を行えば、ユーザー自身が気付いていない隠れたニーズも把握でき、適切なマーケティング活動に活かすことも可能です。

ペルソナ設定の方法は『ペルソナ設定のやり方と注意したいポイント』でより詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。

 

3.ペルソナ設定の効果的な使い方

設定したペルソナを効果的に使うためには、ペルソナの設定中と設定後でそれぞれ注意すべきポイントがあります。ペルソナ設定を最大限に活用するためのポイントを3つ解説します。

実データを元に作る

時間が限られているときは、主観的にペルソナを作成するケースもあります。しかし、主観的に作成されたペルソナは、勝手なイメージや願望が入ってしまいがちです。自社にとって都合がいい人物像となり、ペルソナとしての役割を果たしていないこともあります。

より精度の高いペルソナを設定するためには、対象となるユーザーにヒアリングを行ったり、アンケートを実施したりして情報収集を行い、実データをベースに設定しましょう。

ペルソナは2つ以上組み合わせて使う

商品の特性やターゲット層によっては、代表的なユーザー像を2~3パターンピックアップしてペルソナを設定することもあります。特にBtoBビジネスでは利用者と決裁者が異なる場合が多いため、ペルソナを複数設定した方が効果的です。

使いながら更新する

客観的な数値やデータを用いてペルソナを作成しても、実際の顧客と乖離することがあります。また、ガラケーからスマホへの移行といった時代の変化に伴い、ペルソナも変わっていくため、数年前に作成したペルソナが今も当てはまるとは限りません。

一度設定したペルソナを使い続けるのではなく、定期的に修正や改善を行うことで、より正確なペルソナを把握できます。すでにプロジェクトが走っていたとしても、実際のユーザー像とずれていると感じたらすぐにペルソナを更新するようにしましょう。

 

4.設定したペルソナの活用例

最後に、設定したペルソナを具体的にどう使えばよいのか、5つのパターンに分けてご紹介します。

広告プロモーション

年齢や性別、職業によって、アクセスするメディア、SNS、アプリなどは異なります。例えば、ペルソナが主婦ならブログを活用したアフィリエイト広告、10代なら動画共有サイトへの動画広告など、ペルソナがよく閲覧するメディアや行動パターンを考慮して広告プロモーションを行いましょう。

Webサイトリニューアル

ペルソナの属性、好み、閲覧メディアなどによって、文字の大きさや色、ボタンのサイズ、画像を多くするか文字を多くするかといった要素を調整しましょう。

例えば、ペルソナが60歳のシニアであれば、文字は大きくした方がユーザビリティは高まります。一般的に言われているWebサイト制作の基準とは違っていても、ペルソナが閲覧しやすいサイトを意識してリニューアルを行いましょう。

コンテンツマーケティング

ペルソナの悩みや課題を解決する内容を記事などで展開することで良質なコンテンツが作成できます。

また、同じ物でもペルソナによって使用する単語が異なるケースがあります(レギンスorスパッツ、手鏡orコンパクトミラーなど)。コンテンツの対策KWも、設定したペルソナに合わせるようにしましょう。

ソーシャルメディアマーケティング

例えば、50代男性にはFacebook、20代女性にはInstagramといった具合に、頻繁に利用されるソーシャルメディアも年代や性別によって異なります。

同じ商品のマーケティングでも、TwitterとInstagramの配信内容は変えたり、LINEやアプリでの情報発信をユーザーごとに分けたりと使い分けると、より効果的なマーケティングが可能となります。

CRM

同じ30代女性でも、共働きと専業主婦では必要とする内容や知りたい情報は異なります。専業主婦でも、子供のいない方、子育て中の方、子供が成人した方などで、明確にアプローチ方法が異なる場合は、それぞれのペルソナに合わせて、メルマガコンテンツの内容を考えていきましょう。

今回紹介しきれなかったペルソナに関する注意点については、『ペルソナ設定の注意点と活用方法』をご覧ください。

 

5.まとめ

具体的なユーザー像であるペルソナはマーケティング活動に欠かせません。手順を踏み、実際のデータを基にペルソナを設定すれば、実用的なペルソナとなるでしょう。

また、ペルソナは複数設定した方が効果的なケースもあります。商品やサービスに合わせてペルソナを使い分け、違和感があればアップデートしながら活用していきましょう。

 

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この記事を書いた人

Webコンサルタント
広告代理店にてメディア運営・SEOディレクション・Web広告運用を経験。
現在はコンテンツSEOとWeb担当者向けメディア『Webly』の編集を担当。

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