WEBマーケティング歴20年超の著者が選ぶ B2Bに強いWEBコンサルティング会社5選

各種企業におけるB2Bの販売活動の主力が従来型の人的なルート営業から、ウェブでのリード獲得に移りつつ有ります。また、業界ごとのプラットフォームでの販売だけでなく、自社での商流を自社ホームページで構築しようとする企業が増えています。

Webマーケティングに関する部分部分の個別ソリューションに特化したベンダーは数多く存在します。しかしその一方で業種・業態ごとに異なるビジネスモデルを理解し、自社独自のマーケティングチャネルの構築方針を提示・統合して、何をどのようにすべきか、方向性を提示し、かつ実務を牽引してくれる、ノウハウを持った実力のあるコンサルティング会社は限られています。

この記事では、B2B マーケティングのマーケティング活動・リード獲得の実務において、具体的な改善策の提示、PDCAを回す業務をサポートしてくれるコンサルティング会社を、どのように見つけたら良いか、選定したらよいか、また選定の際のチェックリストはなにか、そしてWebly編集部おすすめのコンサルティング会社5選についてご紹介します。

目次

1.B2BのWEBマーケティングに強い、コンサルティング会社一覧

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社名ECマーケティング才流ベイジ船井総合研究所電通B2BイニシアチブNTTマーケティングアクト
主な導入実績日本通運、住宅金融支援機構、ビューティガレージ、ダスキン、製造業某大手等日立製作所、オムロン、NTT、伊藤忠、サイボウズ、freee等サイボウズ、農林中金、才流、アイレップ等比較的地方の中堅から大手企業が中心パナソニック、ヤマハ、旭化成等官公庁、地方自治体、大手ホテルチェーン、電気・電力、製薬メーカーなどの超大手
メイン事業領域WEBマーケティングコンサル(SEO、サイトユーザビリティ等)B2Bを対象とした、新規事業立ち上げ、ビジネスモデル構築コンサルティングB2Bを対象とした、ホームページ設計・製作業務中小・中堅企業向けの経営コンサルティング業務広告代理業務コールセンター導入支援
費用数十万円~数百万円数百万円~数百万円~数百万円~数千万円~
強み・向いている企業中小・中堅規模のB2Bのリード獲得サイトにおける、実務伴走型プロジェクトのサポートに適している。新規事業創出に関する0->1 コンサルティングにおいて、多くの実績と充実したフレームワーク、ノウハウ体系を有する。中規模以上の資金調達を実行しシード期~アーリーステージにおけるスタートアップ企業あるいは、大企業の新規事業開発プロジェクト等に適している。B2Bに特化したWEB制作会社で、その派生事業としてコンサルティングサービスも提供している。業種ごとに優秀なコンサルタントが在籍、戦略立案のフレームワークが豊富である。大企業におけるB2Bマーケティングでかつ、マスメディアへの出稿を伴うブランディングを含めた大規模プロジェクトに適している。コンタクトセンターの導入支援がメイン事業であるため、コンタクトセンターの導入支援を中心にCRM施策を実施する会社に向いている。

2.B2B Webマーケティング活動(リード獲得及びECサイト)に必要な要素を知る

1)自社のマーケティングチャネル全般に占める自社サイトの位置づけを定義する(3ステップ)

まず、営業組織の業務フローを踏まえて、全体のマーケティングの中にどのように位置づけられるかを設計し、それを踏まえた、マーケティングサイトを構築し、かつ運営することが重要です。具体的には、以下の3ステップによって進めます。

ステップ1 役割の定義

Webマーケティングの有する役割の定義として、以下の項目を明確にします。

  • 全体のリード獲得のうちWebのインバウンドで「_割」のリードを獲得するのか
  • Webのインバウンドリードとそれ以外の営業獲得リードの「役割の違い」をどのように位置づけるか
  • リード獲得に許容できるコストは「__円」か

ステップ2 Web検索市場におけるポジショニング

既存の競合プレイヤー(営業で接触する競合)と、Web上でリード獲得する際に比較対象となる競合を洗い出し、その競合に対するバリューポジションを明確にします。

ステップ3 アジャスト

上記ステップ2の検討を踏まえて、ステップ1で行った役割の定義をアジャストします。

2)リード獲得あたりのコストとLTVをバランスさせる

次に実際にマーケティングを走らせながら、以下指標について仮説→検証→修正を繰り返し、PDCAを走らせます。

  • リード獲得件数と獲得コスト
  • 有効商談率
  • 新規契約からの顧客生涯価値

3)業界別プラットフォームや展示会の活用と限界を知る

上記1)2)については、自社ホームページでのリード獲得についての骨子になりますが、業界ごとにメジャーな集客用のプラットフォームがあります。

それらはもちろん活用しながらも、最終的には自社のリードとして、CRM対策をしていくことが重要です。

→CRMについては、別途『ツール提供だけではない、おすすめのCRMコンサル会社7選』を参照ください。

4)MAツール等の活用と限界を知る

MAツールの導入を検討する企業は多数見られますが、ツール導入自体がメインとなって、ツールの運用まで行き届かないケースが多いです。

MAツールのツールベンダーは基本的にはツールの導入と解約を防ぐことが主眼なので、ツールを活用したアドバイスについては、あまり期待できないと考えておいた方がよいです。

3.御社にあったWEBマーケティング・ECコンサル会社の選定方法(6つのチェックリストつき)

担当者の経験に依存してしまう属人的要素が多いWEBマーケティング・ECコンサルの業者選定では、担当者の経験を見極めることが重要です。傾向として、営業が上手な会社と実務力が優れている会社が一致しない事が多いです。

プレゼンが上手いかどうかに惑わされず、実際のプロジェクト経験があるかどうかを見極めて業者を選定されることを推奨します。以下のチェックリストに沿ってお選びください。

  1. 会社のビジネスモデル:ツール販売でコンサルティングがサブであるか、コンサルティング自体がメインであるかを確認する
  2. 納品に使用している資料:使っている資料におけるテンプレート/独自比率を見極める(一般的に実績豊富で大きな会社ほど、テンプレート比率が高まる)
  3. 納品物の質と量:納品物において、方向性を提示するだけでなく、具体的なアクションを詳細な指示書レベルで提示されるかどうか、またその量はどのくらいかを見極める
  4. 担当者の実績:プレゼンの担当者や会社の実績ではなく、プロジェクト開始後にアサインされるメイン担当者の実績、経験と得意分野を確認する
  5. 担当者の能力:プロジェクト担当者が自分の業種や商品に対する理解を十分できそうか見極める
  6. 担当者の目線:担当者が、ユーザー目線を持っているかどうか、ユーザー目線と企業のニーズを別の目線で区別して見ることができるかを見極める(両方必要)

4.B2BのWEBマーケティング、ECサイトに強い、おすすめのコンサルティング会社5選

【ECマーケティング株式会社】

強み:業界経験が長く、かつ、コンサルティングに特化しているため、専門性が高い。B2Bに特化した2社、才流(新規事業におけるビジネスモデル構築がメイン)やベイジ(制作がメイン)と異なり、”Webマーケティング”がメインであるため、B2Bで特に重要なSEO対策やサイトユーザビリティ等における実務的なソリューション提供能力と実務における伴走力が高い。

弱み:少数精鋭でありリストアップした他の5社と比較して会社規模が小さい。

B2Bに特化している後述の才流やベイジなどと比較すると、ビジネスモデル構築やサイト制作が主眼である場合には、ベストな選択肢ではない可能性がある。

【株式会社ベイジ】

強み:B2Bに特化したWEB制作会社で、その派生事業としてコンサルティングサービスも提供している。

弱み:メインが制作会社である点。

伴走型のコンサルティングを必要とする場合、経験豊富なスタッフがアサインされ、かつ継続的なサポートを費用対効果の高い契約プランで受けることが難しい可能性がある。

【株式会社才流(サイル)】

強み:新規事業創出に関する0->1

コンサルティングにおいて、多くの実績と充実したフレームワーク、ノウハウ体系を有する。中規模以上の資金調達を実行しシード期~アーリーステージにおけるスタートアップ企業あるいは、大企業の新規事業開発プロジェクト等に適している。

弱み:新規事業創出等に強みを置いている一方で、Webマーケティングの実務上重要になるSEOやサイトユーザビリティに関するノウハウにおいては強みとしてアピールしていない。したがって、事業が既に立ち上がっているB2Bマーケティングにおいて、よりPDCA精度を高めるための改善サポートを伴走型で提供するというプロジェクトにおいては、アンマッチとなってしまう可能性がある。

【株式会社船井総合研究所(船井総研)】

強み:業種ごとに優秀なコンサルタントが在籍、戦略立案のフレームワークが豊富である。

弱み:戦略提示中心であり、実務実行までのサポートが弱い。担当するコンサルタントによって成果が変動する。

【電通B2Bイニシアティブ】

強み:大企業におけるB2Bマーケティングでかつ、マスメディアへの出稿を伴うブランディングを含めた大規模プロジェクトに適している。

弱み:中堅・中小規模の会社のWebマーケティング実務には向いていない。

【NTTマーケティングアクト ProCX】

強み:コンタクトセンターの導入支援がメイン事業であるため、コンタクトセンターの導入支援を中心にCRM施策を実施する会社に向いている。

弱み:コンタクトセンターの導入支援がメイン事業であるため、コールセンター以外にボトルネックや改善ポイントがある企業には向いていない。

5.最後に

いかがでしたでしょうか?御社におけるB2Bマーケティングにお役立ていただけましたら幸いです。また、関連してこのような記事を作成してほしい、などご要望がありましたら、あるいは個別のプロジェクトについてご相談がありましたら、Webly編集部まで気軽にお問い合わせください。

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この記事を書いた人

2000年からデジタルマーケティング業界で、大手企業のウェブマーケティングを支援。Googleアナリティクスが生まれる前、2002年にサーバーの生ログを集計して「アクセスログ解析」をレポート。Googleアドワーズが生まれる前からWEB広告を担当、当時のコンバージョン計測は手集計。2006年にECサイトを50サイト運営しながら、サイトユーザビリティ改善の重要性に気づき、ヤコブ・ニールセンのホワイトペーパーを入手して、日本のサイトに実際に導入しCVRが向上することを発見。2006年にサイバーエージェント、アルベルト(現アクセンチュア併合)を含め業界をリードする各社を招待して「コンバージョンアップサミット」を主催。以降、800プロジェクトのサイトユーザビリティ改善に携わる。

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