ネットショップを立ち上げて次に頭を悩ませるのが「いかにユーザーを集めるか」という点です。せっかくネットショップを作っても、ユーザーに見てもらえないと売上につながりません。
そこで、行なうべき取り組みがSEO対策です。検索エンジンからのユーザー流入を増やすための施策であるSEOは、Webで広告を出すより費用対効果が高く、継続的なユーザーの集客に繋がります。
この記事では、SEOの考え方や具体的な方法、中小ネットショップがSEO施策を行なう際に意識すべき点についてみてみましょう。
1.まずはSEOを正しく理解しよう
SEOとはネットショップに限らず、サイト運営をしていく上で重要なWeb集客施策です。まずはSEOの概要についてきちんと把握しておきましょう。
SEOとは?
SEO(Search Engine Optimisation)は「検索エンジン最適化」と訳されます。ユーザーが検索エンジンで検索したときに、検索結果のできるだけ上部にWebサイトが表示されるよう工夫を凝らす取り組み全般を指す用語です。
ユーザーは検索結果の上部に表示されるWebサイトをクリックする傾向があるため、上位表示させればさせるほど、Webサイトへの訪問数が増えます
楽天市場やYahoo!ショッピングなど、モールへの出店と比べて集客力が低い独自ネットショップでは、ユーザーを集めるためのSEO対策が不可欠だといえます。
SEOのメリット・デメリット
SEOの他にも、ネットからユーザーを集める方法に「Web広告」があります。様々なWebサイトに自社広告が表示されるため、不特定多数のユーザーの目に触れ、集客も見込めますが、当然ながら広告費をかけている間しか表示されず、出稿を取りやめるとアクセス数が減ってしまいます。
その点、SEOは広告費をかけずに集客施策ができ、一度行えば中長期的な効果を期待できることがメリットです。反面、対策をしても必ず効果が出るとは限りません。特に、中小ネットショップはSEOの効果が出にくいと考えられます。
ネットショップのSEOは成果が出にくい
ネットショップの中でも、特に仕入れ商品を展開しているショップでは、SEOの成果を出すのが難しいという特徴があります。
その理由は、競合サイトの強さです。たいていの仕入れ商品は、検索するとまずAmazonや楽天市場などの大手ネットショップが表示されます。既存の大手ネットショップはドメインパワーが強いため、大手ネットショップに競り勝ち、上位表示を狙うのは難しいでしょう。
※ドメインパワー…ドメインが検索エンジンから受けている評価。ドメインパワーが高ければ高いほど検索エンジンからの評価が高く、関連するキーワードで上位表示されやすい。
独自の商品や専門的なジャンルを扱っている場合を除き、中小規模のネットショップが検索エンジンで上位表示されるためには、工夫が必要です。次章から詳しく見ていきましょう。
2.コンテンツ施策で行うべきこと
SEOは大きく分けると「コンテンツ施策」「外部施策」「内部施策」の3つから成り立っていますが、サイトの仕組みを改善する内部施策は、HTMLのチューニングといったテクニカルな方法になり初心者には難しいため省略します。
今回は専門的な技術がなくても始めやすいコンテンツ施策と外部施策に焦点をあててみてみましょう。まずはコンテンツ施策で行なうべき3つのポイントを解説します。
スモールキーワードを選定する
1つ目のポイントはスモールキーワードを対策することです。
検索数が圧倒的に多い「ビッグキーワード」は検索上位に表示されれば大きな集客が見込めますが、すでに多くの大手サイトが上位表示されているため、上位表示は簡単ではありません。
一方、ニッチなキーワードあるいは複数キーワードからなる「スモールキーワード」は、検索ボリュームが小さいものの競合が少なく、上位表示できる可能性が高くなります。
ビッグキーワード | 蒸し器(月間検索数:22,000) |
スモールキーワード | スチームクッカー(月間検索数:1,000) 蒸し器 レンジ(月間検索数:590) |
また、「蒸し器」だけでは「蒸し器を買いたい」「蒸し器を使ったレシピを知りたい」「IHでも使える蒸し器のおすすめを知りたい」と色々な検索ニーズが考えられますが、「蒸し器 レンジ」であれば、ユーザーが「レンジで使える蒸し器を買いたい」というニーズを抱えていることが推測できます。
むやみにアクセス数を増やすのではなく、ターゲット層にマッチしたユーザーを集められるのもスモールキーワードのメリットです。
コンテンツマーケティングを始める
商品ページの上位表示が難しい場合、コンテンツマーケティングで間接的な流入を増やすことも効果的です。
扱っている商品の素材やお手入れの仕方など自社商品と関連するコンテンツを作成し、そこに集まったユーザーを商材ページに誘導する方法です。
コンテンツが豊富なネットショップは独自性が高まるため、競合サイトと差別化を図れる上にドメインの評価も上がります。ユーザーの興味を引くコンテンツを展開できれば、再訪率が上がりリピーターの育成も狙えるでしょう。
ページの独自性を上げる
同じ商品を扱っていても、他サイトにはない情報を載せているネットショップの方がユーザーに好まれます。
商品説明に独自で準備した写真や解説を追加すると、独自性が上がりユーザーの利便性や満足度が上がるため、SEOに効果的でしょう。
3.外部施策で行うべきこと
外部施策とは他サイトでURLが紹介される「被リンク」を増やすことを指します。
多くのサイトからリンクが貼られるということは、「人に教えたくなるような良質なサイト」ということです。Googleは「ユーザーから高く評価されている」と判断するため、検索順位の向上を狙えます。
ここで注意したいのが、「質の高い被リンク」でなければいけないことです。
「質の高い被リンク」とは、自社サイトとの関連性が高いWebサイトや評価の高いWebサイトからの被リンクのことです。その一方で「質の低いリンク」、関連性の無いWebサイトなどから得た不自然なリンクはGoogleからの評価を落とします。
ペナルティ対象になると、検索結果にページが表示されなくなってしまうため注意が必要です。
外部施策をする際は、コンテンツページにソーシャルボタンを設置するといった対策で、自然な被リンク増加を目指しましょう。
4.中小ネットショップでも上位表示させる秘訣
SEO対策で最も重要なポイントは、主要検索エンジンであるGoogleがどのようなWebサイトを上位表示させているかを把握することです。
Googleは検索ユーザーの利便性を第一に考えています。ユーザーが検索した時に欲しい情報をすぐ得られるように「ユーザーにとって有益な情報」を上位表示させる傾向があり、そういった情報を提供するページが高く評価されます。
書籍やネット上には様々なSEO対策が溢れていますが、根底にあるのは「ユーザーの利便性を高める」ということです。ユーザーの利便性を第一に考え、ユーザーが使いやすいネットショップに改善していけば自ずと上位表示につながるでしょう。
5.まとめ
競合が多いネットショップの市場で効率的に集客するためには、検索エンジンで上位表示を狙うSEO対策が欠かせません。スモールキーワードのような、ライバルの少ないポイントを狙って集客戦略を練ることが大切です。
またSEOというと技術的なものにばかり目が向いてしまいますが、Googleが「ユーザーにとって有益なサイトを上位表示させる」という点を意識しなければいけません。
ユーザーを焦点に当てたコンテンツの作成や外部施策といった工夫を凝らしたSEOで、集客力の向上と顧客の獲得を図っていきましょう。