近年マーケティングの一環として、あちこちで取り入れられているのがコンテンツマーケティングですが、いざ始めようとなると、何から手をつけるべきか迷ってしまったり、そもそも何のことだか分らないという方も少なくありません。
そこで今回は、コンテンツマーケティングを行う際に知っておきたい主な手法と実践法、やってしまいがちな注意点をご紹介していきます。
1.コンテンツマーケティングとは
コンテンツマーケティングとは、コンテンツ(文章や動画、画像など)を活用し、企業やブランドの認知度・信頼度を上げることで、最終的な購買のアシストをすることです。
そのため、顕在層はもちろん、潜在層を含めたあらゆるユーザーに価値のある情報を届ける必要があります。
次の章から、詳しくコンテンツマーケティングの手法についてご紹介していきます。
また、コンテンツマーケティングに含まれる領域については、いくつかの考え方がありますが、本記事におけるコンテンツマーケティングとは、”直接的な広告を使用せずにWebサイト上のコンテンツを活用すること”と定義しています。
2.コンテンツマーケティングの3つの手法
コンテンツには、動画やイラストなど含まれますが、今回は文章をメインとしたコンテンツマーケティング手法を3つ解説していきます。
手法①.コンテンツSEO
コンテンツSEOとは、Yahoo!やGoogleなどの検索サイトから自然な流入を増やすための施策であり、「コンテンツマーケティング=コンテンツSEO」と考えている方も多いです。
ユーザーが抱えている悩みや疑問に対し、的確な解決策を提示するコンテンツを作成することで、検索結果で上位表示を獲得しWebサイトの認知度や安心感を高め、信頼関係を築いていきます。
手法②.特集コンテンツ
特集コンテンツでは自然検索からの流入は見込まず、使用イメージや説得力を高め、自社商品の魅力を伝えることを目的とします。
例えば、アンケートや取材の結果などをまとめるページ、商品の特徴をわかりやすく解説するページなどを使って、コンテンツを作成していきます。
コンテンツSEOでは、”○○の悩みや問題を抱えているユーザー”という少し大雑把なターゲットを設定しますが、特集コンテンツでは”1人のペルソナ”を作成し、そのユーザーが求めているコンテンツを制作する方が良いものになりやすいです。
特集コンテンツでは、売り色を出さないケースがほとんどです。
手法③.獲得コンテンツ(記事LP)
獲得コンテンツ(記事LP)は、見た目は特集コンテンツと近いですが、次の2つの点で大きく異なります。
・購入直前の顕在層向けのコンテンツ
・売り色を前面に出すコンテンツ
自社や競合他社の商品を購入しようとしているユーザーに対し、自社商品の魅力や、競合他社との違いを訴えかけることで、自社商品の購入を促します。そのため、ネイティブ広告などで使用されることも多く、商品自体の宣伝に活用されるケースも少なくありません。
また、特集コンテンツとは違い、問い合わせ先を明確にし、購入ページへ繋げる導線は複数設置されることが特徴です。
3.コンテンツマーケティングの実践方法
これまでは、文章を主としたコンテンツを活用したマーケティング手法についてお伝えしてきましたが、ここからはコンテンツマーケティングの実践方法を解説していきます。
コンテンツの目的を明確化する
コンテンツを制作していくうちに、良質なコンテンツを作成することだけを追い求めてしまうことがあります。しかし、コンテンツマーケティングの目標は、あくまで”企業やブランドの認知度・信頼度を上げる”ことです。
制作者や会社の満足度が高いコンテンツを制作することが目的とならないように注意するようにしましょう。
おすすめは、SEOや滞在時間、読了率、SNS上のシェア数など、コンテンツを作成する前に、そのコンテンツを作る目的を明確化しておくことです。この作業をすることで、基準となる数値目標が設定でき、抽象的になりやすいコンテンツの評価が行いやすくなるというメリットもあります。
コンテンツプランニング
次に、それぞれの目的にあわせて、どういったコンテンツを作成すればいいのか、ざっくりと企画していきます。
仮のタイトルや、どのような内容にするのかを百文字~二百文字程度でまとめていきます。
コンテンツプランニングでは、コンテンツ全体の大まかな構成を決めるだけで、細かく章立てまでする必要はありません。
ペルソナ設計
コンテンツを作成する目的やざっくりとした内容を作成した後、ターゲットとしているユーザーが持つニーズを明確に想定していきます。
コンテンツを作る目的に合わせて、ニーズの洗い出しに留めるか、架空のユーザー像を詳細に設定するかは変わってきます。目安としては、購入に近いユーザー向けのコンテンツは詳細に設定し、購入に遠いユーザー向けのコンテンツはニーズの洗い出し程度にすることです。
コンテンツの構成作成
ユーザー像を絞り込んだ後は、いよいよ記事の構成案を作成していきます。構成作成にもさまざまな方法がありますが、ここでは最も一般的なものを1つご紹介します。
まず「仮タイトル・コンテンツの目的・対象ユーザー」を明記します。次に、各章の見出しを記載し、各見出しの内容を百文字~二百文字程度で書いていきます。
最後に、出来上がった構成案とコンテンツの目的や対象ユーザーにズレがないかを確認し、問題なければ完成になります。
コンテンツ制作
作成した構成案とペルソナをもとに、コンテンツを作成していきます。
制作時のポイントは、一度完成させ何度も書き直していくことです。
一回でイメージ通りのコンテンツを作成することが理想ですが、何度も修正作業を行った方が早く良いものができる可能性が高い傾向にあります。
4.コンテンツマーケティングの注意点
コンテンツマーケティングでは、ユーザーの関心を引きつけ、信頼を築き上げるために気を付けなければならないことがあります。
最後に、コンテンツマーケティングを行う際の注意する点を簡単に3つご紹介します。
①.自社視点のコンテンツが多い
自社商品が魅力的だからといってそればかりを取り上げてしまい、押し売りのように感じられてしまってはユーザーには見てもらえません。
また、こだわりが強すぎる記事など、発信側の視点からしか作られていないコンテンツも同様です。
自社商品を自慢したい気持ちはグッとこらえて、ユーザーにメリットがある情報発信を心がけるようにしましょう。(記事LPは除きます)
②.更新されない
コンテンツマーケティングは中長期的な施策ですので、広告のようにすぐに結果が出るものではありません。(基本的には半年~1年程度で兆しが見えてきます)
そのため、直近の業務を優先し更新が止まってしまうことも多いですが、月に1回程度であっても、定期的に更新され続けていることが重要です。
③.法に違反する
Webサイトを運営するうえで避けて通れないことが、ちょっとした不注意で違反しかねない法に関することです。
トラブルが発生しやすいものでもあるので、自社が扱うコンテンツに関わるものだけでも把握するようにしてください。
特に気を付けたいものとして、次のようなものが挙げられます。
- 著作権
- 個人情報保護法
- 薬機法
- 古物営業法
- 景品表示法
5.まとめ
今回は、コンテンツマーケティングを行うにあたって、主に使われる3つの手法と実践方法の解説、陥りやすい状況の注意点をお伝えしてきました。
コンテンツマーケティングでは、ユーザー像や目的に沿ったコンテンツを作成することが重要です。
自社の主張ばかりを押し付けるのではなく、ユーザーの視点を大切にしたコンテンツを届けることで、お互いの利益に繋げることができるでしょう。