コンテンツマーケティングを効果的に行うには、カスタマージャーニーマップに基づいてコンテンツを制作することが効果的と言われています。しかしカスタマージャーニーマップを活用することで、具体的にはどのようなメリットがあるのでしょうか?
この記事では、カスタマージャーニーマップをコンテンツマーケティングで活用するメリットと、カスタマージャーニーマップの作り方を解説します。
1.価値あるコンテンツにはカスタマージャーニーが必要な理由
ユーザーにとって価値のある情報を届けることでナーチャリングを図るコンテンツマーケティングに、カスタマージャーニーが必要な理由を解説します。
カスタマージャーニーとは
カスタマージャーニーとは、ペルソナが商品やサービスの購入に至るまでのプロセスのことです。このカスタマージャーニーを可視化した図をカスタマージャーニーマップといい、Webサイト制作やUI改善など様々なWeb施策で使用します。
カスタマージャーニーの作成には手間がかかりますが、ペルソナのインサイトや行動を段階ごとに仮定することで、最適なタイミングでアプローチができるようになります。
カスタマージャーニーマップの例(不動産投資会社)
コンテンツマーケティングにカスタマージャーニーが必要な理由
コンテンツマーケティングでは、ユーザーニーズを満たすコンテンツの提供が求められます。カスタマージャーニーを細かく設定すると、ユーザーの悩みや課題を理解でき、どのようなニーズを抱いているのか詳細にわかるようになります。
そのため、闇雲にコンテンツを作成し量を増やすよりも、カスタマージャーニーを根拠に作成することで、ユーザーのナーチャリングを効果的に行うことができます。
2. カスタマージャーニーマップを作成するメリット
カスタマージャーニーマップを作成するメリットを4つ紹介します。
コンテンツに整合性が出る
コンテンツマーケティングでは、一貫性があるコンテンツの提供が重要です。例えば、オウンドメディアでコラムを掲載する場合、思いつきでコンテンツを増やしていくと、流入するユーザーがブレて、ターゲット以外のユーザーが流入する可能性があります。
カスタマージャーニーをベースにしてコンテンツを展開すると、ターゲットユーザーの来訪が見込める上に、来訪ユーザーの満足度が上がるでしょう。
チーム内で共通認識が生まれる
チームの人数が増えると、それぞれの立場や考えを主張するようになり認識のズレが生じる可能性があります。
カスタマージャーニーをチーム内で共有すれば、全員が同じ視点に立ってコンテンツ制作を進められるため、考えに齟齬が生じにくく、施策をスムーズに進められるでしょう。
PDCAを回しやすくなる
施策の途中で課題にぶつかったとき、なんとなく進めていると何が間違っていたのか、どこを改善すればよいのかがわかりにくいものです。
カスタマージャーニーマップを作成し、それに沿って施策を立てている場合は、ユーザーの行動と施策との関係が分かりやすく、全体を俯瞰して見られるようになるため、改善ポイントを見つけてPDCAを回しやすくなります。
視野を広げられる
コンテンツマーケティング実施する際に多くの担当者が企業側の視点で考えがちですが、カスタマージャーニーマップを活用すれば、ユーザーの視点から考えられるようになります。
施策が頓挫しそうになったとき、視点を転換することで思ってもみないアイデアが生まれる可能性もあるでしょう。
3. カスタマージャーニーマップとコンテンツマップの作り方
ここからはカスタマージャーニーマップとコンテンツマップの作り方を説明します。
①.ペルソナを設定する
ペルソナとは、「自社サービスのユーザーとして具体的に仮定した人物像」を指します。
ペルソナを設定しないと、汎用性は高くなりますが、結局誰にも刺さらないコンテンツとなり成果を上げられません。
性別や年齢、住んでいる場所といった基本的なプロフィールはもちろん、その人が何を思い、何に悩んでいるのかといった心理的な状況までを具体的に設定したペルソナを設定します
②.ペルソナの購買行動を推測する
設定したペルソナが、どのような購買行動をとるかをフェーズごとに推測していきます。AIDMAやAISAS、AISCEAS、AMTULなどの購買プロセスモデルから、自社のサービスや商品にあったものを参考にしてもよいでしょう。
今回は、気付き→認知→検討→購入という購買プロセスを想定してカスタマージャーニーを作成していきます。
③.チャネルへのタッチポイントを考える
ペルソナがカスタマージャーニーのどの段階で、どのように自社に接触するのかといったタッチポイントを検討します。タッチポイントは検索エンジンからWebサイトへの流入、メルマガやDMの閲覧など、さまざまものが考えられます。
④.ペルソナの悩みや課題を設定する
ペルソナの行動段階にあわせて思考や感情を推測し、そのときに必要としている情報やサービスは何なのかを考えていきます。
ここまでが、基本的なカスタマージャーニーマップの作り方です。先程ご紹介したカスタマージャーニーマップの例は、①~④の流れで作成しています。
カスタマージャーニーマップの例(不動産投資会社)
⑤.コンテンツマップを追加する
カスタマージャーニーマップをコンテンツマーケティングに活用する場合には、さらにコンテンツマップを追加する必要があります。
コンテンツマップとは、Webサイトにアップするコンテンツ構成を可視化したものです。購買行動のステップごとに、ペルソナが必要とするコンテンツを設定しましょう。
コンテンツマップの例(不動産投資会社)
4.カスタマージャーニーマップ作成時に注意したいポイント
最後にカスタマージャーニーマップを作成するときの注意ポイントを紹介します。
データをもとに作成する
想像や思い込みだけをもとにカスタマージャーニーマップを作成すると、自社にとって都合がいいものが出来上がってしまいます。アクセス解析やアンケート情報など、客観的データをもとに、実態に近いものを作成するようにしましょう。
PDCAを何度も回す
最初から完璧なカスタマージャーニーマップを作成することは簡単ではありません。施策を進める中でカスタマージャーニーマップの改善を何度も行い、精度を上げていきましょう。
ペルソナを慎重に設定する
カスタマージャーニーの大元になるのはペルソナです。ペルソナが実態に即していなかったり、具体性にかけたりすると、施策に一貫性がなくなりカスタマージャーニーが作り直しになる可能性があります。
ペルソナは慎重に設定するようにしてください。
5.まとめ
コンテンツマーケティングでは、ユーザーの購買行動に即して適切なタイミングで適切な内容のコンテンツを提供することが重要です。そのためにはカスタマージャーニーマップを作成し、ユーザーの行動を可視化する必要があります。
ペルソナを詳細に設定し、ペルソナの視点に立ってカスタマージャーニーの段階を踏んでいくことで、どのようなコンテンツが必要なのかは自ずと明らかになっていくでしょう。この記事を参考に、カスタマージャーニーマップの制作に取り組んでみてください。