コンテンツマーケティングで設定したいKGI・KPIの作り方と注意点

マーケティングでは、ゴールに至るプロセスを提示し、適切な目標を設定することが重要です。そこで決めておきたいのがKPI(重要業績評価指標)です。

KPIはKGI(重要目標達成指標)と混同されやすい上に、コンテンツマーケティングでは明確なKPIの設定が難しいため、何を指標とすべきか悩む方が多いのではないでしょうか。

この記事では、コンテンツマーケティングでKPIを設定する重要性とKGIとの違い、KPIの設定の仕方や注意点などを紹介していきます。

 

目次

1.コンテンツマーケティングにおけるKPIの重要性  

コンテンツマーケティングはWeb広告と比べて費用対効果が測りにくい施策です。

Web広告はKPIとしてROAS(広告経由の売上÷広告費×100)が使われることが多く、100%を超えればコストを上回る売上を実現できた判断できます。

一方、コンテンツマーケティングは、どのコンテンツがどれほど売上に貢献したかといった情報を、正確に把握することが難しい施策です。効果が疑問視され、結果が出る前に施策中止を余儀なくされるケースも少なくありません。

そこで、目指すKGIに向けて適切なKPIを設定し、どれくらい成果が出たのかをさまざまな指標から測定することが大切です。

社内での予算削減を回避するとともに、明確な主軸をおくことで、効果が見えやすくなります。

 

2.Webサイトの目的に合わせてKGIとKPIを設定する

企業経営やマーケティングなどの最終的な目標を数値化したのがKGIであり、そのKGIを達成するための戦術として落とし込んだ指標がKPIです。

これはコンテンツマーケティングでも同様で、Webサイトの目的に合わせてKGI(最終的な目標)を設定し、そこからKPIに落とし込んでいきます。

コンテンツマーケティングでは、自社のサービスや商品を知らない人に見つけてもらう認知の段階から、行動を後押ししてコンバージョンさせるところまで、あらゆるユーザーの行動をサポートできます。

そのため、時期やセッション数などにより、コンテンツマーケティングで達成したいKGI・KPIが変わっていくことがほとんどです。

コンテンツを通して自社が何を達成したいのか、目的を明らかにしたうえでKGIを設定し、KPIもそれに合わせて設定すると効果を確認しやすくなるでしょう。

例えば、次のようなKGI・KPIが考えられます。

<例>
①目的:コンテンツマーケティングを通して自社サービスや商品を知ってもらいたい
(KGI)新規ユーザーの数
(KPI)セッション数

②目的:見込み客を育成したい
(KGI)再訪率
(KPI)会員登録者数

本コラムではKPIに絞ってご紹介しますが、本来は企業の方向性ともなるKGIを設定し、そこからKPIを検討すると考えやすくなります。

次章から、Webサイトの目的別にどのようなKPIを設定すればよいのかを見ていきましょう。

 

3. Webサイトの目的別に見るKPIの具体例

Webサイトの目的によって、どのようなKPIを設定するとよいのか3つ紹介します。

目的①.自社を知ってもらう

オウンドメディアを運営する企業のケースでは、自社のサービスや商品を知らないユーザーに、まず「認知」してもらうことを目的とする場合、オウンドメディアの集客力がカギになります。そのため以下のようなKPIを設定し、効果測定を行います。

検索順位 検索KWで表示される順位
クリック数 検索KWでクリックされた回数
PV数 ページごとのPV数
UU数 サイトを訪問したユーザーの数
SNSでのシェア数 FacebookやTwitterなどでコンテンツがシェアされた数
UGC数 ユーザーが作成したコンテンツの数

これらの数値は、Google Analyticsなどのアクセス解析ツールやGoogle Search Console、ソーシャルリスニングツールなど、各種ツールで簡単に確認できます。

目的②.見込み客を獲得する

十分な集客や認知ができたら、次は見込み客の獲得の段階に入ります。見込み客を増やすには、何度も再訪してもらう必要があります。

「AISCEAS」や「DECAX」といった消費者行動パターンを見ると、ユーザーは気づきから行動までの間に情報収集、検索、比較、検討などの多くの段階を踏んでいます。

AISCEAS :認知→興味・関心→検索→比較→検討→行動→共有
DECAX   :発見→関係→確認→購入→体験・共有

サービスや商品に興味を持ったユーザーは、さらに詳しい情報を知るために検索を繰り返し、ほかの商品と何度も比較し確認してからようやく購入に至ります。

そのためユーザーには、購入を決めるまでの間にサイトに何度か足を運んでもらうこと、つまり「再訪」してもらうことが非常に重要であると言えます。

以下のように、再訪につながる指標をKPIに設定するとよいでしょう。

  • 資料請求の回数
  • SNSのフォロワー数
  • リピーターの数

目的③.コンバージョンにつなげる

見込み客の数が順調に増えたら、最終段階としてコンバージョンを目的とします。コンテンツマーケティングの目的がコンバージョンにつなげることである場合には、そのままコンバージョン数をKGIとしてKPIを設定します。

例えば、コンバージョンが「商品の購入」である場合、KGIはそのまま「商品購入者数」でKPIが「会員登録者数」、コンバージョンが「お問い合わせ」である場合は、KGIが「お問い合わせ数」でKPIが「メルマガの登録者数」などになります。

KPIを考えるためにも、自社コンテンツのコンバージョンを何に設定するかを明確にしておくようにしましょう。

 

4. KPI設定時の注意点

コンテンツマーケティングでKPIを設定するときの注意点を、2つ紹介します。

KPIは多くても3つにする

コンテンツマーケティングにおいて、KPIは多く設定すればよいというわけではありません。設定する数が多くなれば多くなるほど効果測定に時間がかかり、結果的に全部を追いきれず、余計な時間がかかってしまう恐れがあります。

そのためKPIは前章で紹介した「サイトの目的」にあわせて多くても3個にとどめ、シンプルに提示するようにしましょう。効果測定を行うKPIの数を絞ることで、より深く分析を行えるようになります。

KPIは定期的に見直す

コンテンツマーケティングではフェーズによって追うべき指標が異なるため、KPIもWebサイトのフェーズの変化にあわせて定期的に見直すことが重要です。

例えばオウンドメディアを立ち上げたばかりの時期は「自社を知ってもらう」ことが目的になりますが、ある程度メディアの認知度が上がってきたら「見込み客を獲得する」フェーズに入ります。

フェーズが変わればサイトの目的も変わるため、そのたびにKPIを適切なものに再設定することで、サイトの実情に合わせた運用ができるようになります。

 

5.まとめ 

コンテンツマーケティングでは、最終的なコンバージョンだけをKPIに設定してしまうと、立ち上げ期や見込み客の獲得期には成果があがらず「結果を出せていない」との批判を受けかねません。

中長期に渡る施策であるコンテンツマーケティングにおいては、サイトがどのフェーズにいるのかを認識したうえで、その都度適切な目標とKPIを設定し、効果測定を行うようにしましょう。

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この記事を書いた人

Webコンサルタント
広告代理店にてメディア運営・SEOディレクション・Web広告運用を経験。
現在はコンテンツSEOとWeb担当者向けメディア『Webly』の編集を担当。

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