一つ前の記事で、今後10年以内にasean諸国のGDPが日本を追い抜きそうだということを書きました。
その中で、ECの市場規模がどうなっているかについて、同様に確認します。
単位は10億USドルです。このシミュレーションでは、日本のEC化率が4%→6%→12%と伸びて、ASEAN諸国のEC化率がその5年遅れで伸びるという想定です。(参考:現時点で米国のEC化率は6%、英国のEC化率は10%)
2013年のデータはこちら(ECCLab)より頂戴しました。2018年と2023年のデータはGDP全体の数値(「世界経済のネタ帳」 (元データはIMF))と、弊社で独自に算定しているEC化率をかけあわせた推測値です。
どれだけ日本経済全体が停滞しても、EC化率が10%前後、あるいはそれ以上に向けて伸びている限り、ECの市場規模はかなりの成長率で今後の10年間は伸びることが見込まれる、と私達は考えています。
東南アジアの市場は魅力的ですが、ECに限っては、当面日本国内も充分成長ポテンシャルがありそうです。
続いて、日本国内のEC市場の成長をコンサバティブに見たシミュレーションについても確認します。
以下のシミュレーションは、日本国内のEC化率を4%→6%→8%と見ており、10%(英国の水準)に到達する前に
頭打ちし始めるというシミュレーションです。
このシミュレーションの場合では、2023年には、GDP全体だけでなく、EC市場規模においても,ASEAN諸国が
日本を上回ります。
ここでのポイントは、日本のEC市場を抜くかどうか(10年~15年ではいずれにしても抜きそうですが)、
という論点よりも、
2013年から2018年にかけて、
たった5年間の間に、
ASEAN諸国のECの市場が、ほぼ全く何もないところから一気に1000億ドル(10兆円)のレベルまで急速に立ち上がる、
というところがポイントです。
ちょうどいま東南アジア各国(特に、シンガポールはもちろん、バンコクやクアラルンプールなどの都市)では、物流や決済の基盤が整い始めています。
現在の東南アジアのEC市場は、EC化率というマクロデータから見ても、各種サービスの浸透度合いなどから見ても、
日本のEC市場の2000年か2003年頃に近い印象を持っています。
この頃、楽天のようなECが、これほどまでに一般社会に普及することは、業界の真ん中にいた私自身でも、
想像できませんでした。
当時と同じようなチャンスが、東南アジアのEC市場にまさにいま現在進行形で起こっています。
これらの状況について、いろいろな角度から、このブログで紹介していきたいと思います。
=============================================
情報引用元 「世界経済のネタ帳」
情報引用元 「ECCLab」