サイトリニューアルを検討するとき、Web担当者として社内で企画書を提出する機会があるのではないでしょうか。
Webサイトの改善に有効なリニューアルですが、上長や決裁者に納得してもらうためには、要点を押さえたわかりやすい企画書が必要です。
そこで、この記事では、企画書の基本と作成時の注意点をまとめました。誰もが納得する企画書を作成し、サイトリニューアルを進めましょう。
1.まずは企画書の基本を押さえよう
サイトリニューアルに向けて企画書を提出するために、まずは作成前に知っておくべき「企画書の基本」を紹介します。
企画書で伝えるべきこと
サイトリニューアルに向けて企画書を書くとなると、担当者としての思いが先走り、自分の考えていることや意見などを中心に書いてしまいがちです。
しかし、企画とは、「現状の課題を解決するための新しい提案」を指します。そのため、企画書には自分の主張だけではなく、課題点や解決策、進めることによるメリットに加え、どれくらいの時間やコストがかかるのかといったリスク的要素も、きちんと伝えなければなりません。
企画の良い側面だけを伝えても、決裁者はGOサインを出すべきか判断できないでしょう。時間やコスト、リスク、スケジュールも合わせて伝えることで、相手はその企画を進めるべきかどうかの判断ができるようになります。
企画書では、「決裁者のための判断材料をそろえること」に注力しましょう。
企画書の作成前に準備すべきこと
企画書を作成するときには、まず「現状」を的確に把握することから始めます。理想と現状とのギャップの要因は何かを考えましょう。このとき、主観ではなく客観的なデータを集め、分析して課題を抽出してください。
現状把握ができたら、課題の設定、そして改善案検討に進みます。サイトリニューアルであれば、次のようにできるだけ詳しく設定することが大切です。
<例>
現状:資料請求数が低い
課題:資料請求ページへの導線が悪い
改善案:導線を見直す
2. サイトリニューアルの企画書で必要な項目
サイトリニューアルの企画書には、最低限次の項目を記載しましょう。
- サイトリニューアルの目的
- 自社サイトの現状・課題
- 改善後の目標
- 予算とスケジュール
- 制作会社の見積もり
- ワイヤーフレームなどの改善部分がわかるもの
前述したとおり、企画書では現状と課題を伝え、「改善するためにはサイトリニューアルが必要だ」と伝えることが重要です。同時に予算とスケジュール、見積もりなども必ず伝えると、相手はサイトリニューアルを進めるべきか検討・判断できるようになります。
相手に成果物をイメージしてもらうために、ワイヤーフレームや簡単なページデザインを用意しておくことも大切です。相手が知りたい情報は事前に揃え、穴のないように準備しましょう。
3.企画書作成で注意したいポイント
最後に、企画書を作成するときの注意点についてご紹介します。
提案相手と決裁者に合わせた資料にする
企画書を作成するときは、提案相手や決裁者など、見せる相手の「目標」と「リテラシー」に合わせた資料にすることが大切です。
企画を通したいのであれば、サイトリニューアルで、相手の目標やミッション達成にどのように貢献できるのかをアピールするのがポイントです。また、予算は相手が首を縦に振ると考えられる現実的なラインを見極めて提案すると、企画が通りやすくなります。
企画書を提出する相手がWebにあまり詳しくないようであれば、専門用語を簡単な言葉に言い換えることも重要です。加えて、補足文を追記するなど相手のリテラシーに合わせた資料作りを心掛けてください。
できる限り数値を入れる
企画書で現状の問題点を訴えるときは、数値を使う必要があります。言葉だけだと、サイトリニューアルの必要性に対する認識が、双方でずれてしまう可能性があるからです。
例えば、「資料請求数が低い」ことを課題として挙げた場合、現状月10件の資料請求数があるとして、それが多いか少ないかは主観によって感じ方が異なります。
「資料請求ページに月10,000件のアクセスがあるのに、月10件、つまり0.1%しか請求に結びついていないが、広告のコンバージョン率(CVR)などを考えれば月200件(2%)の資料請求は見込めるはずだ」と数値を根拠に説明すれば、多い少ないのイメージがわくようになります。
数値データにはコンバージョン数やアクセス数、売上などの客観的なデータを入れるようにしましょう。
4.まとめ
サイトリニューアルの企画書を提出するとき、Web担当者としての思いや意見を伝えることよりも、必要項目をすべてそろえ、十分な判断材料を与えることを重視しましょう。目標や意見を伝えるときにも、客観的な数値データを用いて論理的にリニューアルの必要性を訴えることが大切です。
相手が必要性を判断できるよう、メリットだけではなくコスト面などもきちんと伝え、専門用語は平易な言葉に言い換えるなどし、「相手の立場に寄り添う企画書」を作成するようにしてください。