コーポレートサイト、ECサイト等で記事コンテンツを更新し続けていると、次第に公開して時間が経った記事のリライトなどの改善施策が視野に入ってくると思います。
コンテンツマーケティングは作ったコンテンツが情報資産となるのがメリットですが、定期的に内容を更新していかなくては価値が下がってしまいます。コンテンツの価値を保ち、効率よく成果を出すための改善方法をチェックしておきましょう。
1.コンテンツマーケティングを改善する3ステップ
コンテンツマーケティングの最適解は一定ではなく、取り扱うコンテンツの状況やユーザのニーズによって常に変化していきます。
定期的なコンテンツのチェックを行い、コンテンツの鮮度を保つことが非常に重要です。具体的に以下の段階を踏むことで明確に改善施策を進められます。
ここではコンテンツSEOの改善を前提として施策の進め方を解説しますが、他のコンテンツ改善を行う場合も基本的な手順は同じです。
①現状分析をする
コンテンツマーケティングによって効果が出た部分、出ていない部分とその原因を洗い出します。
公開後に「どのような成果が得られたのか」「成果につながった理由」などを分析し、改善していくことで継続的な成果に期待できるでしょう。
- コンテンツのアクセス数
- 訪問者の性質
- ゴールや目標との差異
など、具体的な指標で分析するのがおすすめです。
②改善の方針を決める
②-1 目的の設定
改善によって達成したい具体的な目標を明確にします。①で分析した際に用いた指標から目標を設定するとよいでしょう。改善施策のスケジュールを踏まえて期限も設定します。
(例)6か月後までに月間UU数 10,000→15,000にアップ
②-2 データの収集(棚卸し)
Excelやスプレッドシートなどの表ソフトを使って全コンテンツのリストを作成します。
上記は実際に当サイトで使用した記事リストの一部です。WordPressのプラグインで記事リストを出力したあと、記事の情報を追加で入力していきます。ちなみに、このようなコンテンツの洗い出し作業を「棚卸し」と言います。
リスト内に入れるべき項目としては、最低限「投稿日」「タイトル」「URL」「カテゴリ」「タグ」を入れておきましょう。WordPressであればプラグインの設定で自動出力が可能です。
その他、記事の特性によって項目を追加していきます。SEO記事の場合は「想定検索ワード」「検索順位」「記事内リンク」などをリストに入れておくとリライト時の参考になります。また、法律や医療など信頼性担保の為に更新が必要な要素がある場合、市況や統計データなど定期的に更新すべき要素がある場合は特記する欄を作っておきましょう。
棚卸しを視野に入れて普段から記事リストを更新するのもおすすめです。
②-2 評価基準の設定
改善すべきコンテンツを見定めるため、評価基準を設定します。コンテンツの正確性、関連性、ユーザーエンゲージメントなどを基準にするとよいでしょう。
また、改善が必要なコンテンツの重要度も評価基準の一つにすると便利です。可能であればGoogleアナリティクスやサーチコンソールでの分析結果も利用しましょう。
(例)サーチコンソールでの表示回数は多いがCTRが低い記事をピックアップ など
②-3 コンテンツの分析
収集したデータと設定した評価基準に基づき、各コンテンツを分析します。シートを見ながら改善が必要なコンテンツの優先度を決めましょう。
多少の手直しで済みそうなコンテンツ、早急な改善が必要な重要コンテンツは優先度を上げて、どこから取り掛かるかおおよその目安をつけやすくしておくのがポイントです。
③改善の施策を決める
分析結果から改善策や新たなコンテンツ戦略を策定します。
2.コンテンツマーケティング改善の具体的な戦略・施策
コンテンツの分析ができたら、次は改善のための具体的な施策を練ります。
記事によって改善の方向性が異なる場合や別記事で書き直した方が良い場合もあるので、改善ポイントをしっかり見極めて戦略を設計するのが大切です。
コンテンツの専門性・信頼性を上げる
コンバージョンに結び付くコンテンツを提供するにはユーザに合った最新の情報を提供する必要があります。元々顧客ニーズに適していない内容の記事や、コンテンツ内の情報が古い記事はコンテンツの調整を行いましょう。
情報が古い記事はリライトを行うのが一般的ですが、以前のコンテンツはそのままにして新しい記事を作った方が早いこともあります。その場合は基本的に過去の記事をわざわざ削除する必要はありませんが、法律や医療に関する記事など情報の古さが信頼性に大きな悪影響を及ぼす記事は取り下げてください。誤った情報をそのまま放置した場合、サイト全体が検索エンジンのペナルティ対象になってしまう可能性があります。
コンテンツSEO向け:キーワードに適したコンテンツにする
検索順位が上がらない記事コンテンツは検索ニーズに寄り添った内容になっていない可能性があります。
キーワードによって対象となるユーザは異なるので、コンバージョンにつながらない記事はペルソナの洗い出しからやり直してみるのも一つの手です。
優先度が高いのは自社サイトのニーズに近い記事。比較・おすすめ記事などコンバージョンしやすい内容のコンテンツから更新していくのがポイントです。
リライトすべきか迷う記事はまずタイトルを変えてみる
リライトしたり新しく記事を書いたりするのは手間がかかりますが、手っ取り早くタイトルを変えるだけでもGoogle検索の評価が上がることも意外とあります。特に検索上位にあるのにクリック率が低い記事はタイトルが原因でクリックされていないのかもしれません。
コストのかからない箇所から修正して徐々に施策の範囲を広げていきましょう。
新しいコンテンツの制作
リライトを行うのも重要な改善施策の一つですが、分析していくうちに既存のコンテンツだけでは届かないターゲット層が見えてくることもあります。
など、新しいコンテンツの制作によってこれまでの施策では得られなかった見込み顧客の獲得を狙いましょう。一から新しい記事を作成するだけでなく、ウェビナーの内容を小分けにして記事コンテンツ化するなどのアプローチも考えられます。
既存コンテンツの改良であれば新規にコンテンツを作るよりもコストを抑えることができます。可能な限り取り入れていきましょう。
Webサイトの改良
Webサイト全体のCVR(コンバージョン率)が低いなど、Webサイト全体の構造に問題がある場合は中身のコンテンツだけではなくサイトそのものを改良するのも重要です。
サイトの内部構造やユーザビリティの改善は業務の範囲上マーケティング担当の知見だけでは手に負えないケースも多いので、必要であれば外注などの選択肢も視野に入れることをおすすめします。
表示スピード改善
Webサイトの場合、掲載している画像の容量が大きく表示速度が遅いと離脱率が上昇します。画像の軽量化などで表示スピードを改善しましょう。
SEO内部対策の強化
カテゴリ構造などサイト内の仕組みを変えるだけで表示順位が上がることも多いので、SEO対策としては必須の施策です。
検索エンジンに評価されやすいサイトになっているか定期的にチェックするようにしましょう。
ユーザビリティ改善
問い合わせボタンが分かりにくい、スマホデザインに対応していない、などユーザ視点に立てていないデザインがサイトの回遊性を阻害している可能性があります。ユーザビリティ改善を行うことで、ユーザにとって快適で見やすいサイトになるでしょう。
3.コンテンツマーケティングを改善するときの注意点
ここまでコンテンツマーケティングの改善に必要な施策を具体的に解説してきました。ざっと並べ立てると一見誰でも簡単にできるように感じられますが、実際に効果が表れる改善を行うにはいくつか注意点を押さえておく必要があります。
ユーザの視点を大切にする
コンテンツマーケティングの最終目標は自社の売上を上げること。マーケティングを意識しすぎてつい自社の売り込みばかりを考えてしまいがちですが、常に顧客の視点を忘れずに施策を組み立てることが重要です。
検索順位を上げるにしろ売り上げを伸ばすにしろ、コンテンツマーケティングで成果を出すにはニーズや期待に合致した情報を適切な方法で提供する姿勢が大切だと言えるでしょう。
コンテンツSEOの場合キーワードに合致した記事を作ることはもちろん重要ですが、それ以前にコンバージョンしてほしいお客さんに興味を持ってもらわなければなりません。適切なキーワードを選び、ニーズに寄り添った記事を書けるよう意識するとよいでしょう。
ツールによる分析と人による分析、両方を活用する
Googleアナリティクスなどの分析ツールを適切な場面で利用するスキルはもちろん、データだけでは推し量れないニーズを考慮した分析を行う力も同じくらい大切になります。
マーケティングの知識を持った担当者がニーズに寄り添ってコンテンツ分析を行い、改善策を決めていきましょう。
短期的な成果を求めない
コンテンツマーケティングはすぐに成果が出るものではありません。公開から1週間、1ヶ月と経ってもアクセス数が伸びないと焦りが出てしまうのも分かりますが、すぐに改善の施策を打つ必要はありません。頻繁な更新によって生じる人的コストの浪費とGoogle評価に与える悪影響のリスクを考えると、最低でも数ヶ月は修正せずデータを蓄積すべきです。
半年~数年単位で期間を置いてどの程度成果が現れたのか計測し、改善の手立てを考えるようにしましょう。
4.まとめ
コンテンツマーケティングの改善にはニーズを踏まえた分析が必要です。顧客の興味に沿ったコンテンツを提供できるよう修正を行っていくことで、より成果の出るサイトに近づくことでしょう。
弊社のコンテンツマネジメントでは、必要に応じて棚卸しやリライトのご要望にもお応えします。自社で手が回りきっていない、コンテンツマーケティングの知識がある会社に頼みたいという会社様はぜひご検討ください。
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