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食品業界事例
食品業界に対する考察と実例をご紹介します
EC化率
★★★☆☆
ECの成功可否は商品特性に大きく依存します
競争に勝てる可能性
★★★★☆
EC化が比較的進んでいない領域が多く、勝ち筋は大いにあります
収益性
★★☆☆☆
健康食品やサプリメントを除き、利益率は高くないため2としました
施策検討の易しさ
★★☆☆☆
単価が安く、広告だけでは難しいため2としました
攻略時間
★★☆☆☆
成果が出るのに時間はかからないものの、ロジスティクス周りが難しい
目次
2020年-2021年の食品業界の業界規模(主要対象企業124社の売上高の合計)は21兆1,499億円、飲料業界規模(主要対象企業14社の売上高の合計)は4兆2,194億円となっていますが、市場の切り取り方、例えば卸業者や加工業者を入れるかどうかによって大きく変動があり、取引市場の規模は大きく見積もると60兆円を超えるとも言われる巨大産業です。
食品/飲料業界の特徴としては、人口動向や時代背景によって大きく需要が変化することが挙げられ、直近で大きく影響があったのは新型コロナによる巣篭もり需要の増加です。具体的には即席麺・食パン・など家庭向け食品が大きく伸びました。
一方で飲食店向けなど業務用の食品や酒類に関しては大きく落ち込みました。飲料に限ると、外出自粛の影響からレジャーでの飲料需要も減少しています。自宅で過ごす消費者が増えたことで大型ペットボトルの需要が大きく伸びているようです。
同時に原材料費や輸送費に大きく影響を受けるのも特徴で、こちらも新型コロナの影響を大きく受けました。数ある業界の中でも消費者の価格弾力性が高い(つまり価格変動に敏感に反応する)業界である食品/飲料業界では、コスト高騰の影響は利益を圧迫する大きなリスクと言えます。また、人口が減少傾向にある日本では市場が縮小することは避けられないため、「海外展開」と「高付加価値」を経営戦略の軸においている会社が多くあります。
*食品
国内の食品大手といえばお菓子から乳製品から始まりその他チルド/冷凍食品まで幅広い領域の食品を扱う明治HD、そしてそれを追随する食肉・加工食品を扱う日本ハム、調味料を中心に扱う味の素、というように食品カテゴリによって異なる超大手企業がひしめいている業界です。一方で海外の売上高でみると、海外比率1位はキッコーマン(69.4%)、2位は味の素(61.4%)、3位は日本水産(35.7%)というように、企業によって海外戦略には明暗が分かれていることがわかります。食品は国や地域によって文化が大きく異なり、商品戦略やマーケティングのローカライズが非常に難しいことがわかります。
*飲料
飲料業界は米国発祥コカ・コーラ系列が高シェアで、それに追随するサントリー・キリンといった日本のビール系メーカーといった構造をしています。最近では、コカ・コーラがレモンサワーブームに乗っかり「檸檬堂」といった酒類産業に参入したり、ボルビックなどの海外ミネラルウォーターが競争に加わったりと市場は混戦を極めています。新型コロナの影響で飲食店経由の酒類の販売が落ち込む中で競争が激化しており、各社がどういった商品戦略マーケティング戦略をとっていくのかに注目です。
食品業界のEC化率はたった3.31%で、ECが進んでいるとはいえない状況です。理由はいろいろありますが「ECならではのメリットが作りにくい」ということに尽きるかと思います。そもそも鮮度や実物の見た目、産地など「実物性」が重視される食品は通常スーパーで目で見て購入されることが多く、かつその場所が家の近くにあることが多いので、販路としてそれに勝てないことは自明の理とも言えます。
また、賞味期限や鮮度が影響する中で在庫管理にコストがかかるので、コストメリットも出しづらいことが考えられます。結果として食品・飲料のECサイトはスーパーマーケットが実施する「ネットスーパー」という形が、物流網などの規模の経済性が働くために最も主流となっています。
そんな中でもECならではの付加価値をつけることに成功している事例をいくつか紹介します。
Amazonなどについで、日本で3番目に食品が売れているECサイト「オイシックス・ラ・大地」は、日本における食品ECの先駆けです。ネットスーパーのようにお客様が商品を選定するだけでなく、サブスクリプションで定期的な販売を行っています。有機野菜をメインに扱って健康志向の強い家庭をターゲットにしたり、ミールキット(材料とレシピがセットになった料理キット)を必要な分量で販売するなど、インターネット×サブスクリプションというビジネスの強みを十分に使いながら、高付加価値の購買・消費体験を創出していると言えます。
ミールキットだけでなく、健康志向の20代~30代デジタルネイティブをターゲットにしたnashや、健康食・治療食を高齢者や糖尿病患者に届けるタイヘイ(*当社制作)などの「宅配弁当」という市場においてはサブスクリプションやECのビジネスモデルと相性がいいと考えられます。
飲料メーカーで革新的なビジネスモデルを成功させているのがキリンホールディングスのKIRINホームタップ。なんとビールサーバーを各家庭にリースし、ビールをサーバーから美味しく注ぐ体験そのものを提供したことで注目を集めました。350mlあたり500円近くと飲食店で飲むビールと同じくらいのコスト感にも関わらず多くの会員を獲得しています。
他にも、ECだけで売ることを志向せずにインターネット上では自社商品を活用したレシピを中心に展開し、オムニチャネルを前提とした戦略をとっているところも見受けられます。エバラでは焼肉のタレ、鍋タレといった商品の特性を生かしたコンテンツを多く展開しています。
スーパーなどに置きづらい大衆向けではない機能性食品や健康食品をECで展開するやり方もよく使われる手法です。
カバヤ食品のグループ会社であるオハヨーバイオテクノロジーでは独自開発のスーパー乳酸菌「ロイテリ菌」を含むヨーグルトやサプリメントを、コンテンツとともに展開してインターネットならではの販売を作り上げています。
E社では、検索体験上もサイト構造上も課題があり、主力商品である「焼肉のたれ」が①SEOで上位表示されない、②サイトに入っても下層にあり辿り着くのに時間がかかるという、「焼肉のたれ」が主力商品であるE社にとって致命的な状況であることがユーザビリティ調査によってわかりました。サイトリニューアルの際に調査で発覚した課題点を潰すことにより、「第一想起」を確保する顧客体験設計を実現しました。
O社では、長年の研究開発から口臭予防に効果がある細菌が含まれた食品を販売していました。しかし一般にはその菌に効能があることの認知が低かったため、検索市場における口臭予防関連のKWに対し、その細菌の効果をアピールするコンテンツ記事を量産することで一般認知を取りに行くことをご提案しました。結果として、口臭予防関連のKWに多くのSEO評価を獲得でき、効能のブランド醸成に大きく寄与することができました。
1購入あたりの単価がそこまで高くない食品業界のプロモーション戦略を立てる際に重要なのは、LTVから逆算したプロモーションの戦略やKPIを立てることにあります。T社ではサブスクリプション型で弁当の宅配サービスを行っているにもかかわらず、プロモーションのKPI設計がLTV最適化されておらず、本来取れる顧客を取りこぼしていました。そこで顧客のLTVから逆算してアフィリエイト広告を中心とするプランへ切り替えを行ったところ、CPAは微増したものの、売上拡大に大きく寄与することができました。
ECマーケティングでは、食品・飲料業界でどのように売上アップを狙っていくかについて、戦略設計から施策実行までご相談をお待ちしております。
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