不動産業界事例

不動産業界に対する考察と実例をご紹介します

不動産業界事例

ECマーケティングの不動産・住宅業界実績(一部)

ECマーケティングの「Web販路拡大攻略チャート」

EC化率

★★★★★

Web化率の余地が大いにある点で5にしました

競争に勝てる可能性

★★★★☆

差別化がそもそも難しいので4にしました

収益性

★★★★☆

資本力が必要だが利益率はとても高いため4とします

施策検討の易しさ

★★☆☆☆

広告だけでは完結しないので2としました

攻略時間

★★★☆☆

成果が出るまでに比較的時間はかからないかと思います

不動産業界の市場動向

市場規模

不動産業界は厳密な定義が難しく、ざっくり市場規模が50兆円強の超巨大産業です。金融業界・建設業界と相互補完の関係にあり、厳密に言うと金融事業である不動産投資業や建設業と重なるディベロッパー(開発業)など、明確な区分をすることができません。ただ、法人数でいっても337,934社と全産業の12%を占め日本の一大産業と捉えることができます。業界1位となる企業は三井不動産で約2兆円の売上があります。

市場の流れ

<価格でみる全体像>
価格という観点で市場の直近の動きを見てみましょう。不動産価格は地価公示(国土交通省が毎年1回調査し公的に発表する地価)によると、バブル期の1991年をピークに大きく下がり、2006年ごろやや上昇基調を見せましたがリーマンショックの2008年に再度下落、その後2013年からは緩やかに上昇しています。直近の上昇は低金利ローンや、オリンピックに向けたインバウンドを見込んだホテル開発などが要因だと考えられています。

<1960年代にはほぼ業界構図ができていた>
そもそも、オフィスビルや商業施設の開発が積極的に行われ始めたのは大正時代の財閥の動きが関係しています。大正時代、オフィス整備の必要があった財閥、中でも三菱財閥は東京丸の内にオフィスビルを次々と建設したことを起源としています。その後三井財閥が日本橋室町周辺を開発していき、日本(東京)の不動産業界の礎となりました。その後阪急などの私鉄会社が分譲事業を進めたり、1960年代には管理事業の元ができたりするなど不動産業界の勢力図はほぼ完成していました。

独立行政法人住宅金融支援機構のサイト(当社制作)

一般消費者向けの住宅に焦点を当ててみると、戦後の「国が主導した住宅ローンの普及」が市場に大きな影響を与えています。消費者の積極的な消費を促そうと1950年代・60年代にかけて住宅ローンの先がけとなる金融商品が作られましたが、ほとんど普及せず、国が住宅金融公庫を設立し25年超の超期間・超低金利のローンを普及させました。その後シェアは2000年代まで40%以上持っていましたが、2007年に独立行政法人住宅金融支援機構(*当社がサイトを制作) となり、公庫融資は廃止となりました。住宅ローンが普及したことは、日本に「持ち家文化」が定着し活発な消費を促したと言う意味で大きな影響がありました。

業界の構造

◯業界構造
不動産業は①開発・分譲事業、②流通事業、③賃貸・管理事業、④ビル・マンション管理事業、⑤証券化事業の5つに大別されます。①開発・分譲事業はデベロッパーとも呼ばれ、オフィスビルや商業施設・戸建て・マンションの建設・運営・開発を行う事業者で、不動産業界の中核とも言える事業体です。UR都市機構のような公的な事業者もいますが、三井不動産や三菱地所などの財閥系、東急や阪急などの電鉄会社、NTT都市開発などインフラ会社など資本力がものをいう大企業で構成されています。

②流通事業は仲介事業とも言われ、戸建・マンション・土地・ビルの売買や賃貸を行う事業です。開発事業と隣合わせなので開発事業の会社がグループとして持っている会社もあります。(三井不動産リアルティ、住友不動産販売など)一方で情報の流通という意味では資本力が低くても始められる事業体ということもあり、小規模事業者が多いのも特徴です。

③賃貸・管理事業はマンションやアパートなどの比較的小規模な不動産の賃貸広告や管理を行う事業です。仲介を生業とする企業が仲介後の利益を狙って、あるいは仲介に結びつけるために事業展開をしていることも多くあります。大規模なところだと大東建託グループ、小規模地域密着のところだと、ミニミニ、ハウスメイトグループなどがあります。

④ビル・マンション管理事業は、エレベータや空調など設備が複雑なオフィスビル・商業施設などを管理する事業です。建築や設備などの技術専門職を設けて不動産の維持管理を行っています。

⑤証券化事業はいわゆる不動産投資といわれるもので、金融の事業に近いものがあります。大型のオフィスビルや商業施設を証券化し投資家にその証券を売る事業です。最近は大型のオフィスビルだけでなくワンルームマンションを投資商品として扱う業者もあります。好立地を抑えているブランドマンションを扱うFJネクストやワンルームマンションに特化して大きく業績を伸ばしたプロパティエージェント、クレアスライフなどがあります。

プロパティエージェント様のサイト(当社制作)

直近の動向とデジタル化の動き

古い歴史と大きな影響力を持つ不動産業界ですが、近年不動産市場は大きな転換期を迎えています。転換期の原因となっているのは人口減少と少子高齢化です。働く人のためのオフィスビル、楽しむ人のための商業施設、暮らす人のための住宅、というように人ありきである不動産業界は人口やその構成変化に大きな影響を受けます。問題となっているのは市場縮小・人手不足・非効率・都心回帰の4点であり、それらを解決するために民泊事業、ホテル事業、都市再開発、リゾート事業、相続ビジネス、リースバック、空き家対策、シェアハウス、リノベーション、不動産テック(効率化・少人数)といった新規ビジネスの動きがあり、これらは全てデジタル化と深く関係してきています。

<ポータルサイトの出現>
不動産業界、とりわけアパートやマンションのの情報流通に大きな影響を与えたのは1990年から2000年のインターネットバブル期に誕生した「不動産ポータルサイト」です。昔は、空き部屋探しといえば物件情報誌が主流でした。そこに一石を投じたのがリクルート住まいカンパニーの「SUUMO(当時はISIZEの住宅情報On The Net)」と、そのリクルート出身である井上氏が立ち上げた「LIFULL HOME’S(当時はHOME’S)」です。そのほか「at home」が生まれたのも1999年でこれはこれまで「不動産をインターネットで探す人なんていない」と考えられていた不動産業界の情報流通に大きな影響を与えました。

ポータルサイト at home(当社一部制作)

WEB上の消費者動向と販売戦略の変化

消費者の変化

インターネットで不動産情報を検索して探すということが一般的になったのは主にアパート・マンションが中心でした。しかし、その他の「証券化された不動産」や、「不動産会社のサービス力」といった情報も全て検索できる状態になり、さらにインスタグラムやTikTockといったSNSで不動産情報を流る業者が出てくるなど、急激に情報量が増えています。不動産会社の店舗で選んで決めるというやり方ではなく、webで情報収集した上で不動産店舗に行く/不動産営業マンの話を聞くというスタイルになりました。インターネット経由からの顧客は年々増えています。

WEB戦略の変化

上記のような状況の中で不動産業界のマーケティングにおいて、これから求められるのはズバリ「インターネット上にどんな情報をおくか」ということです。アパート・マンションが空いているかはもちろん、物件の状態の詳細はどうか、物件に住んでいる人がどう思っているか、営業マンがどうだったかまでインターネット上でわかるようになってきています。これは、流通業者だけではなく、リフォーム・外壁塗装業者やハウスメーカーなどにも当てはまります。

「インターネット上にどんな情報をおくか」を考えることは、自社の主要顧客がどんな心理なのかについて考えることでもあります。今までのように「地域に根ざした営業活動をしていく」「消費者は知らないだろうとタカをくくった情報出しをする」ことでは生き残ることが難しくなってきています。

不動産業界でWEBマーケティングを成功させるポイント

①ユーザー視点で情報を整理

物件情報が多くなりがちなので、顧客心理に合わせた情報設計を行うことが重要です。

大手不動産会社N社のケース

不動産会社の物件情報が多いが故にどうしても情報が多くなりがちです。この時重要なのは顧客心理に合わせたサイトの情報設計をすることでした。N社様では、WEBサイトの情報設計からデザイン、裏側のシステム連携まで一気通貫でサポートさせていただき、大きくCVRが改善しました。

②ユーザーが読みたくなるコンテンツを展開

オウンドメディアを構築することによってナーチャリングの目的を持たせることができます。

投資用ワンルームマンションP社のケース

投資用の不動産業界はもともと個人へのアウトバウンド営業が中心の営業スタイルの会社が多くありました。しかし昨今、過剰な競争によるお客様の営業に対するアレルギーや個人情報保護が厳しくなってきている時代背景から、アウトバウンド営業を100%インバウンド営業へ変えていきたいというご相談をいただきました。オウンドメディアの構築や購入者インタビュー動画コンテンツの制作を通して、WEBでリードをとり、ナーチャリングする仕組みを構築しました。

③ユーザー像とマッチしたWebサイト設計

競合が多い業界なので、自社の顧客が誰なのか?を定義した上でのWebサイト戦略が営業に効いてきます。

大手ハウスメーカーS社のケース

Webサイトを中心に営業戦略を立てていきたいという要望をいただき、会社全体の競争環境をふまえたweb戦略の設計について相談いただきました。戦略設計前は見るべきページがまとまりなく配置されていて、UIや上位レイヤー設計のほかデザイン、システム開発など総合的に制作する必要がありました。そこでまずターゲットペルソナを定義し、ユーザーに全て合わせたデザインと導線設計を行わせていただきました。

ECマーケティングでは、不動産業界でどのように売上アップを狙っていくかについて、戦略設計から施策実行までご相談をお待ちしております。

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