独立行政法人のサイトリニューアル
官公庁所管の公的機関・2500ページ以上の大規模サイトリニューアル
公共性の高さ、ユーザの多様性に対応した使いやすいサイトへ
独立行政法人のサイトリニューアル
某官公庁所管の独立行政法人A社のサイトリニューアルプロジェクト
サイトリニューアルにあたり、行政法人A社のサイトにはいくつかの課題点がありました。ページの継ぎ足しを繰り返してきたことによってコンテンツ量が膨大になり、ユーザ行動を意識したナビゲーション・コンテンツ設計ができていない点に関しては特に早急な解決が必要だと判断されました。
行政法人A社のサイトは個人法人、年齢や属性を問わず多種多様なユーザが訪れる公共性の高い大規模サイトであり、ターゲットを一つに絞り込んでサイトを構築することは不可能です。サイト内の領域ごとに想定されるユーザが異なるため、コンテンツごとにターゲットを明確にしてリニューアルを進める必要があると提案しました。
行政法人A社の案件は、その公共性の高さからベンダー選定にあたり競争入札の方式が取られました。ECMの提案は分析の正確さにおいて高い評価をいただき、入札参加した数十社の中から落札・契約に至りました。
サイトリニューアルプロジェクトは約1年半かけて実施されました。弊社のサイトリニューアルでは要件に沿ったページリニューアルを行うだけでなく、事前の綿密な調査・分析を行い理論と根拠に基づいたリニューアルを行います。
改修全体の方針としては大まかに
1)問題点の抽出
2)改修方針の策定
3)改修案・改修ページの作成
4)効果検証
の4ステップに分けられます。
問題点の抽出にあたってはユーザビリティの専門家が独自の手法でサイトを分析し、具体的なコンバージョンシナリオ作成(導線計画)までを一貫して行います。
一般的には効果的なマーケティングにはペルソナの数が少ない方がよいとされます。しかし先述の通り行政法人A社のサイトは公共性が高く、ターゲットユーザが多種多様であるがゆえに少数のペルソナに絞った戦略設計が困難でした。
同じサービスであっても、例えば学生が見るページと各分野の専門家が見るページでは求められる情報やデザインが大きく異なります。全ての人が目的に合わせて必要な情報をストレスなく取得できるサイトを構築するために、30種類以上のペルソナをもとにウォンツ・ニーズごとに細かく分析することとなりました。
多数のペルソナを持つという性質上、サイトの設計にも工夫が必要です。ペルソナをいくつかの群に分けて絞り込み、サイトリニューアルのプロジェクトに落とし込みました。ターゲットユーザを分類→絞り込みし、そこから優先づけをすることで、ペルソナが多数必要な場合でも各ユーザに適した使いやすいサイトを作ることができます。
ユーザ行動の仮説を立てて論拠に基づいた具体的なペルソナ設計を行い、分析結果に基づいてサイトリニューアルを進めるのが弊社の特徴です。
ペルソナに適した設計の難易度が特に高いのはサイト内のナビゲーションです。全てのユーザが求めている情報にたどりつけるよう、各ペルソナに合った簡潔かつ伝わりやすい文面・デザインでナビゲーションを設計しました。
行政法人A社のサイトは利用者の多さ、公共性の高さゆえに総合サイト・ポータルサイトとしての側面が強く、多数のペルソナに対応したデザインと構造設計を行う必要がありました。
まず特定サイトへのアクセスや資料DL、電話相談など、行政法人A様のサービス利用につながる行動をコンバージョンに設定。代表的なペルソナを6種類抽出し、各ペルソナについてコンバージョンポイントまでの導線を「コンバージョンシナリオ」として綿密に計画します。
ECマーケティング社で実施するサイトリニューアルは「Web制作チーム」と「UI改善チーム」がそれぞれ独立して業務(分析とプランニング)を行います。
UI改善チームは認知心理学をベースにした分析メソッドを用いて、ユーザの視点からサイトの改善案を提示する役割を持っています。一方、Web制作チームは実際の実装工程を担当し、要件を満たす満足度の高いサイトを制作します。
それぞれの役割を最大化するためにサイトにおける問題点・解決策を積極的に議論し、両チームの良さを弁証法的にサイト制作に活かします。行政法人A社からいただいた要望も取り入れつつ、ユーザビリティの観点から抽出した改善策を反映させたページを制作することで、真にユーザ目線に立ったサイトリニューアルを実現できます。
本事例において、2,500ページ以上にわたる膨大なページの情報整理は大きなハードルでした。
今回の事例は大規模サイトの改修であることも相まって、システムベンダーの要件を巻き取る作業や追加ページ制作、ページ外での情報整理作業など想定外の対応が多数発生しました。
しかし、特に公的機関の事業は事前に厳格な納期が定められており、トラブルや追加のオーダーが入った際はいかにフレキシブルに対応していくかが重要になります。
毎週数時間の進捗報告会議で行政法人A社とも綿密なコミュニケーションを取りながら細かい方針を決定していくことで、シビアなスケジュールの中でも柔軟かつ成果につながるリニューアルへと近づけていきました。
サイトリニューアル後にGoogleアナリティクスの数値をもとに効果検証を行ったところ、リニューアルによる改善効果が複数のページにおいて確認されました。
Webログ分析時の数値をもとにプロジェクト全体のKPIを設定します。目標があいまいにならないようあらかじめKPIを設定し、効果試算と検証まで行うのがECマーケティング社の大きな特徴です。
本事例では大きく分けて
・新規来訪セッションにおける閲覧開始ページ上位の各数値
・6種類の導線におけるコンバージョン率
の2つをKPIとして設定し、リニューアル前後で数値を比較しました。
リニューアル後1ヶ月時点でトップページは直帰率、訪問あたりの平均閲覧数、平均滞在時間すべての指標で改善が見られました。閲覧開始上位ページの中には直帰率が57%→33%に改善したものもあり、サイトリニューアルの効果が早い段階で確認される結果となりました。
ECマーケティング社のサイトリニューアルでは、主要なペルソナに沿ったコンバージョンシナリオを作成する際にコンバージョンにあたるページの数値を実際に計測し、実装後に同じ指標で比較します。本事例では、当初設定した6指標中4指標でCVRの改善が確認されました。
コンバージョンシナリオを意識した戦略的な導線設計を行うことで、デザインが良いだけではなくPVやコンバージョンなど数値につながるサイト制作を実現できたと言えます。
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