大手メガネECサイトのスマホUI刷新で変化する顧客ニーズに対応

JINSのECサイトでは、フレームやレンズ、ケースなどカスタマイズ項目が多く、商品ページが煩雑になりやすいという課題がありました。そこで弊社では、ユーザがストレスなく選択肢を比較・検討できるよう、UIの整理と情報構造の最適化に注力しました。

具体的には、ページごとの導線設計、レビューの配置、カート遷移時の挙動などを細かく設計し、「見やすさ」と「情報量」のバランスをとる工夫を行いました。

中でも、お客様レビューはJINSのECにおける大きな強みであり、信頼形成の核となるコンテンツとして積極的に活用しました。ユーザが求める情報へスムーズにたどり着き、安心して選べる商品ページを実現しています。

メガネという商材の特性上、検討段階や目的が異なる多様なユーザがECサイトを訪れます。そこで、弊社では想定される主な行動傾向に基づき、4つのペルソナを設定。それぞれのニーズや関心に応じたコンバージョンシナリオを策定しました。

どのユーザにとっても「自分に必要な情報がすぐに見つかる」ようにナビゲーションやサブナビゲーションを細かく設計しました。また、特集ページやコラボ企画からの流入が多い点も踏まえ、それらの導線から各商品ページへのアクセス性も最適化しました。

こうした対応により、サイト全体の回遊性とCVR（コンバージョン率）の双方が向上。幅広いユーザにとって分かりやすく、選びやすいサイト体験の実現につながっています。

本プロジェクトは、デザイン・コーディング・インフラがそれぞれ異なる会社によって担当される体制で進行しており、弊社は要件定義、サイト設計、ワイヤーフレーム制作を担いました。

進行中には、インフラ領域において想定外のサイバー攻撃が発生し、プロジェクト全体が一時中断。EC市場がスマートフォンシフトの過渡期にあった当時は、プロジェクトが再開した半年後にはユーザ動向やトレンドが急速に変化していました。再開時には、当初の設計がそのままでは通用しない状況となっていたのです。

弊社ではこの変化に即応し、既存の設計をほぼゼロベースで見直し。短期間で新たなトレンドを反映したワイヤーフレームを再構築しました。また、複数の関係会社との調整を図りながら、全体の進行管理や優先度の再設定を行い、プロジェクトの再起動を円滑に推進しました。

大規模プロジェクトを多数支援してきた経験を活かし、複雑なステークホルダーの管理が必要な体制下でも柔軟に推進できる調整力を発揮できたことが、本プロジェクトの成功につながったと考えています。