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現場目線のUI改善によるカーリース新規参入と顧客獲得
激戦市場を勝ち抜くスピード改善と伴走支援
Client
株式会社MICは、マーケティングコンサルティングや新規事業開発、FC店舗の運営支援などを多角的に展開する企業です。特に「ニコニコレンタカー」や「ニコニコカーリース(ニコノリ)」といった自動車関連サービスにおいて、全国規模で店舗ネットワークを構築し、お客様の多様なニーズに応えるサービスを提供しています。常に現場の視点を大切にしながら、業界のトレンドを捉えた新たな価値創出に取り組む姿勢が同社の強みと言えます。
Result
新規事業立ち上げと市場変化のタイミングを逸することなく参入に成功し、ユーザー獲得を実現しました。
Solution
Overview
株式会社MICは自社の強みを活かし、新規事業としてカーリース市場への参入を実現しようと計画していました。しかし、2018年頃からの感染症拡大といった外部環境の変化もあり、同市場への新規参入が相次ぐ中で、Web戦略の強化が急務となっていました。激戦の市場において競合他社との差別化を図り、見込み客を効率的に獲得するためには、Webサイトのユーザビリティ向上が不可欠でした。
そこで、ユーザーが迷わず目的の情報を得られ、スムーズに仮審査や問い合わせに進めるよう、サイト全体の導線やコンテンツを見直す必要性が浮上しました。本プロジェクトでは、客観的なデータや専門家の知見に基づき、サイトの強みと弱みを洗い出し、スピーディかつ着実にPDCAサイクルを回していくことが目標として設定されました。市場の急激な変化に対応しつつ、ユーザーに選ばれるサイトへの進化を目指した取り組みとなります。
Process
Point.01
ヒューリスティック評価では、ユーザビリティ・エンジニアリングの理論に基づき、専門家の知見から対象サイトのチェックを行いました。評価の結果、総合評価は5段階中の「D(問題あり)」となり、致命的で重要度の高い課題が複数抽出され、ユーザビリティ改善による伸びしろが非常に大きい状態であることが判明しました。
具体的には、サイト全体やトップページ、検索導線、車両詳細ページ、コンテンツページ、問い合わせフォームなどから合計21項目の課題が洗い出されています。特に「信頼感・安心感」と「レイアウト・段組」に関する課題が目立ちました。ブランド名である「ニコニコマイカーリース(定額ニコノリパック)」が長く、ユーザーの記憶に残りにくいため再来訪のロスが生じている点や、実績を示すアピールがトップページのみに留まり、多くのユーザーの目に触れていない点などが指摘されています。
また、検索画面においてファーストビューで見えないレイアウトや、車両詳細ページでのコンバージョン導線が不明確である点も、ユーザーの離脱を招く要因として挙げられました。これらの課題に対し、画像の強調や実績の共通ヘッダーへの配置、検索条件の見せ方、問い合わせボタンの明示といった具体的な改善策が提示されています。ユーザーがストレスなく検討から申し込みへと進めるよう、各ページにおける情報の配置と導線を抜本的に見直すことが本ステップの重要な成果となりました。
■重要度の高い課題例
・ブランド名が長く記憶に残りにくいため、再来訪の機会損失につながっている。
・実績アピール(3冠達成など)がトップページにしかなく、信頼感の醸成が不十分である。
・検索結果ページでファーストビューの表示情報が不十分で、直帰を招いている。
・車両詳細ページにおいて、契約条件の有無が分かりにくい。
・車両詳細ページのコンバージョン導線(問い合わせ・見積依頼)が明示的ではない。

ヒューリスティック評価1

ヒューリスティック評価2

ヒューリスティック評価3

ヒューリスティック評価4
Point.02
競合ベンチマーク評価では、ヒューリスティック評価で抽出された課題を踏まえ、競合他社や他業界の先進サイトとの比較を通じて、自社サイトの差別化要素と参考となるアイディアの収集を実施しました。この評価の基準として「セオリーにかなっていること」と「対象サイトに適用可能であること」の2点を設定し、一時的なリニューアルにとどまらない、本質的なユーザビリティの向上を目指しています。
具体的には、同業の競合サイトとの比較により、第一印象の訴求方法や特定のターゲット向けコンテンツの充実度、車両検索の使い勝手、コンバージョン導線の設計などを詳細に分析しました。また、客層や事業テーマが共通する他業界の先進サイト(カーセンサーやビューティガレージなど)からも、複数ブランドの統合方法や実績の魅力的な伝え方といった斬新な切り口を抽出しています。
分析の結果、ニコニコグループが展開する新車カーリース、中古車カーリース、短期カーリースといった複数サービスを段階的に統合・連携させるアプローチが提案されました。ヘッダーの統一やコンテンツの一部連携から始め、最終的にはデザインや検索機能を一元化することで、ユーザーが自身のニーズに合わせて最適なサービスを選びやすい環境を構築することが狙いです。さらに、特定ターゲットへの訴求の強化や車両検索機能の改善など、合計13項目の具体的な改善タスクがリストアップされ、サイトの競争力強化に向けた明確な指針が示されました。
■重要度の高い課題例
・新車や中古車など、複数ブランド・事業間の連携やナビゲーションが不足している。
・訴求内容や導線が弱く、一部のターゲット層を逃している。
・車両検索や車両一覧ページにおいて、他社と比較して使い勝手や情報提示に改善の余地がある。
・実績や信頼感の訴求において、他業界の先進サイトに比べて工夫が足りない。
・競合他社が提供している検討サポート情報やコンテンツが欠けている。

競合ベンチマーク評価1

競合ベンチマーク評価2
Point.03
アクセスログ解析では、Googleアナリティクスなどのデータを用いて、サイトの利用状況とユーザー行動を定量的に可視化し、課題の特定と改善による伸びしろの算出を行いました。分析は主に「閲覧開始ページの把握」「主要ページからの遷移状況」「コンバージョンに寄与するコンテンツの特定」「カテゴリ・車両ごとの分析」という4つの視点で進められています。
解析の結果、特定のページからの流入が全体の多くを占めている一方で、そこから実際の仮審査や問い合わせ(コンバージョン)に至る割合が低いという課題が浮き彫りになりました。ページを「花形」「問題児」「埋もれた宝」などに分類し、アクセスは多いものの成果に結びついていないページや、アクセスは少ないが成約率が高いページを特定することで、優先的に手を入れるべき箇所を明確にしています。
例えば、特定区分ページに関するコンテンツが、広告経由で高い効果を上げていることが確認され、これらの関連ページを拡充することが提案されました。
また、検索エンジンからの流入や広告経由の流入におけるコンバージョン率の違いを分析し、それぞれパフォーマンスも検証しました。これらの定量的データに基づき、特定ページからの導線改善や特定の広告強化などにより、コンバージョン数を上乗せするというシビアで現実的なKPI設計が行われました。
Point.04
被験者テストでは、実際にカーリースの利用を検討しているターゲット層を対象に、モニター調査を通じた行動観察を実施しました。ユーザーが検索エンジンや比較サイトからどのように情報を収集し、サイト内でどのような行動をとるかをリアルに把握することが目的です。
テストの結果、いくつかのクリティカルな課題が発見されました。まず、ユーザーの多くがアフィリエイトなどの比較サイトを経由していることが確認されました。そのため、外部サイトにおける自社の見え方(ロゴの認知や独自のメリットの訴求など)をコントロールする重要性が示唆されています。
さらに、サイト内の機能に対するユーザーの不満も浮き彫りになりました。特に、競合他社のサイトには実装されている料金シミュレーション機能がないため、ユーザーは「プランが固定されている」「柔軟な対応ができない」と誤認してしまい、検討候補から外れてしまうケースが複数観察されました。また、ブランドロゴから「ニコニコレンタカー」との関連性に気づきにくいといった、ブランド認知のロスも指摘されています。
一方で、サイト内に深く入り込み、サービスの詳細(安さの理由や契約の流れなど)を読み込んだユーザーからは高い関心を引き出せることも分かりました。つまり、サイトの第一印象や初期の操作性(検索機能の使いやすさやプランの分かりやすさ)を改善すれば、十分に検討候補に入り得るというポジティブな側面も確認されました。この結果を受け、料金体系の分かりやすい見せ方や、検索画面へのメーカーロゴの配置など、ユーザーの心理に寄り添ったきめ細かなUI改善策が策定されています。

被験者テスト1

被験者テスト2
市場が成長過程にあるビジネスにおいて、Webサイトが果たす役割は極めて重要です。
特に、カーリース事業のように広告費を大きく投下して集客を図るビジネスモデルでは、Webサイトのコンバージョン率(CVR)がわずか1%改善するだけでも、事業全体に与えるインパクトは計り知れません。ユーザーがサイトを訪れてから離脱することなく、いかにスムーズに目的のアクションへと導けるかが、競争を勝ち抜く鍵となります。
また、本プロジェクトの対象サイトのように、Webサイト上のコンバージョン(仮審査の申し込みや問い合わせといったリード獲得)の先に、実際の「成約」というステップが伴うビジネスは、一般的なECサイトとは異なる特性を持っています。ECサイトであれば、カートでの決済完了がそのまま売上に直結しますが、カーリースの場合は、リードを獲得した時点ではまだ売上は発生しません。そのため、最終的な成約(マネタイズ)率から逆算した精緻なKPI設計と、シビアかつ現実的な目標設定が強く求められます。単にアクセス数を集めるだけでなく、成約確度の高い良質なリードを効率的に獲得するための戦略的なサイト設計が不可欠となるのです。
事業を中長期的に成長させていくためには、持続可能な集客効率の維持、他社にはない競合優位性の確立、そして継続的な改善活動(PDCAサイクルの実行)を支援する体制が必要不可欠です。社内の視点だけでは気づきにくい細かなUIの課題や、ユーザーのリアルな心理的ハードルを発見するためには、客観的なデータと専門知識が欠かせません。
本プロジェクトで実施された、ヒューリスティック評価、ベンチマーク評価、アクセスログ解析、そして被験者テストという多角的なアプローチは、まさにその課題に応えるものです。定性的なセオリーや行動観察と、定量的なデータ分析を掛け合わせた第三者目線での伴走型コンサルティングは、サイトの「減点」を素早く潰すだけでなく、事業の独自性を引き出し、確実な成果へと結びつける非常に価値の高い取り組みだと言えるでしょう。変化の激しい市場環境下において、現場の制約にも配慮しながらスピード感を持って改善を推進するこのプロセスは、他の多くのビジネスにおいても強力な成功モデルとなるはずです。
Webリニューアル・Webマーケティングの強化のご相談・ご依頼など、
売上アップに関することは、当社コンサルタントにお気軽にご相談ください。
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