グローバル基準を刷新したデニムブランド公式ECのUI改善

4つの調査手法が導く、次世代の購入体験

LEVI'Sリーバイス公式オンラインショップ

Client

クライアント

リーバイ・ストラウスジャパン株式会社(LeviStraussJapanK.K.)は、デニムやジーンズを中心としたアパレル製品の販売を手掛ける企業です。主力事業の一つとして、LEVI'Sリーバイス公式オンラインショップの運営を行っています。

会社名
LeviStraussJapanK.K.(リーバイ・ストラウスジャパン株式会社)
事業内容
デニム・ジーンズなどのアパレル製品の販売・アパレル製品の公式オンラインストア・店舗運営
資本金
8,600万円
社員数
75名

Result

プロジェクト成果

4つの独自調査から導いたUIがASEANエリアのデザインフォーマットにも採用されました。

Solution

関連ソリューション・サービス

Overview

プロジェクトの背景

大手ファッションブランドの公式ECサイトにおいて、グローバル規模でのサイトリニューアルが予定されていました。
それに先立ち、既存サイトのUI/UXに関する課題や改善の方向性を網羅的に把握し、リニューアル時のデザインおよびシステムに反映させる目的で発足したのが本プロジェクトです。
対象がブランド公式ECであるため、楽天やAmazon、ZOZOTOWNなどの大手ECモールも強力な競合となり得ます。その立ち位置を深く考慮し、定性・定量の両面から4つの専門的な調査を実施することで、目標とするCVR(コンバージョン率)の10%改善に向けた課題の洗い出しを行いました。

Process

「コンサル型制作・開発」の
取り組み内容

Point.01

ヒューリスティック評価

PCサイトを対象に、ユーザビリティの専門家が11の評価基準(ナビゲーション、サイト内検索、入力フォーム、情報提供など)を用いてヒューリスティック評価を実施しました。

全体で35件の課題が抽出され、5段階評価で最低ランクの「E(危機的状況)」と厳しい結果が示されています。
しかし同時に、これらの重大な課題を改善することで、サイトの成長ポテンシャルは非常に大きいとも結論づけられました。特に、ブランド特有の専門用語に依存したナビゲーションや、購入に直結する送料などの情報提示不足、さらにはカートボタンの目立たなさなど、初見ユーザーにとってハードルとなる要素が多く見つかっています。

■印象的な課題例
・グローバルナビゲーションに「501CT」などブランド名がそのまま使われており、知識のないユーザーには内容が伝わらない。
・「送料無料」などサイト独自のメリットが十分にアピールされておらず、商品ページでも配送料などの重要情報が確認しづらい。
・ショッピングカートのデザインが弱く目立たないうえに、画面スクロール時に表示されるメニューと重なって隠れてしまう。

ヒューリスティック評価1 イメージ

ヒューリスティック評価1

ヒューリスティック評価2 イメージ

ヒューリスティック評価2

ヒューリスティック評価3 イメージ

ヒューリスティック評価3

ヒューリスティック評価4 イメージ

ヒューリスティック評価4

ヒューリスティック評価5 イメージ

ヒューリスティック評価5

ヒューリスティック評価6 イメージ

ヒューリスティック評価6

Point.02

競合ベンチマーク評価

スマートフォン(SP)サイトに焦点を当て、UNIQLOやZOZOTOWN、GAPといった競合他社6サイトとのベンチマーク比較を行いました。

ECモールや同業他社の優れたUIを分析した結果、LEVI’SE-SHOPに取り入れるべき19件の改善ポイントが抽出されました。
このうち14件は他社に追いつくための「キャッチアップ」施策であり、残り5件は「差別化」のための施策と位置づけられています。
具体的には、ハンバーガーメニューの利便性向上や、カート画面での離脱防止策、さらには女性ユーザー向けのUI改修やサイズに対する不安を払拭するコンテンツの提供が急務であることが判明しました。

競合ベンチマーク評価1 イメージ

競合ベンチマーク評価1

競合ベンチマーク評価2 イメージ

競合ベンチマーク評価2

競合ベンチマーク評価3 イメージ

競合ベンチマーク評価3

競合ベンチマーク評価4 イメージ

競合ベンチマーク評価4

競合ベンチマーク評価5 イメージ

競合ベンチマーク評価5

競合ベンチマーク評価6 イメージ

競合ベンチマーク評価6

競合ベンチマーク評価7 イメージ

競合ベンチマーク評価7

Point.03

アクセスログ解析

Google Analyticsのデータを用いて、「エントランス(流入)ページ」「商品カテゴリ」「店舗検索の利用状況」の3つの視点からアクセスログ解析を実施しました。
サイトのCVRが低い原因を流入ページごとに特定し、具体的な解決策を提示しています。また、商品カテゴリを「接触量(PV)」と「効率(収益/PV)」という2つの指標でマッピングし、スター、隠れた宝、PVの無駄遣い、落ちこぼれ、の4グループに分類しました。これにより、ブランドワードで検索して流入しているにもかかわらず直帰してしまうユーザーの存在や、カテゴリごとの適切な露出強化戦略が明確になっています。

■印象的な課題例
・「501」などのブランド名検索による流入が多いにも関わらず、遷移先のページに商品画像が少なく、CVRが極めて低い。
・スマホサイトではPCのような「マウスオーバー」の挙動がないため、バナーやテキストがクリックできる場所かどうかがわかりにくい。
・商品カテゴリごとに「アクセスは多いが買われない」「アクセスは少ないがよく買われる」という明確な差があり、戦略的な露出調整が必要である。

アクセスログ解析1 イメージ

アクセスログ解析1

アクセスログ解析2 イメージ

アクセスログ解析2

アクセスログ解析3 イメージ

アクセスログ解析3

Point.04

被験者テスト(スマホ)

スマートフォンを日常的に利用する男女5名のモニターを対象に、実際のサイトを使って商品の検索から購入までを行ってもらう「ユーザー行動観察調査」を実施しました。

モニターの生の声と操作の様子から、アクセスログだけでは見えない20件の課題が浮き彫りになりました。特に、スマートフォンの画面サイズや操作性に合っていない画像の動き、カテゴリの探しにくさが指摘されています。また、購入手続きに進んだ際に「CLUBLEVI’S(会員プログラム)」への連携画面が説明なく表示され、これがユーザーを混乱させ手続きを中断させる大きな要因となっていることが判明しました。

■印象的な課題例
・商品画像のスワイプ操作が指の動きと連動しておらず、不自然で遅く感じる(5人中3人が指摘)。
・カートに入れた商品の数量が変更できないうえに、会員登録後に再度ログインを求められるなど、購入動線に大きなストレスがある。
・商品一覧ページから「性別」「色」「価格」による絞り込みができず、目的の商品にたどり着くのが非常に困難である。

被験者テスト(スマホ)1 イメージ

被験者テスト(スマホ)1

被験者テスト(スマホ)2 イメージ

被験者テスト(スマホ)2

被験者テスト(スマホ)3 イメージ

被験者テスト(スマホ)3

被験者テスト(スマホ)4 イメージ

被験者テスト(スマホ)4

Point.05

被験者テスト(PC)

PCサイトにおいても、男女5名のモニターを対象に行動観察調査とインタビューを実施しました。

ここではPCならではの広い画面領域を活かしきれていない点や、視線誘導の不備による課題が多数見つかっています。グローバルナビゲーションの構造がユーザーのメンタルモデルと合致しておらず、商品を探す入り口の段階で迷わせてしまうケースが目立ちました。さらに、スマホ版と同様の「CLUBLEVI’S」関連の離脱ポイントに加え、モデルの体型情報や他人のレビューが不足しているため、自分にフィットするかどうかの確信が持てず購入をためらう行動が鮮明に観察されました。

■印象的な課題例
・グローバルナビゲーションに商品カテゴリとブランドライン(501等)が同じ階層で並んでおり、構造の不自然さにユーザーが混乱する。
・トップページのメインビジュアルが大きすぎるため、よく見られる「ランキング」などの重要コンテンツがファーストビューから見切れている。
・商品名が似ているアイテムが一覧に並んだ際、商品の違いがわかりにくく、詳細ページへ遷移しないと比較検討ができない。

被験者テスト(PC)1 イメージ

被験者テスト(PC)1

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被験者テスト(PC)2

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被験者テスト(PC)3

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被験者テスト(PC)4

まとめ

ファッションに限らず、あらゆるブランド公式ECサイトは、卸先の小売店や楽天・Amazon・ZOZOTOWNなどのECモールといった「取引先」が同時に「強力な競合」にもなるという宿命的な市場で戦っています。価格や配送スピード、ポイント還元といった機能的価値において、巨大プラットフォームに対抗することは容易ではありません。
今回のプロジェクトは、グローバルでのサイトリニューアルを前に現状のUI/UX課題と改善案を洗い出し、コンバージョン率(CVR)を改善することが主目的でした。しかし、最も大きな収穫は、定性・定量の両面からアプローチし、特に「被験者テスト(行動観察調査)」を通じてユーザーのリアルな心理と行動を深く理解できたことにあります。

ユーザーは単にサイト内を回遊するだけでなく、常に他社サイトやECモールと行き来しながら比較行動を行っています。その際、ユーザーが購入を決定する重要な軸は「自分に合うサイズ感か」「着用イメージが湧くか」という点でした。ベンチマーク調査やテストで指摘された「スタッフやユーザーの着用レビューの充実」「モデルの体型情報の明記」といった改善案は、まさにこの不安を解消するためのものです。

公式サイトで購入してもらうためには、モールにはない「ブランド直営ならではの安心感と体験」を提供する必要があります。商品の背景にあるストーリーを的確に伝え、ストレスのないナビゲーションで目的の商品へ導き、サイズへの不安を取り除く。これらを徹底することが、結果として「公式サイトで買うベネフィット」の形成につながります。

本プロジェクトの重要性は、表面的なデザインの修正にとどまらず、データとリアルなユーザー行動に裏打ちされた「顧客視点の購入体験」を再構築した点にあります。ここで得られたサイト外での比較行動や購入検討軸に関する知見は、サイトリニューアルを成功に導くだけでなく、今後のブランドマーケティング全体において極めて有益な資産となるはずです。あらゆるメーカーやブランドのEC担当者にとって、顧客の真のニーズに向き合い、公式サイト独自の価値を高めるためのモデルケースと言えます。

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