オリジナルTシャツ最大手企業のCRM戦略

CRM戦略から施策実行までサポートで、成約率5%UP

Client

クライアント

オリジナルTシャツやポロシャツ、ユニフォームのプリント製作をはじめ、防寒着やステーショナリーなどのノベルティ製品も幅広く手がけるオリジナル商品の製造・販売最大手会社です。
高品質な印刷技術と豊富な商品ラインナップで、企業の販促グッズやイベント用アイテム制作をトータルにサポートしています。

会社名
株式会社プラスワンインターナショナル
事業内容
オリジナル商品・各種販促品
資本金
5000万円
社員数
130人

Result

プロジェクト成果

CRM戦略の立案施策実行までサポート
オリジナルTシャツをはじめとするリピート売り上げ130%UP
さらに、Webコンバージョンからの成約率30%UP

Solution

関連ソリューション・サービス

Overview

プロジェクトの背景

オリジナルプリントTシャツネット販売最大手のプラスワンインターナショナル。イベントや、店舗のユニフォームなどに強みを持っていました。しかし、Web販売の成長は鈍化してきており次なる一手を模索している段階で当社と出会いました。

オリジナルTシャツやパーカーなどはイベントがあるときのみ必要になるもので、タイミングがずれると広告を展開しても売り上げが思うように伸びないという状況でした。

そこで、

  • 広告での新規獲得からリピート顧客の売り上げへシフトすること
  • Web問い合わせからの成約率アップ

という方向転換を行うことになりました。

Process

「コンサル型制作・開発」の
取り組み内容

Point.01

CRMコンサルティング開始

戦略の重要性から、CRMプロジェクトをはじめに開始することになりました。

今まで、Web広告でずっと新規獲得で事業成長してきた会社がリピート顧客獲得を重視する戦略シフトは、容易に行えるものではありません。 理由は、ほとんどの企業は新規獲得が順調な場合や立ち上げ当初はリピート顧客獲得のための仕組みやデータベースをしっかり準備していないことがほとんどのためです。

 

オリジナルグッズのビジネスモデルは、例えば「Tシャツ」「マグカップ」という具合に無地の商品を仕入れて、プリントや刺しゅうなどの加工をして販売するというモデルで、

仕入れ商品+デザイン+加工=製品という形となり、受発注も複雑になります。

また、お客様からWebサイトだけで金額が決定せず、一旦Web問い合わせを受けて、営業が仕様を確認して金額が決定するという営業の手間も発生します。

このやり取りをすべて、データベース化して、どういったお客様が、どういう買い方をして、どこに課題があるかを明確にして仮説を立てるという作業が必要なのです。

 

そのため、事業モデルの複雑さと、データそのものが分散しているため本プロジェクトにおいても非常に現状把握が非常に難しく、 現状把握だけでも3~4か月の時間を要しました。ここから地道にプロジェクトを立ち上げていきます。

Point.02

CRM戦略構築の第一歩は現状把握

リピート顧客獲得の戦略を立てて実行するためには何を考えますか? メルマガ配信をしたり、ステップメール、クーポンやポイントの仕組みを作るなどが一般的ですね。

実際の施策はその通りなのですが、何の仮説や戦略もなく施策実行しても効果が薄く、結果が出ない場合が多いです。また、PDCAもうまく回らない状態が続き、CRM施策全般について施策の性質上成果が出るまでのリードタイムが長いため本当に成果が出ているのかが分からなくなるといった問題があります。

そこで、しっかりとした、現状分析に基づく戦略が必要になってきます。前提でお話ししました、現状把握があり、まずどういったお客様が、どういう買い方をしているかということを確認する作業から始めます。

そのうえでCRMプロジェクトはデータがどのような形式でどこに保存されているかを調べていきそれが分析に耐えうるのか、データがない場合は今後どうするのかといったところから把握作業が始まります。

【全社データベース鳥観図】 イメージ

【全社データベース鳥観図】

【今後のDB蓄積改善指示書】 イメージ

【今後のDB蓄積改善指示書】

社内外に分散されたデータを形式をそろえたり、今後新たに蓄積したりして、施策実行や分析から戦略立案に役立つものへ加工していきます。

CRMプロジェクトでは、「できるだけ正確に実態を数値化」することが非常に重要です。同じデータでも、ノイズが何%混じっているかによって判断が違ってきます。

つまり、現状使えるデータで、できるだけ正確に実態を数値化して、その認識をプロジェクトメンバーで共有することが重要なのです。

具体的には、下記のようなデータベースの補正や基礎的な数値分布などの認識合わせのレビュー会をプロジェクトの最初の方で実施します。

【顧客データ補正サンプル】 イメージ

【顧客データ補正サンプル】

【分析対象の基礎データ】 イメージ

【分析対象の基礎データ】

【基礎分析:客単価推移】 イメージ

【基礎分析:客単価推移】

全体概要の認識をそろえるための分析を基礎分析といいますが、事業全体や顧客像をなんとなく数字で理解していきます。

本プロジェクトの場合は

・カテゴリごとの売り上げの推移

・カテゴリごとの顧客数

・新規顧客、既存顧客の客単価の推移

・顧客数の推移(新規とリピート顧客数の推移)

・法人顧客、個人顧客の売り上げ比率推移

・法人顧客、個人顧客の客単価の推移

などを抽出してレビュー会を実施しました。

このあたりの数値をプロジェクトメンバーでノイズも含めて解釈の仕方を共有することによって、PDCAを回すための判断の軸を持つことができることと、事業全体の構造を把握すること。大まかな課題や伸びシロを把握することができます。

本プロジェクトにおいては、法人/個人の買い方が全く異なることや法人/個人の中でも複数の属性があるということが初期段階の分析でぼんやり見えてきました。

【初期段階での顧客分類】 イメージ

【初期段階での顧客分類】

初期段階では、購入のパターンによって大きく3属性にセグメントを分けて分析を深堀しました。

・個人

・個人の高額購入者(ブルジョワと命名)

・法人

です。この3属性では購買行動が明らかに違うため、CRMプロモーションのフォローアップも3パターンに分岐させたほうが良い可能性が高いということが分かります。

Point.03

全体像把握から戦略立案へ

基本的な情報の整理や、分析を終え事業全体像や顧客像、購入パターンなどがなんとなく見えてきたところで、ある程度のざっくりとした戦略を立てると同時に、分析を深堀していきます。

主な流れは以下の通りで、

①現状把握

②戦略立案

③施策テスト

④施策本格稼働

⑤施策評価

⑥PDCAの連続

という形になります。 通常①で2~3か月を要します。①~⑥まで最短で9か月~12か月というのがプロジェクトのおおよその期間で、そこから数字が改善されていくため、本来は、2~3年見据えてPDCAを回していくというのがお勧めです。

【プロジェクト全体スケジュール】 イメージ

【プロジェクト全体スケジュール】

Point.04

詳細分析からアンケート実施そしてペルソナ作成へ

現状把握で全体概要がつかめてもまだ施策レベルに落とし込むには情報が不十分です。そこで既存データだけではあぶりだせない詳細を探るには、アンケートを実施することが多いです。 既存顧客に実施する場合とより広範囲な市場動向の把握は一般パネルを使うことがあります。

今回は、「購買属性の把握」にメインの目的がありましたので既存顧客へのアンケートを実施しました。

【アンケート結果:基本属性】 イメージ

【アンケート結果:基本属性】

【アンケート結果:属性ごとの購買行動】 イメージ

【アンケート結果:属性ごとの購買行動】

このように、徐々にドリルダウンしていき顧客の購買行動や属性、満足するポイント、買い方、買うタイミングなどをあぶりだしていきます。

この時点では、当初分類した、法人、個人、ブルジョア以外にさらに特徴的な購入属性パターンに分けることになりました。

  • 会社員 ②自営業 ③学生 ④主婦 ⑤フリーター

の5分類です。 ここからさらにペルソナ像をブラッシュアップしていきます。

・年齢・地域・収入・立場

・ニーズ

・利用するきっかけ

・リピートのニーズ、

・商品の使い方 位置づけ

などの情報をプロジェクトメンバーで議論しデータをもとに擬人化していきます。

まだ、仮説ベースですが、現時点でのゴールはプロジェクトメンバー全員が、ペルソナを「実際に存在する人」としてイメージできることです。

【ペルソナ参考例】 イメージ

【ペルソナ参考例】

顧客データの分析による情報、コールセンターや営業マンの現場の声による情報、さらにアンケート調査による情報などを組み合わせてできるだけ、ペルソナの解像度を上げていきます。

そうすると、ペルソナが分解され

・会社員 意思決定者

・会社員 決裁権限無しの担当者

・自営業者

・学生 リーダー格

・学生 チーム担当者

・主婦

・個人事業主/フリーター

という7個のペルソナに分類することになりました。

【7つのペルソナ鳥観図】 イメージ

【7つのペルソナ鳥観図】

【ペルソナ③ こだわり自営業者】 イメージ

【ペルソナ③ こだわり自営業者】

Point.05

ペルソナを見据えた販促施策の立案方法

これらのペルソナで、ペルソナ毎に反応率が高いオファーや企画案をもちより、CRM販促施策の方向性を固めていきます。

【CRM販促企画の方向性ブレスト資料】 イメージ

【CRM販促企画の方向性ブレスト資料】

CRM施策で重要なことは、顧客をペルソナ毎に区切って明らかに違う購買行動を特定していくこととそれに合わせた「オファー」「クリエイティブ」に一貫性を持たせることです。この一貫性が販促物やメルマガを送った際に顧客の心に刺さる重要な要素となります。

【メルマガの法則】 イメージ

【メルマガの法則】

例えば、16歳の女子高校生に対してメルマガで

「この度は、ご購入いただき一同感謝しておりご案内差し上げました・・・」

のような堅い文章を送ってしまうと、「私宛ではない」と瞬時に判断されてしまい、読んでもらえません。これは、「ターゲット」と「クリエイティブ」のアンマッチになります。これに加え、「オファー」つまり何をお勧めしたり、キャンペーンとして伝えれば「ターゲット」に喜んでもらえるかを考えることがCRMの基本中の基本です。

「ターゲット」×「オファー」×「クリエイティブ」が一貫してピッタリ合っていると

CRM販促のレスポンスが最大化されるのです。

全てのCRM企画の原点は「ターゲット」にあるのです。

ペルソナ③のこだわり自営業者のイメージをプロジェクトメンバー全員がイメージして、どういう企画やキャンペーンを訴求すればよいかを徹底的にあぶりだして企画を作りあげていきます。自営業者の店舗で使うオリジナルグッズ、Tシャツ、パーカーなどは、新しいアルバイトスタッフが増えたときにユニフォームとして注文するというシーンを想定して、キャンペンや割引のタイミングを設計したり、オリジナルグッズを作る「版」の保管料を一定期間無料にしてリピートにつなげるなどの工夫をしました。

【ペルソナ③こだわり自営業の販促戦略】 イメージ

【ペルソナ③こだわり自営業の販促戦略】

【ペルソナ毎の顕在ニーズと潜在ニーズの整理】 イメージ

【ペルソナ毎の顕在ニーズと潜在ニーズの整理】

Point.06

CRM戦略から施策実施PDCAフェーズへ

ペルソナの顕在、洗剤ニーズを企画骨子に落とし込み販促施策に反映していきます。

今回のプロジェクトでは、

・ペルソナ毎のキャンペーン内容

・ペルソナ毎のメルマガ

・ステップメール

・TVCM

などへ展開してレスポンスを追いPDCAを回していくことになりました。

 

販促施策ごとに反応率をあらかじめ目標値(KPI)を設計してどういう指標でどう施策を評価するかを決めておくことも肝心です。

【販促効果検証 確認資料】 イメージ

【販促効果検証 確認資料】

施策が始まってから、数値が思うように取れていないということも往々にしてあるので、事前に計測の可否や目線合わせをしておく必要があります。

【メルマガの効果検証シート】 イメージ

【メルマガの効果検証シート】

本来CRM戦略は、長期スパンで成果を追うべきです。つまり年間や数年かけてリピート率の向上や、顧客単価の向上を目指すものです。そういったCRMで目標とする数値は事業構造や収益構造の改善も含まれており短期で一喜一憂するものとは性質が異なります。

しかし、今やっている施策の評価が2年後までわからないというのは経営的にも大きな問題が残ります。 そこで、長期スパンで見るKPIと、短期で評価する仕組みの2軸でCRMのPDCAを回していくことがポイントとなります。

上記の「メルマガ効果検証シート」は1本1本のメルマガの評価を行い、メルマガのクリエイティブやタイミング、企画などのノウハウ蓄積を狙ったものになります。

 

メルマガやLINEなどのCRMでお客様に届ける販促物は、戦略に基づき定期的に送られるもので継続してお客様に「飽きずに覚えていただく」ということが重要になります。

まず、基本的な書き方の考え方をお伝えします。

【クリエイティブの原則 AIDMA順番の法則】 イメージ

【クリエイティブの原則 AIDMA順番の法則】

「ターゲット」が明確になると「クリエイティブ」の設計・制作になります。

よく広告代理店の方やマーケティングの書籍などでAIDMAの法則などといわれていますが、そのノウハウはメルマガにはそのまま当てはまります。重要なのは、1つのメルマガのできるだけファーストビューの範囲でAIDMAがすべて表示されていることです。

AIDMAの詳細の説明は省略しますが、メルマガは狭いエリアでいかに瞬時に自分に興味のある情報が来たのかということを把握してもらうよう設計しましょう。

 

よく、企画チームから、「ネタがない」とか「どのように設計したらいいのかわからない」などの声を聴くことがあります。単一商材の企業は特に、商品周辺情報だけでは、ネタが尽きやすい状態です。そこで、企画のマンネリ化対策としては、時節に合わせた企画をすることで企画に幅が生まれてお客様にもより親近感を覚えていただけるというメリットがあります。

【販促年間スケジュール】 イメージ

【販促年間スケジュール】

時節やライフイベントを意識した年間カレンダーを事前に準備することによって、企画のネタ切れを防止し企画業務を円滑に進めることができます。

【CRM施策 メルマガ配信結果分析】 イメージ

【CRM施策 メルマガ配信結果分析】

ここから先は、企画→施策実施→振り返り→改善企画といった形で、PDCAを回していくフェーズになります。販促施策は、DM、メルマガ、LINE、アプリプッシュ通知など現在は様々な手法がありますが、PDCAを回す際はメルマガ中心に施策を走らせて、うまく言った施策を他の媒体へ展開するといった方法がお勧めです。理由は、メルマガは中間KPIとなる指標が比較的計測しやすいこと、配信コストが安いことが挙げられます。

施策ごとに、開封率、クリック率、見積もり件数、売上などをデータベース化していくと

どういう企画が売上につながり、どういう企画がレスポンスが悪いなどの現場のノウハウが凝縮されていきます。

【メルマガの詳細総括シート】 イメージ

【メルマガの詳細総括シート】

PDCAの基本は記録と振り返りです。ある程度シンプルなフォーマットで、「企画概要」「良かった点」「悪かった点」「KPIとなる数字」を記載して蓄積することによって、企画の精度が高まり、反応率やメルマガからの売り上げを数倍に増やすこともできます。

 

このようにしてCRM戦略から施策実行までは非常にやることも多くコストや人員も多くかかりますが、年商10億円のECサイトが、1人の人の購入が、年間で1000円だったのが、CRM施策ご1500円になっただけで、単純計算で15億円に売上が伸びるという事業基盤の改善や利益率の向上につながる経営戦略上重要な施策といえます。

EC、通販事業を立ち上げ、ある程度の顧客数、新規顧客獲得ができるようになった企業様はぜひチャレンジしてみてください。

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